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15 クソ長い説明

 ここだけの話次のページに飛べば、納得してくれる(?)ところまでカット出来るよ。本当にとっても長〜い説明だから、カットしてみてもいいと思うよ?







 なるほど君は、カットしない感じね?それもまたよし。んじゃあ!納得して貰えるように、頑張って説明するね〜!



 くるりとロクはこちらを向いた。

「それじゃあまず、この世界にどうして君を呼んだのかについて話すね。本当にクソ長いから君の相槌とかはガン無視するからね」

 了解しました。黙っておきますね

「その方がいいと思う。ただでさえ長いのに、もっと長くなっちゃうからね。あ!質問は受け付けてるからね」

 了解しました。よろしくお願いします

「僕にだけ、事務的じゃない?まぁ、僕は誘拐犯みたいなものだしね、確実に君一人の力じゃ戻れない場所に連れてきた誘拐犯」

 ………(黙りますからね)

「そんな誘拐犯の、誘拐目的はね~。君にこの世界の人類を救ってもらうこと」

「……そうだなぁ。とても簡単に言うと、君がいないとこの世界の人類は滅んでしまう。1人残らずみ〜んな死んで、この世界から人が消えていなくなってしまうんだ」

 絶滅ってことですか!?

「うん人類が絶滅しちゃうんだよね」

 …それは何故ですか?

「いい質問だね。色々な要素が絡まりあって、というのもあるけど、1番は人類同士の戦争だよ」

 ……なぜこの世界に私がいると人類は滅ばないのですか?結びつかなくないですか?というかどうやって私が人類を生き残らせると?

「そう考える気持ちはわかるよ。クソ長説明するね」

 どうぞ。納得させてくださいよ。

「今のままじゃ納得してくれなそうだものね。じゃあ、時を遡ってウン千年前、この世界の人類が丁度栄え始めた頃。今で言う国みたいにこの時代の人々もまとまり始めた。人が集まるとまとめる人が必要になる。今と名称は違っても、この時代にも王がいた」

 昔にも国と王があったと

「そう。それでこの世界の王は

揃いも揃って、美男か美女だった」

 は?

「だから、国を治める王がいて、その王が」

「美男美女だったと?みんな?」

「うん。そう。理由もあるよ」

「聞かせてください。話をさえぎってすみません」

「いいよ。いいよ。僕たちの世界では子供を作るには魔法を使うんだけど 」

 え!?

「その魔法を与える神達が面食いしかいなくて…」

 ん!?

「魔法って割となんでも出来るから、魔法が使える人が国を収めていたら自然と美男美女の王しかいなくなってたんだ。大丈夫…?百面相してるけど」

 はぁへぇ…。ええっと。うん。気にせず続けてください。黙ります。

「心配だな…。まぁとにかく普通に王が美男美女なだけで人類全滅とはならないじゃん。普通は」

 知らないですけど。

「ならないの!でもね問題はここからで、美男美女が王になったらそれはまあ、大層おモテになるのね。」

 それはわかる理屈ですね。

「でしょ!それで、それでね問題が起きちゃうんだけどなんだと思う?」

 え、「えーとえ?急ですね」

 質問されると思っていなくて、ビックリして、反射で声が出た。

「何でもいいから、答えてみて?」

「そうてすね、今までの話的に美男美女な王様を取り合って戦争が起きちゃう…とか?」

「なるほどね。まぁそうだよね」

 まぁそうだよねってなんですか。

「いや、僕が管理しているこの世界と君が生きていたあの世界は、本当に違うんだなと思って」

 ?

「起きた問題はね、王が愛を忘れちゃったんだ」

「どういうことですか?」

「王である美男美女はモテる。彼らの周りに集まる人の思惑は様々だ」

 さっき百面相していると言われたけれど、ロクもかなり見え方がコロコロ変わるほうだと思う。ずっと笑顔なのに、笑顔の温度が違うというか……。不思議な感覚、見え方だった。

 そして、今のロクの笑顔はとてもとても悲しい笑顔だった。

「この国1番の権力者である彼に気にいられたい!ものすごく綺麗な彼女に自分を認識されたい!なんてプラス方向のものもあれば、下剋上するために弱みを握ってやる!王のことは嫌いだけど、その権力は好きだから嫌だけどごまをすろう…。なーんてマイナス方向なものもある」

 一旦。ロクとの会話に集中することにする。「そうしてくれると、クソ長が長くらいになるかも」

 ………心も読まれることだし。

 それでえっと?あぁ。まぁそれはどんな王でもそうなのでは?

