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付加魔法は自分のために  作者: 仙堂レイ
第一章:日常の終わり
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新たな自分-4

 業界最大手の掲示板サイト。毎時毎分変わるスレッドの中に、常に画面の何処かしらに映る∞の文字。それをクリックし、複数の問題にすべて答える事が出来た者のみが入室を許される有料会員サイト。

 通称『エターナル』

 ……まぁ、無限と永遠は似たようなものだし、そこは突っ込まない方が良いだろう。


 とにかく、エターナルにもたくさんのスレッドがあり、有料会員な為か情報に信憑性が高いのが特徴だ。

 ちなみに、この有料というのがイヤらしいシステムで、閲覧情報を更新する度に料金が発生し、情報を書くとその分割引される。

 さらに、確かな情報であれば上乗せされ、デマだと割引額は減らされてしまうのだ。

 もちろん、確かな情報をたくさん書くと利益が生じるようにもなっており、実際にここで稼いで暮らしてる人もいるみたいだ。


「さて、あの人のスレッドは何処かな……?」

「確か、『エタリア』さんだっけ?」

「そう、あの人が一番信頼出来る」


 エタリアさんは、俺がこのエターナルで一番信用している住人で、有名ではないもののひっそりとだが的確にみんなが求めている情報を書き込んでくれる人だ。

 他の人に比べて盛り上がりはしないが、俺はこの人のスレッドが一番居心地が良くて好きだ。


「えーっと……あったあった」

「どれどれ……?うわっ、相変わらずの盛り上がりだね」

「いや、今回は事が事だし、いつもよりすごい盛り上がってるぞ」


 確かに、あくまで他と比べて盛り上がりが激しい訳ではないので、普通の人からすると普段のスレッドでもすごいんだろうけど、今回はいつも以上だ。

 エタリアさんのところにしては、少々騒がし過ぎる。


「まぁ、無理もないよな。あんなのありえないんだから」

「いろんな意味で凄かったもんね」


 あんな超科学、どう考えてもまともじゃない。世界に一斉に送信されたあの映像は、いくつもの不可思議な現象を孕んでいた。


 まず、大前提として、一時的にとはいえ世界中のセキュリティを掻い潜り映像が流されたこと。

 次に、使用された媒体が、あまりにも多過ぎる上に不良品や電気等も関係なかったこと。

 すべての機器でありえない程高クオリティだったこと。

 何故かどんな機器でも録画する事が出来なかったこと。

 そして、聞く人の耳に合わせた音声だったこと等だ。


 全部おかしいが、最も意味不明なのは、一番最後の部分だ。

 世界中に配信するのだから、その国毎に使用する言語を変えるのは分かる。でも、この映像のおかしいところは、同じ媒体で同じ映像を見ているのに、聞いた人によって言語が変わっている点だ。

 実際、外国の人が書き込んでいるが、どうやら彼は日本で同じテレビを見ていたのに、隣の友人が母国語を理解しているのかと思い大いに驚いたそうだ。


 「それにしても、何か賑やか過ぎないか?」

 「うーん、確かに。ちょっとペース早過ぎるかな?」


 盛り上がるのは分かるが、いくらなんでもエタリアさんのスレッドにしては、だんだん異常に思えるくらい炎上していた。


 「何か理由がーーーーー!?」

 「どうしたの?」

 「いや、そりゃこれだけ盛り上がる訳だ」

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