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詩など(連載詩集/その他)

また見つかった。

作者: 檸檬 絵郎


 真っ黒い服を着て……、って、これのこと?

 人生の喪服って感じかしら。

 ずっとじゃないよ、ただ、時々着てみたくなるから……

 だれだって、一着は持ってるんじゃないかしらね。


 あなたは自分の道を見つけて、前に進むんだって信じてる。

 でもわたしは……、相変わらず、霧の中に自分を置いてけぼりにして、

 自分がどこにいて何をすべきなのか、つかめずにいるっていうか……



 また見つかった。

 永遠が、見つかったの。かけがえのないくしものだよ。

 まさか、こんなところで再会するとは思わなんだ。

 滝つぼの水を、吸って吸って、吸いつくさんばかりのエネルギー。

 みずみずしい緑色の蛙と、

 きんいろにかがやくマリーゴールド。

 わたしはかもめ……、いいえ、そうじゃない。「こいつは光合成ができそうだ」、そう言おうとしたんだった。



 そうそう、ピエロの話をしていたんだっけ。

 石っころのように泣いていた、あの哀れなピエロちゃんの……、

 あれ、違った?



 わたしはいまだに、地面に寝そべってるんだってさ。

 足音が聞こえる……


 またいつでも、いらしてお取りになってちょうだい。

 昼と夜のロケットのことさ。





 昔の人は、詩を捨てて、南の国へ旅立ったっていうけれど、

 わたしはいまだに、ここに惹きつけられるんだ、

 かもめみたいに……、ね……


 それでも、頭をぶち抜いたりはしないよ。

 原稿を破る勇気だってないさ。


 ことば、ことば、ことば……

 ことば……、かもめ……







 昼と夜のロケットを捨てて、

 剥製になって、大陸を越えた。

 大事に大事に、かけがえのない銃創じゅうそうをかかえながら……

 それは、昔の人の話……、

 その人は他者。

 わたしはかもめ。









 ……なんだか、デカダンじみてるね。
















失くしてさえ、大切に思えるもの。

それが、わたしなりのヒューマニズムであり、オプティミズムであり、

互いに決別した詩人たちのロマンであり、ニーナとコースチャであり、

カバンの中で破裂したエーテルの瓶……これは違う……、

でも、向き合うって大事だから。楽観と無視は、明らかに違うんだって。


信じる自由は、多数決によって消されるものじゃない。

そうでしょ、ガンジーさん……。



とりあえず、『かもめ』を読もうよ、みんな(笑)

青空文庫に載ってるからさ。↓

https://www.aozora.gr.jp/cards/001155/card51860.html




……あ、念のために追記ね。

神西清訳のチェーホフ作品『かもめ』と、中原中也訳のランボー作品『永遠』、どちらも作者・訳者ともに権利切れで、パブリックドメインですので。

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