「それはそうだろうさ!でも、その王が美男美女だとね、人の集まる量が違うんだ。もちろんこの世界にも容姿が美しくない王もいたさ。でもね圧倒的に美男美女の王が多かったこの世界でわざわざ美しくない王につかえるものってのはやっぱり少なくてね。どんどん減っていって、現代では0だよ」

 ZERO!?全員美男美女ってことですか!?

「うんそう。一人残らずね。この世界に美男美女が多いからじゃないよ?普通の容姿のものがいるから美男美女は輝いてしまうのだから」

 一応この世界にも歴史はあるってことですね。

「一応も何も立派な他の世界に自慢できる世界だと思ってたんだよ、少し前まではね…。っとごめん話が逸れたね」

 確かに……?……大分逸れてますね。戦争が起きるんじゃなかったですっけ?

「ごめんね。まぁそんなに難しい話じゃないんだ。美男美女な王の周りには本当に信じられないくらい様々な思惑をもった人々で溢れた。そして、そんな人々と交流を重ねて重ねて重ねることしか出来なくて分母がとても大きくなった。当然マイナスな方向の思惑も感じ取った

 少なくなかったんでしょうね。

「そうだね。美男や美女の王って外から見れば良さそうだけど、いつの時代にも向上心の塊みたいな人や嫉妬という感情の塊みたいな人達はいるから。そして、そんな人達は上に立つ人に負の感情を容赦なく向けるから」

「そうして沢山の負のエネルギーに触れた王たちはやがてプラス方向のエネルギーと見分けがつかなくなっていった」

 ……悲しい話ですね。

「人はそんなに強くないから100のプラスを感じても1のマイナスを気にし続けたりするのに、山のようなマイナスを浴びて多分おかしくなっちゃったんだ」

 …とても悲しい話ですね。

「褒め言葉も自分にごまをする言葉に聞こえる。どんなにプラスな言葉もマイナスに聞こえて、仲良い友達とのちょっとした冗談のなんだよ〜でさえもなんでお前が王なんだよに聞こえた王もいたね」

 ……恐ろしい話ですね。

 プラスの言葉がその人の世界からどんどん減っていってしまうんですから。

「うんそうなってしまったら、その王の世界はもう地獄だ。そうして王たちは自分のことしか信じることが出来くなって、しまいには自分のことも嫌いになってしまって、自分という存在から」


「あいをうしなったんだ。人を愛することも、自分を愛することも出来なくなってね。ちなみに、愛がない状態で子孫だけは残し続けているからなかなか次の王が愛を知れることも無くてね」

 なかなか惨い話ですね…

「そうだね。これが各所でおこり、今の王はそんな王たちの祖先だ。全員が美男美女だが、

あいを忘れてしまっている。うん。失っているってのは正しくなかった。忘れてるだけなんだよ。みんなね。確実にその存在の中にはあるのに、忘れてしまっているんだ。もちろん例外もいるけれど、八割はそうなんだ」

 八割は多くないですか?というか、もうそろそろ私がこの世界を救える理由って分かったりしますか?

「うん。ごめんね!人と話すの久々で長くなっちゃった!やっと戻ってこれたね!なんで君が世界を救えるのか!答えは単純かつ!明快!

今いる美男美女のみんなに君のことを好きになってもらって愛を思い出して貰って、戦争を回避しよう!そもそも戦争を起こすのはあいがないのか原因みたいなんだ!自分以外のことを思う愛がないから平気で人を殺せと命令がてきてしまう。1つの町や国じゃなくて八割の王がこれだからダメなんだと思うんだ」

 なるほどなるほど。

「八割の内のせめて、一割にでも愛を思い出して貰えたら、子孫には愛を繋げられてなんとか回避出来ると思うんだ。だって戦争の理由は別に生活に困っているからとかじゃないんだ。ただ自分が収める国を豊かにしたいだけ。王は国をより豊かにするゲームを遊ぶしか脳がないみたいになってるんだ。お願いだよ。この世界を救って」

 なるほど話してもいいですか?

