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旦那様(神龍)と私(転生者)  作者: 夢溟
本文
17/33

食事会 後

「………はぁ。」

「申し訳ありません。」

「いや、貴女に溜息をついているわけではない。」


「昔、主神にな。 この島に譲渡し、溢れている儂の力を調整するように言われてな。」

「はあ。」

「そのための道具も、貰ってる。」


「それが、これじゃ。」


「これは、【迷宮核】という、迷宮を創る神器じゃ。」

(あれ? ダンジョン物だっけ、この話?)

「………えっと、それがあれば、この異常な島の環境を、整えられるということですか?」

「そうじゃ。」


「というわけで、」

いつの間にか、私の手に【迷宮核】が握られていた。

「所有者登録、完了じゃ。」

「えっ!?」

「よろしく頼むのぅ。 ダンジョンマスター殿。」

「ええ!!」


「ところで、訊きたいことがあるんじゃが、いいかの?」

「はい?」

「そなた、転生者じゃろ。」

「………何で、わかりましたか?」

「①島を出たことがないのに、血を料理に使うことを思いつくのは、おかしい。

②【治癒】スキルは、転生者と、その子孫しか使えない。

この島に、転生者の子孫はおらん。

③【錬金術】スキルは、長年生産職をしていた者か、【治癒】スキルを使えるものしか、使えん。」


「黙っていて、すいませんでした。」

「? 何に対して、謝っているのじゃ?」

「? 黙っていたことについて、です。」

「儂や国に害を与えようというわけじゃないんじゃろ。

なら、謝る必要は無い。

それより、貴女の使命の方が、気になる。」


「覚えておらんのじゃろ?」

「はい。 神竜様の仰るとおりです。」

「この島に産まれたということは、儂か国、どちらかに関係することだと思うが、まあ、ええか。」

「よろしいのでしょうか?」

「害を及ばさないなら、かまわん。」

「ありがとうございます。」


「それと、先程の食事の礼がしたい。

なにか、欲しいものは、あるか?」

(………便利術式2つに迷宮核、2つも頂いたのに、これ以上、物を頼むのは、失礼かもしれない。

それなら。)


「神竜様の生い立ちを、教えて頂けないでしょうか?」

「?」

「一週間前に仰られてました、『成り行きで、守護神に成られた』ことと、今朝の事が、気になります。」

「………そんなことで、いいのか?」

「はい。 お願いします。」

「面白い話でもないと思うが、まあ、いいじゃろ。」


「話をする前に、【竜】がどういう存在か、知っているか?」

「いえ、知りません。」


「【竜】とは、全ての生物においての、【恐怖の概念】【力の象徴】じゃ。」


「ゆえに、牙は全てを貫き、顎は全てを噛み砕く。

爪は切り裂ける物無し。 鱗は傷付くことがない。

体力は無人の如く。 尾は全てを薙ぎ払う。」


「頭脳はあらゆる現象を理解し、幾千幾万の魔術を操つる。」


「他にも、金や権力などの、人種に関わる力も含まれる。」


「………凄まじいですね。」

「といっても、全て当てはまるのは稀で、基本的には、成竜が、単体で国を滅ぼせる戦力と、特化した何か持っているぐらいじゃ。」

「いやいやいや、それだけでも、十分凄いことですよ。」


「そんな存在じゃからこそ、2つ、枷がついとる。」


「1つは、纏め役、人間の王族みたいなものじゃ。

これにより、好き勝手に力を振るい、暴れることが出来ん。」


「もう1つは、成竜になるまでに、最低1つ、術を覚えること。」

「術、ですか?」

「武術、魔術、策術、商売、調合、etc。

つまり、努力して力を身に付けろ。 ってことじゃな。」

「成程。 待って産まれた力ではなく、努力して力を得ろ、ってことですか。

ちなみに、出来なかったら、どうなるのでしょうか?」

「知性や理性が失われ、獣となる。」

「!!」

「そうなった竜は、【亜竜】と呼ばれ、弱体化する。」

「………厳しい生態ですね。」

「それだけ、竜の持つ力は、強大じゃからな。」


「儂は、そんな竜達の纏め役の、一族じゃ。」

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