ゼイム、女体化するってよ 2
「な、なぁ、ゼイム…なんだよな…?」
「うん、そうだよ?」
オロオロしながらゼイムに話しかけたのはラシル。
綺麗な白い髪に赤い瞳と、真っ白な猫耳と尻尾が生えている少女だ。
「本当に、女になってしまったのか…?」
「ん〜そうみたいだね」
ゼイムの言葉に尻尾をだらんとさせ、しゅんとなってしまうラシル。
(うぅ、これでは今夜決行を予定していた〘既成事実を作ってゼイムと結婚計画〙が破綻してしまったではないか…許さんぞッ!!)
赤黒いオーラを纏わせながらレクシア様を睨みつけるラシル。
ところが、レクシア様はすぐに目を逸らして口笛を吹きながら何処吹く風のようだった。
「どうしたの?ラシル」
「ッ!?私は大丈夫だから…な?ゼイム♪」
すぐにオーラを消して、爽やかな笑顔をするラシル。
(たとえゼイムが女になっても、私が手取り足取り…あ、涎が)
ラシルは、ゼイムに気付かれないように一瞬にして自身の涎を拭き取るが、謎の濃いピンク色のオーラを周囲にばら撒いているので何を考えていたか周りには全てバレているのだ…ゼイム以外は
「そう?あ、そうだ!ねぇラシル!!」
そう言って無邪気に話しかけてくるゼイムに、ラシルは「ハァハァ、なんだ?ゼイム…?」と完全に変態モードに入っていた。
そして、ゼイムはとびっきりの笑顔を浮かべて―――――
「これからは一緒のお風呂に入れるね、ラシル!!」
その言葉にフリーズしたラシルと、頭に?マークを浮かべた面々。
「おいおい、何で急に風呂なんだ?」
恐る恐るそう聞いたリカに、ゼイムは「?だって…」と言って―――――
「ラシルがいつも誘ってくれるんだよ?『一緒に入らないか…?』って」
その言葉に頭を抱えるリカ達と、青い顔をしているラシル、そして首を傾げるゼイムなのだった。