「もちろん。いくらでも聞くよ。ただあんまりにも長いと家族のみんなが心配するかも」

 長引かせたのはロクなのではって思ったり、

まぁ、今までも山ほどツッコミたかったけど

我慢した。心の声も丸聞こえだし、

「そんな大役私で本当にいいんですか?」

 そんな愛おしくて堪らないものを見る目はやめて欲しい。心の声が聞こえていたのだから分かっていたはずでしょう。私が乗り気であることくらい。

「君ならできるよ。全員愛してくれるでしょ?そして、全員に愛されてくれる。ちがう?」

「愛す自信は少しはありますけど、愛される自信は全然ないですよ。本当に成功するんですか?この計画」

というか本当に【私】のことを知っていて、この世界に連れてきたんですね。という言葉は心の中にとどめるだけにした。聞こえているのだろうけど。

 

 ロクは少し難しい顔をしている。やはり、この神様は結構表情が豊かなようだ。愛嬌があるというかなんというか、自然と目が離せなくなる感じ。神様にこんなことを思うのは、おかしいのかもしれないけど。表情が大人びているのに、子供っぽいというか、よく見ると子供っぽさの裏に切なさが隠れているというか……。言語化がとても難しいのだけど。

 さっきなんて嫌でも同情してしまうくらい悲しい顔をとてもよくこちらに見せるものだから。なんだか……痛くなった。

「えっと……。うん。愛される部分は問題ないよ。君の周りではトラブルが良く起こるけど、そのトラブルを解決すれば好きになってくれるように呪いをかけてあるから。ただ、ちょっとした問題あってどうせ人類みんなさよならバイバイするんだから関係ないかなっと思って、君が出会う予定の美男美女には」

 もごもご言っている。神様も言い淀むことあるんだ。なんて他人事に思う。目の前にいるのはまだ信じられないや。すごいもごもご言っている………。声に出してみることにした。

「美男美女には?」

「怒らないでほしいんだけど」

「私が怒るようなことなんですか?」

「うっ」

「言ってみてくださいよ。怒ったらごめんなさい」

 こちらを見つめたロクは勢いに任せて言った。

「君に好きになってもらって!尚且つ、君のことを好きでいないとしぬ呪いをかけてあるんだ!ちなみに神様の呪いだから僕でももう解けないっていうおまけ付きっ!」

「無茶苦茶しますね!神様だからって!」

「なりふり構ってられないでしょ!君がみんなに愛されてくれればいいんだ」

「そうすれば、みんな救える。君が愛してくれない、愛されてくれないんだったら、この世界の美男美女がバタバタ死んで、間もなく人類みんなこの世界からさよならバイバイだよ」

 この神様の言うことを聞いて本当に大丈夫なのか心底心配になってきた。なんだがえらく盲信的じゃないか?私に……。それに。

「一人の人間に任せていい役じゃないでしょどう考えても」

「一人の人間にしか任せられないんだよ。もう散々試したあとなんだ。次行くよ」

 今まで感じだことがないくらいの神様の圧を感じて、う。地雷踏んだかも。と思う。

 なんかこの神様にも色々あったんだろうなぁと一応自分の心に区切りをつけれたので、黙って話をまた聞く。

「この計画が成功する確率は99.9パーセントらしい、知り合いの得意な神に頼んで占って貰ったから間違いないよ。」

「なるほど。トラブルが解決出来ればあとはどうにかなってくれるのだと」

「うん。これは間違いないよ。ただ、君のことはあんまり分かっていないんだ。この【人類みんな救っちゃおう計画】は既に何度か試したことがあってね。でも、みんな一人の心に決めた人を作って、二人だけでハッピーエンドを迎えてしまう。裏ではバタバタ人が死んでいるのにね」

「本当に呪いは起きてしまうと」

「そう半ば脅しのような感じだけど、ここまでしないとなかなか君たちの世界の常識を超えてくれないんだよね。それでね、もう残り時間が本当にないんだ。多分君が…。いや、なんでもない」

 ………聞かないでおこう。 

「時間が無いから、僕も必死になったんだよ。それでね」

「君のみんなみんなから愛されて、

みんなみんなを愛して、

みんなみんなを幸せにしてくれる主人公を探す気持ちを見つけたんだ」

「なるほど。その気持ちにかけてくれたって訳ですね」

 いつの間にか心読まれてたのは怖すぎるけどね。

「そう。プライバシー侵害してごめん。というか勝手に誘拐してごめん。お詫びになるとは思わないけど、君の寿命が来たら、成功しても失敗しても君の願いを一つなんでも叶えると約束する」

「なんでも…!?」

 失敗してもいいという心の余裕は逆に怖いですけど…!いやこの世界の人類の命がこの世界からこぼれ落ちるか全然ダメなのだけど!

