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第十話 別れ

かくして俺は新田義貞のいる上野国に向かうこととなった。


優しく、穏やかで愉快な北条高時との別れは名残惜しく時間がかかってしまったがようやく踏ん切りがついた。


「お世話になりました高時さま」

「お主こそ旅路では気を付けるのだぞ」

餞別にこっそりお酒を分けてくれた。ちなみに禁酒令でてるんだけどね。細かいところは突っ込んじゃダメだよ!


「では参ります」

「さらばじゃ」


こうして俺は上野国へと歩を進めるのであった。


旅の途中俺は修行僧や山伏に混じって街道を歩いていた。

時おり傀儡といったサーカスの集団や、歩き巫女などともすれ違った。


彼ら彼女らは泊といって一定の地域にとどまっては移動を繰り返していた。

そして大抵宿で寝泊まりしていた。この辺りは俺が問丸の手伝いをやっていたときと変わらないけど。


ある晩ふと女性が古い今様を口ずさむのが聞こえた。


「遊びをせんとや生まれけん

 戯れせんとや生まれけん

 子供の声聞けば

 我が身さへこそ揺るがるれ」


有名な唄だ。意味には諸説あるが老年になった人物が子供を眺める姿とか、遊女が自身の罪深い身の上を後悔している姿とか色々な解釈がある。


そして再びどこからか女性の声がして。


「我が子は十余になりぬらん。

 巫してこそ歩くなれ

 田子の浦に潮踏むと

 いかに海人集ふらん

 正とて

 問ひみ問はずみなぶらん

 いとほしや」


こちらは田子の浦(静岡県)の唄だが歩き巫女について

我が子がさすらっているのを悲しむ唄である。


時代はちょっと遡るけど院政時代の今様だ。梁塵秘抄に収録されているものだ。

それを使う辺りちょっと寂れた雰囲気が出ているけど。

みんなつらいけど頑張っているんだろうな。


そしてこの俺も新田義貞を説得すべく上野国へと踏ん張る。


ていうかそもそも上野国ってさ。

今で言うところの群馬県だよね?水沢うどん美味しいよね?

草津温泉最高だよね?もしかして伊香保派の人もいるのかな?


とボケも交えつつ山伏達と歩くこと数週間。

なんだか俺も神通力とか使えそうな気がしてきたよ!


ちなみに修験道で有名なのは東京だとやっぱり高尾山だよね。

あれ幼稚園児も上れる山だけど、昔登った時は息ぜえぜえだったよ。


やっぱり若いもんには敵いませんなと言いつつ

ただのニートだからなんだけどね!


そうしてこうして俺は新田義貞に出会うことになった。

ちょっとコメディ要素が減ってきました。すみません!

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