第一話 夢の終わりとゲームの始まり
やわらかな感触と温かみを全身に感じながら、そこに差し込む僅かな冷気でクロエ・ブルームは目を覚まし、身を起こす。
彼女が二段ベッドで眠るのは初めてのことだった。寝心地は悪くないどころかとても良いものだと思うし、普段の日常ならもっとゆっくり眠ることだろう。だがクロエは時計を見ることもなく早起きをしたと確信していた。
今日は楽しみにしていた旅行の日だ。だからこうして夜行列車に揺られている。この列車は朝の9時には終点の駅に着く。
午前5時。枕元に置いていた携帯電話が知らせていた。縦長の板にタッチパネルの液晶モニタをはめ込んでいるもので、クロエはため息をついてベッドに再び倒れ込んだ。
親友と遊園地へ旅行する――そのことがもう楽しみで仕方がなくて普段よりも早い時間に起きるなんて、まるで子供みたいだ。でも悪くはない。
まずは顔を洗おう。そう考えたクロエは起き上がってカーテンを開ける。親友は二段ベッドの上で寝ているはずだったが、今はそこにいないようだった。
(どこに行ったんだろう、展望車かな)
少し気になったが先にやるべきは身だしなみを整えることだ。軽く化粧もしておきたい。異性の親友を相手にすっぴんでいることに恥じらいもためらいもないが、今日は記念すべき旅行になる。成すべきことはしておきたかった。
着替えを持って客室の洗面所にやってきたクロエは備え付けのアメニティグッズで身だしなみを整え、化粧も簡単に手早く済ませる。寝起きのまんだりした重みから解き放たれた彼女は、ぱんと軽く頬を打って鏡の中の自分を見つめる。
中性的な魅力が輝くよく整った顔立ちだ。男装すればそれなりに整った少年と間違われても不思議ではない。
背の低くすらっとした姿もかわいらしいと感じる人は多い。事実これまでクロエは周囲の人間からその容姿を褒められることが多かった。
淡い青の寝間着から灰色のセーターと白いスラックス姿になったクロエはすぐに洗面所を出た。扉の向こうで足音がしたからだ。
「フィー?」
呼びかけながらクロエは寝室の方へ向かう。そこにはオーバーサイズな暗い灰色のセーターをきた少年が椅子に腰掛けていた。華奢な背格好やたれ目がちなこともあり、少女のようにも見える。
「クロ、起きてたのかい?」
「そっちこそ。展望車にでも行ってたの?」
「そうだよ。それと、飲み物の注文とかしてきた。クロのは……そうだね、追加でお願いしようか」
お互いにニックネームで呼びあい、フィーと呼ばれた少年が立ち上がって、壁にかけてある固定電話に手を伸ばした。
「もしもし、5号車のフィル・メーベルですが。――そうです、ルームサービスの追加をお願いしたくて。――はい、ホットココアをひとつ追加で。クロ、それでいいかい?」
頷き返したクロエは、すんなりとルームサービスの手続きが通ったのを見ていた。3分と経たないうちに注文した飲み物が届くことだろう。
フィル・メーベル。それがクロエの親友の名前だ。第九大陸のハイスクールに通う学生。17歳。クロエは彼よりも1歳下で、親友同士の関係にある。
ふたりはこの夜行列車で旅行を楽しんでいた。目的地は第八大陸にある巨大遊園地「ネクサス」である。季節は冬で第八大陸は寒さと雪に覆われているが、それでもネクサスを訪れる客の数は膨大だった。
世界的にその名を知られる巨大遊園地。駅で降りてバスで向かい、パレードやアトラクションを楽しむのだ。そしてクロエにはもうひとつ期待することがあった。「アニマノイド」との交流である。
人間とは違う別の種族。動物のような、植物のような、そういう人間だとクロエは聞いていた。人間との数の比率は8:2程度だとも聞いている。
だがアニマノイドと呼ばれる彼らは、クロエが住む第九大陸では生きていけない。
原因はいまでも分かっていないが、大昔からそうなっていることなのだし、第九大陸以外では人類と共存して生活を営んでいる。まだ見たことのない種族がネクサスで働いているという。どんな姿をしてどんなことをしているのか、興味がわいていた。
「クロってそれ好きだよねえ」
「落ち着く味がするの。フィーだってコーヒー好きでしょ」
「まあ……苦いのはダメだから、砂糖とかもりもりに盛るけどさ」
ふたりは椅子に腰掛けながら窓ごしの景色を見ていた。
ゆっくり運行する夜行列車は、しばらくは人工物が目立たない場所を進んでいた。あるのはあたり一面を薄く覆う雪と交通量の多い道路くらいのもので、ネクサスに近い都市はつい先程に通過したばかりだ。
まだ日の出は迎えていない。しかし少しずつ暗い空が光を待ち望んでいるように色を変えつつある。
「ねえクロ。ネクサスでなにが一番楽しみだい?」
