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第五十九話 箱根・竹下の戦い3

足柄峠の西にあたる竹下に移動して戦いは続けられた。

主な戦力は弓矢だったけれども時おり太刀も使用した。


ということでそろそろ俺の出番だろう。

俺は腰に携えた鬼丸を確認して出撃する準備をする。


「大塔宮、俺も先頭に移りたいのですが」

「最前線の様子が知りたいのです。情報は確かにありますが自分の目で確かめたいのです」


「それなら仕方ないな。分かった」

「気を付けるんだぞ新田義興」

大塔宮と赤松円心がうなずく。


すると喜助が声をかけてきた。

「新田義興様が出られるようならば某も参戦致します」

彼は短剣を携えて俺の側に控えていた。


「じゃあ戦いにいくとするか」

「はい」


かくして俺と喜助は戦いの最前線へ向かうのだった。


「行けえええええ」

鬼丸を振り回し敵を蹴散らす。周囲は弓矢の兵士が多いので太刀での攻撃が有効だ。

そして喜助も短剣で敵を一網打尽にしている。


あらかた弓矢の兵士を倒したところで次は太刀の兵士を相手にする。

「某新田義興と申す。戦いを願い出るものはいないか」

一騎討ちの申し出をすると奥から男が出てくる。

「よろしい。某が相手を致しましょう」


「行けっ」

「ふんっ」

自分から名乗り出るだけあってなかなかの実力の持ち主だ。


「うりゃっ」

大きく鬼丸を振ると敵はすかさず跳ね返してくる。


「新田義興さまっ」

近くで喜助が不安げな顔をしている。俺が負けてしまうのか心配なのだろう。

だが俺だって負けるわけにいかない。


「大丈夫だ喜助」

俺がそう返すと敵は太刀でこちらを狙ってきた。


「そなたもずいぶん余裕と見受けられる」

ザンッ

すんでのところをかわして次の攻撃に移る。


「次だッ」

俺が鬼丸を振ると相手は呻き声を漏らす。

「ぐっ」

「このまま行けえええ」

大声をあげると同時に鬼丸を前後に振るう。

「負けてたまるか」

男は俺に向かって太刀を振るう。

「行くぞっ」

刹那。素早い太刀筋が俺を襲う。それを一つ一つ避けていって。

「これだっ」

「グハッ」

そして負けを認めたのか。

「参った。某の敗けだ」

男は顔を伏せて小さくうなずく。


そうしてこうして俺たちは敵の攻撃を掻い潜り次々と太刀の兵士を倒していく。

足利軍も俺たちの活躍に気がついてか次第に撤退していき。

「撤退だ」

「このままでは勝てない」

かくして足利軍は竹下を撤退していき俺たちは勝利を飾ったのだった。


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