初めての失恋「キス」「走る」
「お互い頑張ろうね」
晴れやかな表情で手を振る彼女に、僕も笑顔で手を振り返した。
最後の最後まで、僕は変な意地を張ったままだ。
彼女が見えなくなってから、反対方向へ全力で走り出す。
走る、走る、走る。
キスどころか、手さえつないでいない。
頭に浮かんでくるのは、彼女と過ごしたあの日、あの場所、あの瞬間。
後悔を振り切るように、僕はさらに強く足を踏み込む。
走る、走る、走る。
頭の中を、もう走れないでいっぱいにする。
すると、胃の中から何かがせりあがってきた。
耐え切れず、僕は路の隅へそのまま吐き出す。
限界まで走って吐き出したものは、
さっき彼女と食べた、ファミレスのミートドリアだった。