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現実世界でも女の子!?

「起きなさーい。朝よー」


懐かしい母親の声が遠くから聞こえる。


「アリサ!起きなさーい」


「アリサ!?」


母親の口から出たアリサという名前に驚いた僕は飛び起きた。


ランドセルに慌てて近寄る。


赤い!青のランドセルじゃない!


国語ノートを慌てて取り出し名前の欄を見る。


今井有紗


制服を吊っているハンガーの方を見るとスカートがあった。


僕は茫然としていた。


「祥也くんが迎えに来てくれてるでしょうが!待たせてたら悪いでしょ」


「今着替えるー」


慣れない女の子の身支度をして僕は外に出る。


「遅いぞ、有紗!」


「ごめん祥也」


なんなんだこの世界。


はじめから僕が女の子であったかのように世界が動いているではないか。


「祥也」


「なに?」


「僕って男だったよね?」


「……だよな。あのゲームが終わってからどうもお前が女になっていて、俺たちが付き合っているってことになっているらしいんだ」


「やっぱり!」


「なあ、有紗。俺たちって愛し合ってるよな」


ちう。


僕はほっぺたへのキスで返事した。


僕たちは、やがて大人になって結婚し、幸せな家庭を築くことになろうとはこのときはまだ知る由もなかった。


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