「一番はこれって言えないわ。だから、全部。全部楽しみにしてる」
「それもそうか。僕は……君といて一番楽しい時間になると思ってる。これから先なにがあっても揺るぎのない、かけがえのないような時間にね」
「なにそれ! 変にかっこつけちゃってさ、らしくないよ」
「そんなつもりじゃないんだけど、ヒドいなクロ」
小さく腹を抱えてフィルが笑う。クロエもつられて笑って、そしてココアを飲み干した。空のコーヒーカップを持って彼女はほっと息をつく。口の中に大好きな甘みと温かみがまだ残っている。
「でもさ、人生なにが起こるかわからないんだ。そうでしょ?」
「宝くじに当たるかもしれない?」
「いいね。大金が入り込めば楽しい思い出が作れると思う。でもそういう良いことばかりでもないはずだ。だろう?」
「この夜行列車が事故を起こす、とか?」
「それは縁起でもないなあ。でも言いたいのはそういうこと。なにが起こるか分からないのが人生だ。僕はそう思ってる。この間だってそう……学校で抜き打ちテストがあったんだ」
うんうん、とクロエは頷いて話の続きを促した。フィルは最後の一口を飲み干してからクロエの目を見てひっそりと話し始める。
「内容は難しいものでもなかったんだけど、でもちょっと焦った。予定にないことだったからね。他にもいろいろあったんだ。僕のARコンタクトレンズが故障して不便な目にあったりとかね」
「大丈夫だったのそれ」
「良くはなかったけど悪くはなかった。大事な知らせに気づくのが3時間遅れたくらいなものだよ」
「ああ……でも言いたいことは分かった。そうね、今日がこれまでで一番楽しい日にしたいね、フィー」
ふたり小さく笑いだし、微笑みながらカップを軽く打ちつけあった。もう片方の手をひらいてクロエがゆっくり伸ばすと、フィルもそうして手をあわせた。
年頃の少年少女がお互いを親友だというケースは多くはない。しかしクロエとフィルのふたりは間違いなく親友だった。異性としてお互いに気にする機会はほとんどない。
この素晴らしい関係はずっと続くものなのだろうし、ある種の夢のようなものだ。覚めることのない、穏やかで楽しい夢のような。
触れる手の温かみが、今日この日が、これまでフィルと過ごしてきた中で最高の一日になることを確信してさせていた
終点「ノースポイント駅」で下車したクロエは黒いコートを着て、駅の正面出入口に向かって小走りをしていた。
ネクサスへ向かうバスを待つ前にすべきことがあった。トイレの時間をとりたいと言い出したのはフィルで、クロエもそれに乗っかることにしたのだった。
そうしてクロエは駅の正面出入口に戻る。駅前はとてつもない数の人に溢れていて、まともに歩くことさえ難しそうに見えた。大量の人が壁を作っていて、それらはバス停やタクシーにつながっている。
ベージュ色のコートを着たフィルはそんな壁の前でクロエを待っていた。そして彼がクロエの姿を認めて手を振った時、それが起きた。
クロエは動けないでいた。親友の少年が、どこからか現れた三人組の黒服の男たちに連れ去られ、大勢の人だかりの中にさらわれていったのを目の前で見てしまったからだ。
何が起こったかを理解するのにしばらくの時を要した。それでも体は動かない。まるでつま先から頭のてっぺんまで凍りついてしまったかのようだった。呆然と絶望の入り混じった奇妙な表情をして、まだ動けない
非現実がなんの予告もなく直撃したのだからなんの不思議もない。危険を知らせる声もなくものを投げつけられて避け着られる人間なんてそうはいない。
しかし、事情を知らない通行人たちは好奇の目を向けていた。そんな顔を見ればそうだろう。それに人が多すぎて、フィルが力ずくで誘拐されたことに気がついていない人々が多すぎた。
やっと足が動いた時、少女は警察に通報しようと黒コートのポケットに手を伸ばす。だがここはあまりに人が多すぎる。まともに話が出来るとは思えなかった。
ならば今から黒服の男たちを追いかけて行くか? いや、華奢な体躯では群衆の壁に押し返されてしまうだろう。少女は踵を返して駅の中へ駆け戻っていった。
お手洗いから帰ってきたら目の前で誘拐が起きた――現実味のない出来事に焦りと怒りを覚えながらクロエは携帯電話を掴み、そこで目を開いた。携帯電話が振動したからだ。
縦長の板に液晶画面がはめこまれ、指でなぞって操作する電話。その画面は「フィル・メーベルからの着信」を知らせている。自力で抜け出せたのだろうか? 動揺と一縷の希望を掴んでクロエは応答する。
「フィー、フィーなの?」
「いいや。私はフィルくんを誘拐した人間だ。ゲームマスターとでも呼んでくれ、クロエ・ブルーム」
