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第七話 謁見直前

何度も修正すみません!

ということで修行僧にあらたな装束を与えられた俺はなぜだか鎌倉のお屋敷に向かっていた。


ちなみに着ているのは古びた法衣でそこそこ立派なやつです。

どうせなら直垂ひたたれとか狩衣かりぎぬとかもちょっとほしかったがそれはまた今度の機会に。


お寺のお坊さんはいそがしいからね。朝は早起き、掃除、読経、写経、そして更なる勉強もしなければいけない。大変なお仕事だ。ついでに修行僧にある程度文字の読み方も教えてもらった。主に漢文がメインなのは時代なのかな。


「親方様ー」

一人山道を歩きながら叫んでみる。実際に逢うのは執権の北条高時だったけど。

しかしこの切通はすごいね!天然の要塞と言われるだけあって上るだけでも息がぜえぜえしてくる。


汗水垂らして武家造りの屋敷を探さないといけないのは大変だ。大体俺ってただのニートなんだよ?体力なんて一時間も持たないっつーの。


ああだこうだ文句をいっている最中に一人の侍に出会う。りりしい顔つきだった。


「そのものなんと申すか」

「俺は九郎丸ともうします」

うろんげな目つきで見つめられる。なんでだろうめちゃくちゃ怪しまれている。


「まだ元服もしておらんのか。しかも名前からして出家もしていないだろう。その姿はなんだ」

「これには事情がありまして」

うわあ弥次郎さんからもらったやつそのまま使っちゃダメだったのか。


「さてはお主倒幕をねらった一味ではあるまいか」

「そのはずがございません」


そうだ。こういうときは懐の紹介状を見せれば信じてもらえるはずだ。


「こちらを……」

「別にそなたのことを疑っておるのではない。ただ性分でな」

俺の言葉を無視して話は続く。ちょっと俺の話聞いてよ!と心の声は届かず。


「このごろ政治が乱れていて、幕府も混乱しておる。たとえば日野資朝ひのすけとも。あやつは無礼講といって酒池肉林の宴会で倒幕の話をして佐渡に流された」

ん?なんだか聞き覚えがある話だな。タイトルなんだっけ?


「また楠木正成くすのきまさしげはその智謀により戦功をあげたがあやつは自害しおった」

楠木正成って超有名人じゃん!ようやく知ってる人物出てきたよ。

それにしてもこの話のタイトルって……。たしか。


太平記じゃん!親父の大好物。酔っぱらうとネタにしてくるやつ!


「おそらく今ようやく安堵の時期がやってきたのだろうが念のためな」

「あっ……」

「旅は辛かろうが、そなたも達者でな」

侍は男らしくさっぱりとしたやつだった。俺を責めていたわけではなさそうだ。

ボヤボヤしているうちに彼は去っていった。


めでたしめでたし、ってちょっと待ったああああああ!

一つだけ問題がある。

実は楠木正成まだ死んでないんだよな。

これは親父から聞いた話なんだけど、楠木正成は俗にいうゲリラ戦術で生き延びていた。


たとえば笠置城を火攻めしたり、赤坂城合戦で堀の上から木とか落としたり。

そして実は赤坂城合戦で自害したかのように見せかけて偽装だったからね。


そんなしたたかな相手にたいしてもうちょっと心配になる今日この日頃です。

そしてようやく北条高時の武家造りの屋敷前までたどり着いたのだった。

記載間違えてました。武家屋敷は江戸時代でした……。正しくは武家造りです。

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