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異世界で植物使いになりました!?  作者: 黒狐
異世界への転移者
6/7

鳥の魔物


「それじゃあまずは火を起こすか」


「あ、ごめん火属性魔法は使えないの」


「マジで?」


「うん」


しょっぱなからこんな調子で大丈夫なのだろうか。


「仕方ない、自分で火を起こすか」


そう言い先程から放置されている松の木を見る。


「これを再利用するか」


松の木を枯れるまで成長させて葉っぱを完全に落とし、〈魔力操作〉のスキルの練習代わりに木から魔力を吸い取ることで強度を低下させる。

そして、即席の雑草ナイフの形を変えて斧の様な形にする。


「ほっ、ほっ、ほっと」


そして、それを松の木に何度か振り下ろし薪に丁度良い大きさにする。


「じゃあ後は火種だな」


「あ、それなら何とかなるかも」


なんだと?火属性の魔法は使えないはずだけど。


「どうするんだ?」


「確かここら辺に炎実花って言う、実を潰すと火が飛び散る植物があるの。それを使って火をつけたらいいんじゃないの?」


「はぁ?」


植物が火を飛び散らせるって何でも有りだな流石、異世界ファンタジー。

それはともあれ後はその炎実花を取りに行けば調理出来るな。


「よし、その炎実花とやらがありそうな所を教えてくれ。あと、どんな見た目かも」


「確か炎実花は…日当たりの良い場所によく生えてるわ。見た目は真っ赤で炎みたいな形になってるからすぐわかるわ」


「了解、じゃあちょっと取ってくるからここで待っとけよ」


「分かってるわよ」


俺はレナの返事を聞くと、太陽があった方向に向かって走りだした。

すると目の前にあった木に衝突した。


「いったぁー!」


一瞬何が起こったと思ったがよく考えてみればステータスとやらが凄い上昇してたので身体能力も上昇してるのは当然だった。


「気をつけないと」


次は全力を出さずに少しずつ速度を調整して走りだした。



数分掛けて目的地に着くと速度の調整を完璧に覚える事に成功していた。その場所は木々が少なく、日が良く当たる様な所だった。


「えーと、どれかなっと」


恐らくチートスキルであろう〈植物王〉の〈植物鑑定〉を発動させて探して行く。


「おー、いろんな植物が生えてんなー」


生えている植物には毒があるものや爆発するものまで様々な種類があった。

暫く探し続けていると他の植物のすきまに所々赤い色の植物を見つけた。


「これか?」


鑑定結果はこんな感じになっていた。


名前:炎実花


詳細:炎のような形の赤い花。実を潰すと炎を撒き散らす。


品質:中級



本当に炎が飛び散るんだな。品質は中級だけど恐らくこれが普通だろう。これを幾つかアイテムボックスに入れて持って帰るか。


「ほほいっと」


そして軽く5本程度採取し、アイテムボックスに収納したらすぐにレナが待っているキャンプ地へ戻った。


「戻ったぞ…って何やってんの?」


「あぁ、おかえりぃ助けてぇ」


戻るとレナが鳥についばまれていた。

仕方が無いのでそこら辺に生えてるのを真似て創り出したツタを〈植物操作〉で操り、鳥を捕まえてレナを救助する。


「ありがとぉ、この鳥めぇよくも私を刺しまくったわね!」


「はいはい」


鳥に復讐しようとするレナを無視して、もがいている鳥をどうしようか考える。


「ねぇ、今日は鶏肉を食べましょう」


「アホか、可哀想だろ。それに今日はウルフの肉だ」


全く、こいつは恨み過ぎだろ。鳥が嫌な気配を感じたのか必死になってるだろうが。


「おーよしよし、怖がらせてごめんなー」


「ピッ!ピィー!」


興奮しているので身体を撫でて落ち着かせてやる。鳥は自由研究でスーパーの卵から生まれたうずらを育てていたので一応知識はあるから助かった。


ひたすら落ち着くまで撫でていると抵抗が無くなり俺の腕の中で寛いでいた。


「…レイト、それ一応魔物なのに手なづけれてるじゃない」


「えっ?これ魔物?」


どう見ても普通の鳥なんだが。ほら何?って感じたで覗いてくるの可愛いじゃん。


「その鳥はネションバードって言って、近づいたものを攻撃したり巣に近づくものへ集団で退治したりする魔物よ。」


「結構凶暴だな」


「まあ単体では弱いし基本的に害はないからランクは最低だけどね」


レナの説明を聞きながら片手にキャベツを創り出し、小さくちぎって鳥に食べさせる。


「ほーら、美味いか?」


「ピィ!」


鳥は元気な鳴き声をあげて返事をした。


「完全に懐いてるじゃない…」


「まぁいいだろ可愛いし」


「でもそいつ、周りに群れが居ないからはぐれなんじゃないかしら」


「その時は俺達で面倒みればいいだろ」


「嫌よ!」


レナはまだつつかれた事を根に持っているらしく飼うことを断固拒否しているが、俺は飼いたいと暫く言い合っていたらふとグゥゥと音が聞こえた。


「今の伶斗?」


「…まぁ、完全に忘れてたから」


なんだかんだ色々トラブルがあったせいで日が完全に沈み、いつの間にか周りは真っ暗になっていた。


「取り敢えず食おうか」


「そうね」


「ピィ!」


周りは真っ暗でこのままでは何も見えなくなりそうなので、新たに1匹増えた仲間?と共に飯の用意を再開した。


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