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きちがい

作者: 朝比奈りょう

 孤立した、寂しい人生を送ってきました。



私がいけなかった

しかしよくわからん

人は残忍で自己中で気持ち悪いものだと思っていた

だか私もそうだった

そう気づいたら悲しくなった






 私は小3になっても言葉が喋れず、理解できませんでした。

両親から嫌われ、友人はおりませんでした。

本当に私は頭が悪く何も理解できなかったのでしょう。


 しかし、ある時「人間失格」に出会い、感銘を受けました。小5の頃です。

難しく理解できませんでしたがなんとなく書かれていることがわかりました。

そこには同じ寂しい人が書かれていました。私は共感して共鳴し泣きました。


 同じ人がいたんだ(大葉は頭がいいですけれどもね)


そこから沢山の本を読み始めました。

最初は(恥を忍んで言いますが)何をしているのか、どうしてそう思っているのか全く理解できませんでした。


何故怒るのだろう、何故悲しんでいるのだろう、何故喜ぶのだろう、何故、何故。


しかし、なんとなく感情や考えているということは読み取れました。

こんなに日々、私以外の人は考えているのか、と驚いたのを覚えています。




ある日、いつものように本を読んでいたら

主人公や登場人物の言っていること、考えていることがわかるようになりました。

パァっと視界が、何かが広がったのです。明るくなったのです。

そこからは楽しいかったです。


人とやっとまともに話せる


そう思い、楽しくなったのです。やっと私は「人」になれたと思えたのです。

私は人と話すようになりました。




大人になっても私は本を読んでいました。

友人と話すのも楽しく興味深いのですが(割に多い友人ができました)

やはり本から学び取れるものが多いからです

そして、いつのまにかあのトロくてノロくて馬鹿な私が、知識と語彙だけ周りを超えてしまいました。




知らない間に私は平均値を超えある意味での天才となりました。

ですが努力とは裏腹に周りから恐れられたり腫れ物のように扱われました。


何故か、それは、平均値を超えたのは知識と語彙だけであり、感情を読み取るということと、聞き取り、理解することはあまりできないからです。(見栄を張りました。『とても苦手です』)


(これは、巷である種の話題をよんでいる「実は私はサイコパスでした‼︎」という名の「ココロヨメナイヨー、私異端でしょ」自慢ではありません)


2回書きますが、私は、アルジャーノンのようになんとなくでしか感情を読み取ることが出来ず、また、私たち日本人大多数が英語のリスニングテストが苦手なように聞き取り、理解することが出来ないがために私の努力の最大の意味がなくなったのです。



…読者の皆皆様はこう考えたでしょう。



なら、もっと努力して、感情を読み取る力と聞き取り、理解できる力をつければ良いのでは、と



その通りです。ええ、全くその通り。しかし、世の中、どうにもできないことだってあるのです。

どのようにしても、できませんでした。



諦めてはいけない


知っています、何度も友人だった人から言われました。駄目でした。




…しかし考えました。そして考えつきました。

「それなら、私もアルジャーノンになれば良い」のだと。

「大葉になれば良い」のだと。


道徳心、倫理観、共感能力がない奴は駄目だ。そうだそうだなってしまおう。

こんなクズ消してしまおう。


つまりはアルジャーノンのように私は「死ぬ」のです。私の人格は殺してしまうのです。

つまりは大葉のように道化を行うのです。



ですが立ち止まりました。

「果たしてこれ以上私が努力する意味はあるのだろうか」そう思ったからです。

何故、こんなただの他人のために気をつかっているのか。馬鹿馬鹿しい、やめてしまおう。

そもそもこんな阿呆どもに何故?



私は気づいてしまったのです。皆さんが悪いということを。

このまま檸檬爆弾を投げしまおうと。

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