「人類がさよならバイバイする未来が消えた暁にはさらに二つなんでも叶える」

 さらに二つ…。

「一応聞きますが元の世界に帰るのも?」

「もちろんありだよ。寂しいけどね」

 まだそんな親しくなってないと思いますけど。

「僕が一方的に君のことが好きなんだ。君なら何とかしてくれるんだと信じてるんだ。それで世界を救ってくれるってことでいい?」

 私の人生を決定づける大事な話なので急かさないでくださいって言おうと思ったのだけど。

「拒否権あるんですか!?」

「君にNOと言われたら、僕が嫌でも君が元にいた世界に帰さないといけない。これは世界のルールだから。ルールをねじまげて君に世界を移動してもらってはいるけれど、君がこの世界に留まることを嫌だと思っているのなら君の魂がこの世界を拒んで壊れてしまうかもしれないから」

 魂が壊れる。怖すぎるけどまぁ。

「色々聞きたいことが山ほどあるんですよ」

「わかってる」

「でも時間はそんなにないんですよね?」

「こうしている間にも君の家族のうちの1人の好感度は急激に下がっているね」

 …家族、めちゃくちゃ美男が二人ほどイタカモナー。

「いくつか質問させてください。出来れば簡潔に」

「もちろんいくらでも」

「私、ソンサはいない人物なんですか?」

「いないってのは魂がってこと?それなら、yesだ。君がいない間の魂は空だったし、赤い目を恐れた人に襲われて眠ったあとはまさしく空っぽだったよ」

「空っていうのは?どういう?」

 さっぱり意味がわからないかも。

「そもそも、ソンサは君の魂を入れるための空っぽのお人形だったのさ。呪いは色々ついているけど…。僕が色々して君の魂が入った瞬間、君の魂を元に過去を作ったんだ。ソンサがあんなに好かれいたのは君がとてもいい人だからだよ」

 なるほど神様のパワーってことだ。分からないのは仕方ないってことだ。

「色々の部分が気になりますが、神様の力ですよね?呪いってなんですか?」

「うんそうだね。神パワーだよ!呪いってのはまぁ本当に色々なんだけど、いくつか上げるなら、絶対に何があっても死なないとか赤い目とか美男美女見分けるセンサーとか魔物と仲良くできるとか魔法つよつよとか、君専用のバーーー」

 多い多い多いですし気になるの多いですけど。

「赤い目って?」

「これまた歴史があってね。すごく長くなるから、切り取って簡潔に言ってみると、」

「人々は赤い目が悪いものだと思ってる。これは僕の失敗のせい。赤い目はトラブルを引き寄せる。人々が忌み嫌う赤い目は人々が赤い目を嫌だと思う負のエネルギーからトラブルを生み出すんだ。人々の負の感情を赤い目を持つものは肩代わりしている感じ。それで、その生み出したトラブルが君とこれから出会う美男美女たちに襲いかかるけど、それによって絆が深まったり、君のことを好きになったりしてくれる

……ようになっているはず」

「まぁソンサで過ごしていれば嫌でも実感出来ると思う。そんなジト目で見ないで」

「なるほど。簡潔に言ってくれたんですよね?」

「君はこの世界では赤ちゃんだと言っていいのに、一気に9歳児になってもらおうとしてるんだ。説明だって長くなるさ…。でもほんとごめん」

「全然いいんですけど、大事なことばっかりですし、あともう少し質問いいですか?」


 それから、あともう少し質問をした。

「あと少し……?」

 ………。

「ごめんって」

「そんなニヤニヤしながら言われても…。その通りですけどね」

 …あと少しと言うには無理があるくらい質問をしてしまった。だって話せば話すほど気になることが出てきて、分からないことだらけのまま人類背負うのはちょっとさすがに怖すぎて…。

 それで何とか納得出来た頃には喉がからからになっていた

「納得して貰えて嬉しいよ。これどうぞ」

 何も持っていなかったはずの手に水が握られていた。神様最強すぎるな。

「ありがとうございます。いただきます」

飲んだ瞬間体の底から力が湧いてきた。しっかり喉も潤った。

「美味しいです。それじゃあそろそろこの世界のみんなを救いに行こうと思います」

 出た。ロクの心底嬉しそうな顔。愛おしくてたまらないものを見る目。この顔はかなり頻繁にしていた。そしてとても……。……なんでもない。そんな顔しないでください。

「あっははっ!……ねぇソンサ。僕は何時だって、心の底から応援しているよ。何かあったいつでも呼んでね」

 神様ってそんなに気軽に呼んでいいんだと思いつつ。

「ありがとうございます」

 この神が本気で言っていることも分かってしまうので感謝はしておく。これからもちゃんと頼らせてもらうし。この神様も神様なりに頑張って生きてきたことはもう十分わかったので。


