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プロローグ

 


 私たちの日常は、正常に動いているはずだった。




「ーーじゃあな」



 あの日、あの時。


 あなたは私のそばから居なくなるまでは。


 知らなければ、気付かなければ、今まで通りの"私"で居られたかもしれない。


 知りたくなかった真実。




「ねぇ…キミは誰だい?」




 理解したくなかった本性。



「私は……」




 世界は私たちに酷く残酷で、酷く残忍だ。


 けれどそんな世界を、嫌いになんてなれない。


 だってこの世界は……



「……好きだっ、」



 あなたと私を巡り合わせてくれたのだから――。




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