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旦那様(神龍)と私(転生者)  作者: 夢溟
本文
16/33

食事会

一週間後、待ちに待った日が来た。

この、なんの変化も無い毎日に、刺激を与えてくれる日が。


あまりに嬉しすぎて、竜神様の側(顔側)で、起きられるのを御待ちしてしまった。


「………おはよう。」

「お早う御座います、守護竜神様。」

「……なんだか、楽しそうだな。」

「はい。 今日という日が来ることを、毎日、楽しみにしておりました。」

「そうか、儂も楽しみにしていたよ。」 ニカッ

………出来れば、人間形態で聞きたかった。


「それと、」

「はい?」

「儂は、竜神ではなく、【神龍】じゃ。」

「申し訳ありません。」

「よい。 儂の国の民、全てが勘違いしていることだから、間違えるのは、仕方がない。」

「今直ぐ国王様に連絡を入れ、訂正するように、国民全てに知らしめるようにします。」

「かまわん。 これまでにも、何度か直そうとしたが、変わらなかった。」 

「申し訳、ありません。」

「そもそも、違いを理解してないのが、悪い。」

「………ちなみに、その違いを、教えていただけますでしょうか?」

「………いいだろう。」


「【龍神】は、リュウ(龍/竜)達の神という意味。

【神龍】は、神の前に〇〇が付く。 〇〇に属する龍を、意味する。」


「神にとって、名前の詐称は、重罪であり、諸刃の剣である。」


「神は、信仰や畏れを糧にする。

ゆえに、名が違うと、その糧が手に入らずに、」

「ゴク。」

「消滅する。」

「ーーーーー」


「申し訳、ありませんでした。[土下座]」


「知らなかったとはいえ、貴方様に罪を犯させてしまい、ましてや、糧を奪ってしまい、申し訳ありませんでした。」


「私のような、ちっぽけな存在では、全然足りませんが、心から、謝罪いたします。」


「申し訳、ありませんでした。」

「………誠意は受け取った。」


「儂は、特殊な【神龍】じゃから、糧は他にある。」


「司る属性が特殊じゃから、他の神も、文句を言ってこれん。 そもそも、近寄ってこないしな。

近寄れるのは、最高神のみじゃ。」


「その最高神すらも、儂を罰すればどうなるか、予想がついておるから、罰せられん。」


「じゃから、気にしとらん。」

「………はい。 かしこまりました。」

(後で、緊急連絡をいれとこう。)


「それじゃあ、家の中に入ろうか。」

「お待ち下さい。」

「?」

「本日の食事は、外でやりたいと思います。」

「何故?」

「理由の1つは、自然を感じながら、食べていただきたいからです。」


「もう1つの理由は、料理の工程上、どうしても煙が大量に出ますので、外の方がいいかと思います。」

「解った。」


スープを、家の中の魔導具コンロで温め、並行して、神竜様の前方で、石を錬金術で整形したバーベキュー台に、網を置き、熾した炭を配置して、肉を焼く。


「御待たせしました。 スープ(大皿)になります。」

「うむ、前より野菜と薬草の種類が増えている。

………それ以外にも、何か入っているな。」

「はい。 前より格別に良くなっているのは保証しますので、御賞味ください。」

「それほどに、自身があるのか。 どれ。」


「!!これは、」

[ニヤ]

「前のスープが、様々な植物の生い茂る世界だとしたら、このスープは、世界に柱が立った、芯が出来たと言うべきか。」


「その原因となった、この、よく解らない物、覚えがあるが、一体………」

「鳥系魔物の骨と、捌いた時に出た切れ端からスープを作り、野菜スープと混ぜました。」

「動物から作ったスープか!! それだけで、こんなに違うのか。」


「言うだけのことはある、素晴らしいスープだった。」

「有難う御座います。」

「お代わりは、あるか?」

「はい。 直ぐに用意いたします」


「神竜様、一息ついたと思われますので、御食事の説明をさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」