「それじゃあまた」

「うん。本当にこちらこそありがとう。またね」


薄れゆく意識の中ではじめて、申し訳なさそうな顔をしたロクを見て、神様でも申し訳ないとか思うんだ。なんて思った。




 ちょっとソンサに能力授けすぎじゃないって?

 呪いじゃなくて祝福だろって?


 神が万能すぎるって?思った?ねぇ、思った?



 

 君に言ってるんだよ君に。

 画面の向こうの君だよ。君。

 僕はロク。この世界を作って、管理している神。君は今僕と話してる。

 ……ごめんね突然。我慢できなかったや。

 

 ちなみに僕はよく、男なの?女なの?って聞かれるけど、神様なんだから性別はないよ!

 僕って一人称は、僕が僕って感じだから、僕って言ってるだけ。

 もちろん!君が望むなら、好きな方になってあげるけど?なんなら、姿だって君が好きなように変われるよ?だって神様だもん。

 あ〜あ。でもいくら望んだって僕はこの画面の向こう側には行けないんだ。君のことを見ることも、君から見られることも出来るのに。君を直接見て、触ることは叶わない。

 

 神なのにね。


 あぁそういえば、君にとっての僕は僕だけだけど。

 僕にとっての君は沢山いると思うと、なんだか不思議な気分だね。

 あ、でも今のこの、話している僕には君しか見えていないから安心して?

 このロクにとっての君は君だけ。

 君が男か女かそれ以外かも、どんな顔しているかもどんな格好なのかも、何もかも僕には分かるのに、君には僕の姿が見えていないなんて不思議で悲しいよ。好きなように想像して読んでみてほしいな。


 ふふっ。なんだか不思議な気分だ。

 自分が文字だけの存在になるなんて、考えたこともなかったよ。

 でも、文字としてだけど。文字だから君に逢えたと思うと何事も経験だよね。


 たくさんたくさん文字があって、途中やめようと思わなかった?ここまでスクロールしてやってきてくれたことが、本当に嬉しいよ。


 嬉しいついでにお願いしてもいい?お願いはきいてくれなくていいから、話は聞いてくれる?


 僕はさ、ソッチには、どう頑張って行けないのね?これから先のことは分かんないけどさ、頑張ったら行けるようになるかもしれないけど、まぁとりあえず、今は行けないの。

 でもさ、君は。

 君はこちらに来たつもりになることは出来るじゃない?

 だって、ソンサは特定の誰かの事じゃないから。僕が作り出した……。

 …………。君がさ、ソンサになったつもりで読んでくれたら、僕はこれからも君と沢山話せるし、これからも君を見てられる。

 僕はあくまで脇役だから、この場所をずっと乗っ取って、ずっとずっとこうやって話している訳には行かないからさ。

 君と繋がっていられる方法が、僕には君に頼むしかないんだよ。

 だから出来たら、ソンサになって欲しい。


 え?ソンサの性格がしっかりありすぎて難しい人もいる?はっはぁ、確かに。そういう意見もあるよね。結構がっつり心の声あるもんね。この文章。全然好きに変えてくれていいのに……。難しいかな?


 でも、うん。そうだよ。出来なくても……。ソンサにならなくてもさ。

 気が向いたら、この文字の連なりを僕と一緒に追いかけて。読んでくれるだけでも、僕はひとりじゃないって、救われるから。一緒にソンサを見ていてくれるだけでも、十分救われるんだ。だからお願い。

 一緒に…………。


 あ〜あ、一生懸命引き伸ばしたのに時間だってさ。あっという間だったな……。

 ほんと、神様も万能じゃないや。

 いつかまた必ず。『君』に会いに来るから。

 またね。◼

 あれ?◼。残〜念、名前は表記されてくれないみたい。またね〜。◼〜。





終わりが来るのはやすぎない?納得いかないよぅ。

ちょっとグイグイ行きすぎたかなぁ……大丈夫かな……嫌われてないかなぁ………。人間と話すの難しずきるよ。もっと練習しておくべきだった……。

はぁ……。次はもっと頑張ろ……。

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