親友のニックネームを呼んだ少女は愕然とした。
ボイスチェンジャーで機械的に歪められた自慢げで芝居がかった男の声に、クロエは顔を歪めながらどうにか口を開いた。
「あなた誰よ!? それにどうして私の名前を?」
「誰って誘拐犯さ。ちょっとしたゲームを催したくてね、そのためにフィルくんを誘拐させてもらったのさ。君のことも少し調べさせてもらった」
「なにそれ、意味わかんない……そんなことをしたらウィンストンさんが黙ってないわよ!」
「ウィンストン・メーベル。フィルくんの父親だね。第九大陸の巨大企業グループの会長でもある。確かに彼が世界中にもつ影響力は計り知れない。ああ、敵に回して恐ろしい人だ。だが、もし、君が賢いのであれば」
「は?」
「君が警察やフィルくんの父親に通報してみたらどうなると思う?」
歪められてなお冷たい雰囲気を内包する言葉だった。
膝をついて泣き出したい気持ちでいっぱいになりながらもクロエはそうしなかった。かわりに駅の中の柱を見つけ、そこに寄りかかり、どうにか反論しようと頭を働かせる。
「あなた達はフィーにひどいことをするんでしょうね。でも、私が通報したかどうかなんて分からないじゃない? やりようによってはバレないように通報は出来るはずよ」
「なかなか君は勇気も見どころのある女の子のようだ。だが……それだけではフィルくんを助けることなど出来ないな。君は、第八大陸にあるノースポイント駅にいる」
「当たり前でしょ、瞬間移動が出来るとでも思ってるの」
「もっと言おうか。君はいま、正面出入口の柱に寄りかかっている」
全身の筋肉がビダッと止まるのが分かった。金縛りにあったように身動きがとれない。それでもクロエは信じたくなくて、空いている左手をヒラヒラさせた。
「試しているのか? 君はいま、左手をヒラヒラさせているな」
「……どういうことよこれ、私、監視されているの?」
「その通りさ。我々は君を監視している」
「そんなバカな! どうやってそんなこと――」
「手段なんてどうでもいいさ。このやりとりで、君は誰にも通報出来ないということを知った。これが重要なんだ。さて、本題に入ろうか」
「――本題?」
「さっきも言ったが私はゲームを催したい。人の命がかかったゲームをね」
「そのためにフィーを誘拐した? お金が目当てじゃないっていうの?」
「ああ。カネが欲しくてこんなことをしているんじゃない、だから商人や誘拐犯だなんて名乗っていないんだ。代わりに自分を正しく呼ぶためにゲームマスターを名乗っている。君もそう呼んでくれると助かる、プレイヤー1、クロエ・ブルーム」
言いようのない絶望感がクロエを包む。なにをしてもゲームマスターを名乗る誘拐犯らから逃れることは出来ないらしい。
「プレイヤー1?」
「その通り。君にはゲームのプレイヤーになってもらう。こちらが提示する課題をクリアできればフィルくんを返そう。なに、あまり難しい課題ではないよ。一つだけではないが」
「もしその課題に失敗したら?」
「フィルくんが無事に帰ってくることはない、と思ってくれて構わない」
「くそ……」
「まずは落ち着いて話を聞く必要がある。近くに喫茶店があるはずだ、そこへ行きたまえ」
「逆らったら?」
「もうゲームは始まっているのだよ」
勝ち誇るようなゲームマスターの声にクロエは怒り、しかし声を荒らげなかった。
駅の中には平和な日常を送る人々がいる。彼らの多くはこの先にあるネクサスへ向かい、精一杯楽しんでいくはずだ。彼らに水を差す真似はしたくなかった。
昨日、夜行列車に揺られていた時からフィルに駅の喫茶店の話を聞いていた。
ブルーリバーという名の喫茶店はそこそこ評判がよく、出されるものはどれも落ち着いた雰囲気の味をしているのだという。
そこで朝食でもどうだい――窓越しに夜景を楽しみながらフィルが笑ってそんなことを言っていたのを思い出しながらクロエは出入り口のドアを開ける。
やや重めのドアを抜けた先は温かみのある空間が出迎えていた。
駅はコンクリートの灰色が目立っていて冷たい印象があったが、ここは木目のタイルや壁を使っている。観葉植物も程よく並べられていて、壁際のステージでは落ち着いたジャズを生演奏しているスーツの四人組がそれらしく雰囲気を盛り上げていた。
いい雰囲気の店だとクロエは感心する。そんな雰囲気につられた人々が落ち着いて時間を過ごしているようだ。店のテーブルの半分は埋まっている。
「いらっしゃいませ! 空いている席へどうぞ」
「あっ……どうも」
クロエにうやうやしくお辞儀をしたのはブルーリバーの店員だった。だがそれは人間ではなかった。
