食事会②-③ 魚 味覚
(龍形態の)神龍様にスープと内臓肉を御出しして、私は山葵を鮫肌(ついでに捕まえた。)で擦り下ろす。 放置。
魚を捌く。 魚の温度が上がらないように、周囲を、手の周りを、魔法で冷やし続け、無駄を無くした早さで、捌いてゆく。
一匹が終わると、似通ったところを、魔術に登録。 便利。
とれたての魚は、味より食感。
味を補うためには、九州地方に有るような、甘い醤油が必要。
神龍様には関係ないから、問題無し。
切り身に山葵を適量、乗せて、神龍様へ。
「………こんなに差があるとは、思わなかった。」
イカを捌いて、料理をしていく。
ゲソの、刺し身/焼き/茹で/揚げ。
イカの身の、ソーメン/鹿の子切り/松笠切り。
エンペラの、焼き/揚げ。
「部位と火の入れ方で、食感が違うのは判るが、切り方でも味が違うのは、恐れ入った。」
「恐縮です。」
「貴女の居た国の、食への情熱は、凄かったんだな。」
「はい。」
「殺し方/保存方法/捌き方を記録した魔術は、国王に広めるように指示しよう。」
「細かい違いもありますので、そこも、お伝え下さい。」
「判った。」
「続きまして、貝類と海老になります。」
「これも、それぞれ食感が違う。」
「だが、海老は、種類によって、プリプリの食感の差が大きいな。」
「はい。 そう言われると思いましたので、こちらを御用意させていただきました。」
[小さい。 比べると、食感の悪いエビを揚げた物。」
「? [パク]!これは、」
「食感の悪い海老を、逆向きに巻きました。
これなら、食感が悪くても、補うことができます。」
「本当に、世界は広い。
何千年も生きて、様々な事が解ったつもりでいたが、今日は驚かされてばかりだ。
いや、」
じっと、私を見つめて、
「貴女がここに来てから、世界が変わった。
ありがとう。」
「そう言ってもらえて、嬉しいです。」
「………1つ、訊きたいんだが、」
「はい?」
「味覚を取り戻すと、食事をもっと楽しめるんだよな?」
「味は、全身で味わうことができますので、そうなります。」
「味覚を直ぐに取り戻すことは、できるか?」
「やり方は知ってます。
ですが、それが神龍様にも通じるかは、わかりません。」
「説明できるか?」
「はい。」
「まず、味覚には、5〜7種類が有りまして、」
「多いな。」
「その内2種類は、辛味と渋味という、刺激物となります。」
「朝に聞いたやつか。
渋味とは?」
「口内の粘膜が縮みられる感覚なのですが、実際に食べてみませんか?」
「ああ。」
魔術で空中に、貯蔵庫への直通の扉を作ってもらう。
「え〜と、確かこの辺に………有りました。
神龍様、こちらになります。」
「これは?」
「渋柿という果物で、本来なら、干して食べる果物となります。」
「いただこう。」
「………やはり、儂には効かないな。」
「そうですか。」
「話を戻しまして。
残り5つの内、1つはうま味と言いまして、これは、割愛させていただきます。」
「理由は?」
「準備に時間がかかりますのが1つ。
情報がバラバラで、どれが正しいのか、判断できなかったのが1つ。 例えばですけど、舌で感知しているかどうかすらも、情報がバラバラでした。
となります。」
「ですので、神龍様には4つの味覚、甘味、塩味、酸味、苦味を、判別できるようになってもらおうと思います。」
「やり方は簡単でして。
舌の、それぞれを感知できる場所に、それぞれの味を濃縮した、普通の人だと、食べれないことはないけども、好んで食べようとは思わない物を当てる、押し付けます。」
「つまり、無理やり刺激するんだな。」
「そうなります。」
「そして、これが、錬金術で超濃縮した4味を、飴玉の形にした物となります。」
「先ずは甘味から。 人間だと、舌先が甘みを感じる部分となります。」
「………。[目を閉じる]………集中しても、薄っすらとしか。 何かを感じている気がするが、これがそうなのか、気のせいなのか、わからぬ。」
「もともと、何回も繰り返して行う必要がありましたので、今はそれで十分だと思われます。」
「続きまして、苦味。 これは、舌の根本付近で、お願いします。」
「最後に、塩味と酸味の2つ。 この2つは、情報がバラバラでしたので、2つ同時にお願いします。
場所は、先2つ以外のどこかです。」
「解った。」
「………どれだけの日数がかかるか、予想できないが、その間、貴女には迷惑だと思うが、飴玉の用意を頼む。」
「いえ、迷惑だと思っておりませんので、問題ないです。」




