土曜日の夜
単行本がリモコン食べて
土曜日の怠惰を挑発する夜
前髪垂れて画面が割れて
土曜日の怠惰を嘲る夜更け
通知の音に刺激されるか
されないだろう
用事は依然ポケットに収まる
明日の陽気に誘われるか
そうでもないだろう
自転車は軋むばかりである
その気もないが朝焼けを見逃し
ボヤポヤしたまま夕暮れも見失い
私が憂いて骨を鳴らせば
風が換気扇から嘲笑う嘲笑う
蜘蛛が一匹迷っています
さらに更に土曜の夜からしゅうまつは
浮遊粒子と共に揺蕩います
誰かに掻き乱されることもないのです