第六話 旅立ち
得宗専制と書くべきところ体制と書いていました。なんども修正申し訳ありません。
って前回ほのぼのしちゃったけど忘れてた。俺が「いざ鎌倉」をしにいくことを。
ということで俺はお参りを終えて、近くをふらふら。
ちょうど問丸って今で言うところの問屋さんが鎌倉に納品にいくと言うことだったので俺もついていった。ついでにお金はキャッシュが尽きたので、弥次郎さんから譲り受けた為替を使用。
為替って今で言うところの銀行振込みたいなものなんだけどさ。
便利や便利。でもあんまり使いすぎると迷惑になっちゃうから気を付けなきゃ。
俺は普通の水干を着ていたんだけど(庶民の服装)
問丸さんたちも忙しいのでお仕事を手伝うことに。
彼らの仕事は物流関係だからこの間築き上げた俺の能力が発揮される場面でもある。
仕分けに仕分け、売れ筋のチェック、能率アップで大変喜ばれた。
お手伝いにしては結構頑張ったよね?
ついでに鎌倉街道を上ること数週間。
お仕事次いでだからなかなか移動に時間がとれなかったのもあるけど。
俺たちは中道といって今で言うところの二子玉川を通って鎌倉にいく道を使用した。
これが道幅が狭いのが難点だったけど、全体的には平坦で歩きやすく、安全な旅だった。
途中山伏にも出会ってテンション上がったのは
君と俺との間の秘密だよ?
普段あれだけ親父に文句いってたのに血は争えないのかな。
そしてたどり着いた鎌倉は荒れに荒れまくっていた。
当代の将軍は役に立たず、得宗専制といって北条氏が政治を牛耳っていたのだ。
というか弥次郎さんは俺を誰に紹介したのだろう。
懐から紙を取り出して読んでみるがあまりにも達筆すぎて読めない。
仕方がないので頭の良さそうな人を探す。
やっぱり学生が一番だよね。
今で言う学生って鎌倉末期には存在するのだろうか。
たしか平安時代には大学があったらしいけど……。
ま、関係ない話だよね。
ということで考えること数分。
ようやく結論が出た。
お坊さんに聞けばいいんだ!
俺って頭いいよね?と一人うんうんうなずく俺でした。
全ての道はローマに続くなんていうけど、今鎌倉だし、俺字読めないしとりあえず頭の良さそうな修行僧に話しかける。
「こちらの紹介状で鎌倉に参ったのでございますが」
「な、なんと!これは北条高時様への紹介状ではないか」
って誰だっけその人。マイナーすぎて覚えてないよ。
「時の権力者へ紹介される人物にお会いできるとは見に余る光栄だな、そなたもなかなか優れた人間なのであろう」
うわあ。大変なことになっちゃった。
「しかし、その格好はいかがなものか、こちらで新たな衣服を用意して差し上げよう」
しかも超絶親切にしてもらってるし。
「さあ、こちらへ」
「ははあ」
驚きが隠せない俺でしたとさ。