「ああ。」


「本日の御食事のテーマは、食感です。」


「最初の料理は、一つの生物から取れる内臓を分別して、焼きます。」 

「………それだけで、儂を満足させると?」

「はい。」

「………解った、期待しよう。」


「御待たせしました。 【鶏の内臓の網焼き】です。

どうぞ、お召し上がりください。」


「………部位ごとに食感が違うなんて思わなかった。 

丸齧りでは知りえなかった。 これは、楽しい。」


「量は、これだけか?」

「食材は有りますので、焼く時間を頂けましたら、大量に用意できます。」

「………焼くのは、時間がかかるのか?」

「大きさによります。 神竜様は、大きい方がいいですよね?」

「そうだ。」

「でしたら、かなり時間が掛かります。」

「ふむ………。」


「それは、特殊な焼き方か?」

「はい。 中心部に、熱が伝わるようにしないといけません。」

「焼くのに必要なものは?」

「こちらの、炭になります。」


「炭を使って焼きますと、内側と外側、両方同時に、焼くことができます。」

「ふむ………、原理は解った。

これを魔術式にして、内部が焼けているかの確認できる魔術式も加えて………、出来た。 あとは、」


神竜様の御側に、空間が割れて、見覚えのある光景が現れた。

「食材は、どれじゃ?」

「失礼します。

この区画にあります物が、下処理をした肉類一式となります。 肉の種類は、鶏/豚/牛となります。」

「解った。」


神竜様が取り出した内臓肉に、先程御創りになられた魔術式を発動させると、香ばしい香りが漂い、肉の色が変わった。

「出来たな、どれ。 ふむ。 焼けているな。 術式に問題なし、成功じゃ。」


食べ終わると、別の内臓肉を取り出して、焼きだされた。


一瞬で創られた魔術式、まさに、神の御業と言える行い。

しかも、出来たのが、電子レンジと似たもの。

家庭〜殺生物に使える、魔術。


思わず、拝んでしまった。


楽しいのか、凄いスピードで、食べ進んでおられる。

このままだと、直に食べ尽くされてしまう。 なので、

「神竜様、こちら【各種軟骨の焼きと揚】です。

ご賞味ください。」

「………骨にも違いがあるのだな。

普通の骨と違い、楽しい。」


「揚げている理由は?」

「中まで火を通すためです。」

「なら、この術式が使えるな。 よし、上手くいった。」


神竜様が楽しんでおられる間、別の料理を用意する。

竜なら絶対に、気に入ると思う料理を。


加工できた。 あとは、蒸さないといけないから、


「神竜様、こちらを、御賞味ください。」

「………儂は、味が理解できないと、言ったはずだが。」

「味わって頂きたいのは、味ではなく、風味です。」

「?」


「これは………、果物、か? 柑橘類の香りが、僅かにする。」

「それの元になった魔物が、好んで食べた果物の匂いが、身に移ったと思われます。」


「調理する時にも、匂いが損なわれないように、真水に塩を入れただけのお湯で、湯がきました。」

「成程、これなら儂にも楽しめる。

他にも有るのか?」

「ございます。」

「どのへんだ?」

「こちらの区画になります。

焼くと匂いがとびますので、湯がきましょうか?」

「いや、このまま食べる。」


そう言い終わられると、合間合間に、箸休め/デザートのように、生肉をいただかれた。


その間に、完成した。

「神竜様。 こちらがメインの、特別な料理になります。」

「先程から調理していたものか。

しかし、これ以上の料理があるのか?」

「はい。 こちらです。」

「………ワームの幼体か?」

「いえ。 洗浄しました腸肉に、塩漬け肉を挽肉にした物と、香草類を混ぜたものを入れました、腸詰め肉と呼ばれるものの一種です。」

「………この匂い、味、血液が入っているのか。」

「はい。」

「確かに、生物を生きたまま食べる、儂等の種族に合った料理だ。」

「お食事を召し上がっている最中に、血の味がしないのは、物足りないかと思い、ご用意させて頂きましたた。」

「気が利いているな。」

「ついでに、こちらも、ご賞味ください。」

「白いな。 ………これは、乳か?」

「乳と血液は、似ておりますので、お気に召すかと。」

「ふむ。 これもいいな。」


「これで、本日用意しました料理は全てになります。」

「実に楽しい時間を過ごせた。 礼を言う。」

「有難う、御座います。」

「又、用意できるか?」

「本日と同じ量を用意するとなりますと、一月かかります。」

「かかる理由は?」

「解体作業と下処理が、一番かかります。

スープの方は、一週間あれば、出来るかと思います。」

「………錬金術、使えるよな。」

「はい。」

「なら………、この術式が使えないか?」

「これは?」

「貴女の知識と経験を参照に、解体作業と下処理をしてくれる魔術式(要必要:錬金術)。」

「頂けるのでしょうか?」

「焼肉用の魔術式もな。」

「頂戴いたします。」(電子レンジゲット。)


「あの、料理で、不満な点とか、ありましたか?」

「脂が多かったことぐらいか。」

「それは、その、この島の魔物ですので、どうすることも、出来ません。」

「………」

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