間取り
家に入り、机の上の冊子を取る。
書かれていたのは、ここにある建物全ての間取りと、各施設の説明/注意事項/コメントと、驚愕の事実だった。
[コメント]
守護竜神様を模した石像は、転移装置である。
各村/王都に有る石像は、捧げ物をすると、こちらに送られてくる(地下の貯蔵室)。
ただし、この家に有る石像は、相互転移装置で、王城にのみ、物を送れる。
………マジかぁ!!
………気を取り直して、施設の説明は、
①住居⇒平屋の1DK。
[コメント]
魔術付与により、常時清掃、適温維持。
②離れ⇒図書館のような書庫。
〈1〉守護竜神様が幼少の頃(数千年前?)からの、あらゆる知識(魔術/医術/薬etc)(増加中)
〈2〉王城に有る全ての本の原本。
〈3〉発禁本。
〈4〉歴代御世話係の日記。
[コメント]
たまに、守護竜神様が編纂、新発見される。
③継ぎ足し部屋⇒各種生産部屋(歴代御世話係の暇つぶし部屋)
調合/染色/裁縫/加工/木工/魔道具
[コメント]
製造品は、物々交換に使える。
足りない物や欲しい物は、これで手に入れて。
施設の増加も可能。
地上はここまでで、次は地下室。
④ゴミ部屋
中央に錬金術が付与された箱が有り、箱の上は、天井から伸びている管と繋がっている。
これは、各部屋のゴミ入れと繋がっていて、家の全てのゴミをこの箱に集める仕組みになっているらしい。
そして、箱の中で分解されて、無毒物が出てくる。
有毒物は箱の中に残り、特定の薬を入れて無毒化されると、出てくる。
無毒物は森に放置すると、消化される。
⑤貯蔵庫(魔術付与により、自動選別/時間停止/空間拡張)
石像から送られてくる捧げ物が、種類ごとに分けて保管されている。
[コメント]
⑴御世話係用の食材ではなく、守護竜神様への捧げ物として送られてくる食材、ということを理解する。
野菜/果物/卵⇒採れたてを洗って、送られてくる。
肉⇒牙と爪と獣毛を取り除いて、血抜きせずに送られてくる。
魚⇒鱗を取り除いて、野締めして送られてくる。
加工品(パンや菓子とか)⇒王都のお店では、嗜好品としてパン屋などが有るので、そこで朝一番に作られた商品が送られてくる。
⑵筋力補助とカート(浮いている)の魔道具が置いてある。
⑶保存用魔道具(⇒冷蔵庫)のような使い方も出来るよ。
⑥解体部屋
貯蔵庫から繋がっている。
テーブルの上にある魔道具で、時間停止を解除できる。
[コメント]
血が流れ出すので、必ず洗い場で発動させること。
読みながら、各部屋を見て回り、最後に貯蔵庫に向かった。
扉を開けると、天井と壁が見えないほどに埋め尽くされた食材達が、目に飛び込んできた。
確認のため、肉の断面を見ると、血液が流れる途中で止まっている。
大まかな確認が終わると、無制限の食材が、じわじわと頭の中を満たしていく。
前世でしてみたかった料理、作っていた節約料理が浮かんでいく。
早速、調理しようと手を伸ばして、思い止まって、部屋を出る。
行き先は図書館。
探すは解体書と、全ての内蔵の下処理のやり方について。
数時間後、他にも本を携えて、再び貯蔵庫に入る。
解体部屋に本を置き、鶏を数羽持ってくる。
洗い場で、逆さ向きに固定し、魔道具で時間停止を解除して、首を斬る。
………魔法があるんだから、動脈に水を送り込めないかな?
時間は沢山あるんだし、練習しようかな。
血を出し切った物から、貯蔵庫に戻していく。
再度、時間停止がかかったのを確認し、一つを残して、全ての時間を止める。
鶏肉を私の魔力圏内に入れ、零度近くを維持。
私の手を、魔力で鍋つかみのようにして、外側を零度近くに維持。
解体刀を魔力で包み、零度近くに維持。
生肉の弱点は温度だから、これで少しは美味しくなる、はず。
解体が終わった肉を、塩水に漬ける。
死んでからどれだけ時間が経っているか判らないが、血が回っている可能性が大きいから。
血が回っている肉から、血抜きをする方法は、
①塩水(海水ほどの濃度?)を何杯も用意して、肉を入れて揉み洗い⇒水の入れ替え⇒揉み洗いの繰り返し。
②細かく切って、塩水に漬けて(数時間ほど)、そのまま沸騰させる。
(注、灰汁を通り越して、ヘドロが出てくる可能性あり。)
その間、野菜と果物の皮を剥く。
前世では農薬が怖いから出来なかったが、この世界は違う。
植物にもスキルがあるから、余程のこと(大量発生とか)がない限り、薬は使われない。
野菜と果物の皮は、栄養が多い。
まぁ、前世の価値観が残っているから、皮付きのままの料理が出来ないので、種類分けにして保存。
魚は放置。
前世の鮪みたいな大型魚や、養殖された魚なら、塩水に長時間漬け込めば、血や臭みを取り除けたが、野締めやそれに近い物(網の引き上げ中に死んだ物)は、血が回りすぎて無理。
前世でも、«天然物/安い»で買って、何度失敗した事か。
だから、無理。
あとすることは、解体がしやすくなるように、錬金術を応用できないか、実験することぐらいかな?
まぁ、これは時間がかかるから、気長にするぐらいかな。
作業が終わって地上に出ると、すっかり暗くなっていたので、夜は、パンと焼いた鶏肉になった。
ちなみに、守護竜神様は、本当に寝ていた。




