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旦那様(神龍)と私(転生者)  作者: 夢溟
序章
7/33

隣村 絶体絶命

ここ数日、この島に生まれたことを毎日感謝し、転生させていただいた神様に祈った。


食料の不安がないこと、魔物に襲われないこと、この2つおかげで、隣村に着いた。


隣村の現状は、私の村と同じ、徹底的に破壊されていた。 家も、人も。

無事なのは、守護竜様の石像。


とりあえず、石像に愚痴を言おう。

その間に、頭の中を整理しよう。 今、しないといけない事は、何かを。


【状況把握】

誰が、又は何が、村を破壊したか。

【推測】

事故 ☓

【理由】

隣村も、同じように破壊されている。

おそらくは、他の村も破壊されていると思われる。

⇒上記の理由と、死体が残っていることから(全焼しているけど)、魔物による破壊も無し。

【結論】

人による破壊と推測。


となると、この場所は……、危険?

唯一生き残っている私が、他人を頼るために寄る所は、ここだけだから。


急いで火災現場を漁る。

少しでも、使えるものがあることを祈って。


何も見つからなかったので、辺りを警戒しながら、村を出る。


だが、遅かったようだ。

遠くに金属音が聞こえた。


あれが、この国の騎士団………っという希望的観測は捨てよう。

今しないといけないのは………観察、アドリブ、演技。


頑張れ、私。


案の定、騎士団は、私を保護するという目的で、近寄ってきた。


ヤバい、どうしよう。

最悪な未来を予想していると、突然

「グオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ。」

と、轟いた。


その轟音に固まる私と対象的に、騎士団は臨戦態勢をとった。


ご都合主義なら、この不意の出来事を利用して、騎士団から逃げられるだろう。


だが、現実は無理だ。 思考がバラバラで動けない。 気を抜いたら、現実逃避をしそうになる。


何秒、何十秒、何分経ったのか、判らない。

突然、辺りが暗くなり、空から風を浴び、目の前に巨大な何かが降りてきて、地面が揺れた。


その何かは、禍々しくも神々しい尻尾、翼?、背中、長い首?、髪?、雄々しい角?、生物?


私が混乱していると、

「ようやく見つけたぞ、殺戮者共。」

「ようやく姿を見せたか、邪竜。」

(これ、竜なんだ。)


「よくも、儂の民達を殺してくれたな。」

「ふん、異教徒共を殺して何が悪い。

どうせ、お前の食料として飼われているのだろう。」

(ええ!!)


「覚悟は出来ているのだろうな。」

「死ぬのはお前だ。 総員、滅竜術式起動。 我らが神敵を滅ぼすぞ。」

「「「オオーーー。」」」

(ヤバい、巻き込まれる、逃げないと。)


「愚かな、【現呪】。」

竜?が何かを言い終わると、騎士団が、黒く動く何かに包まれた。


それが何か知りたくて、目を凝らすと、

「ひっ!!」

大量の、人の幽霊だった。 

それも、怒っている?、怨んでいる?ような。


体が寒い。 私の事を見てないのに。

寒い、寒い、寒い、震えが止まらない。 寒い。


「落ち着け。」

(ーーー)

「気を持て。」

(?)

「あれ等はお前を傷付けない。」

(………)

「だから、落ち着け。」


前を見ると、竜?はいなくなり、私の横にオジサマ(角/翼/尻尾付き)がいて、私はオジサマの服の裾を掴んでいた。

(ええ、誰?)

「………落ち着かないか、仕方ない【***】。」

「!!」

突然、私の思考がクリアになった。

その事に驚こうにも、出来なくなっていた。

「魔術で無理矢理落ち着かさせた。」

「ーーー」

「この方法は、貴女に負担がかかる。」

「………」

「だから、今の内に心を落ち着かせてくれ。」

深呼吸を繰り返す。 何回も何回も、深く深く、


「ふぅ。 お手数をお掛けして、申し訳ありませんでした。」

「謝る必要は無い。

混乱するのは当然だ。」

「はい。」


「現状の説明をしてあげたいところだが、今は時間が無い。」

そう言い終わると、オジサマ?が騎士団の方を見た。


………今、気付いたが、私が落ち着くまでに結構な時間が掛かったはずだが、騒いだ様子は無かった。

それどころか、静かすぎる。


突然、音楽プレイヤーの再生が始まったかのように、騎士団が慌てふためく音が聴こえた。

「貴様、何だこれは。 我々に何をした。」

「それは、貴様らが無意味に殺してきた人々の恨み辛み呪いを、儂の力で見えるようにしたものだ。」

「巫山戯るな、神敵を殺して、何が悪い。」

「神は決して、無意味な同族殺しをさせない。」


「なのに恨まれているのなら、それは、お前達が信じている神が、偽りだということだ。」

「戯言を、」

「もう、黙れ。」


「恨みを晴らせ、【現呪】。」

言い終わると、怨霊達が禍々しい雄叫びを上げた。

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