人と同じように四肢を持ち二足歩行をしている。だが頭には獣の耳が生えていて、おまけに尻からはオレンジの毛をまとった尻尾がのぞいていた。柔らかそうな長髪と同じように暖かい色をしている。
猫女。端的に表すのならそういうのだろうとクロエは思う。だが彼女にとって驚くことではあっても世間一般の人々にとって日常の風景なのだろう。そのことをクロエは知っている。猫女が胸元につけている名札に目をやり、クロエはつぶやくように口を開いた。
「シー・タビー・ケー……アニマノイド、なんですか?」
「え? うん、そう。もしかして見たことがない?」
「ずっと第九大陸で過ごしていたものですから。この目で直接見たのはあなたが初めてなんです」
「あー……あそこはアニマノイドが生きていけない土地だから、そうなんだろうね。ご注文が決まったら呼び鈴を鳴らしてくださいね!」
アニマノイド。人の形をした動植物とも、万物に宿る魂が人の形をとったとも言われる種族。クロエがこの目でアニマノイドを見たのは初めてだった。こんな状況でなければ素直にはしゃいでいたかもしれない。
そんなクロエから見てこの店員はとても元気のいいように見える。
出ているところは出ていて引っ込んでいるところは引っ込んでいる、どう見ても女性の体をした猫のアニマノイドの店員が笑うのを見て、クロエも微笑み返した。自然な表情筋の動かし方だと妙に自分を褒めた。
あたりを見回したクロエは窓際の席へと向かう。外からの光が入って明るく、薄く雪が積もっているのを見て落ち着こうと考えたのだった。
この社会において人間とアニマノイドは姿だけが違う同じ人類とされている――その理由の一端を掴んだ気がして嬉しく思ったが、いいことだけではない。誘拐犯との話の続きがある。
ポケットの中に突っ込んだ通話中の携帯電話を取り出し、席についてそっとこれを取り出して耳に近づけた。
「そこが喫茶店、ブルーリバーだね」
「ゲームについて教えなさい」
「分かった。前提として、このゲームは3人1組で行う。ゲーム的に言うなら3人パーティを組んで課題をクリアしていく」
「3人?」
「そうだ。君はどうにかして残りの2人のプレイヤーを見つけ出さねばならない。もちろんその2人にフィルくんが誘拐されたという事情を伝えても良い。だがその2人以外にこのことを知られれば……ゲームオーバーだ」
「フィーを傷つけるのね?」
「その通りだ。まず、君に課す課題は2人の仲間を作って3人パーティを組むこと。その後でこちらが提示したゲームをこなしてもらおう」
ゲームマスターがなにを言っているのかよく分からなかった。
パーティを組む? まるでロールプレイングゲームの話でもしているかのような話しぶりだ。なにを言っているんだ?
「もしかして君は、物騒なことを課題として出されるのではと思ったのではないか?」
「え?」
「やはりそうか! いやいや、そんな誰かが傷つくことをやらせるわけがないじゃないか」
「フィーをさらっておいて――」
「それとこれとは話が別だよ。ゲームの舞台はネクサス。世界的に有名な遊園地だ、その来園客を危険に晒すマネができるわけがない。もちろんどんどんゲームの内容は難しくしていく。だが一般の来園客を危険に晒すようなものは指示しない。これは約束しよう」
「――もうひとつ約束して」
「なにを?」
「あんたのふざけたゲームとやらをやりきったその時。フィーを、絶対に返すと約束して」
「それはゲームのルールとして決めていることだ。これは守って当然のことだし、もちろん約束する」
得意げにゲームマスターが笑う。木のテーブルを思い切り殴りつけたくなったがクロエはぐっとこらえた。
不安と絶望を怒りに変えていかないと今にも泣き出してしまいそうだが、ここで怒りに任せてわめき散らすわけにはいかない。
「君が3人パーティを組んだのを確認したら改めて連絡しよう。その時にどこでパレードを眺めればよいかを伝える」
「分かったわ。……絶対にフィーは助け出す。その後のことは覚悟しておきなさい」
「思った通り君は勇気に溢れた子なのだね。だが、足元をすくわれないよう気をつけたまえ。ではまた」
ここで通話が切れた。クロエの現状をこらえようとする気持ちはもうはち切れそうで、両目は涙で潤んでいる。
本来なら今頃ここでフィルと一緒に朝食を楽しんでいるはずだ。ネクサスのどこで遊ぼうかとか、お昼はなににしようかとか、そんな楽しいことを話し合っていたはずだ。なのにどうして誘拐だなんて――
悲しみも怒りもホットココアを飲めば少しは落ち着くだろう。疲れた顔をしながらクロエはメニュー表を手にとろうとして出来なかった。ドカドカと喫茶店に押しかけてきた客がいたからだ。