道中で
あれから何度か敵におそわれたがレイモンドが難なく倒していった。そこでフィーアがあることに気づいた。
「レイさ…レイはなんでそんなに強いのです…強いの!?」
レイモンドは敬語を使われるのが嫌なようだ。
「師匠に鍛えて貰ったからかな。でも俺は強くはない。だって俺は…いや、何でもない」
レイモンドはどこか遠くを見てしまった。(あのときもっと強ければ師匠いやミレイも守れたかもしれないな…)それからしばらく歩いていたら川に出た。
「ここらで少し休憩するか。フィーア水浴びでもしてきたらどうだ!?」
「そうします。…覗かないでくださいね!!」
「残念。俺は年上好きだから年下の体には興味はありませーん。とりあえず俺は山に食料調達しに行ってくるぞ」
そう言ってそくさと山の中へ入っていった。残されたフィーアは(少しくらい動揺してもいいのに!!…私ってそんなに魅力的じゃないかしら!?)少し落ち込んでいた。そんなときレイモンドといえばのんきに木の実を集めていた。しばらくたって
「これくらいあれば大丈夫だろう。そろそろフィーアも終った頃だろ、戻ろう」
「きゃーーーー!!」
「この声はフィーアか!!ヤバイ、急がないと!!」
レイモンドが戻ろうとしたとき急にフィーアの叫び声が聞こえた。(くそ!!間に合ってくれ!!)そう思いながら走っていった。
「フィーア!!大丈夫か!!」
「この子可愛い!!ってレイ!?なに覗いてるんですか!?あっちいって下さい変態!!」
「えええ!?ちょちょ待って襲われてな…クボァ!!」
レイモンド真っ赤になったほっぺたをさすりながら魚を焼いていた。そのとなりで不機嫌になってるぶつぶつ言ってるフィーアがいた。
「なぁーいい加減機嫌なおせよー!?」
「誰のせいですか…全く。私の裸…見ましたよね!?」
「いや~見てない」
「ほんとですか!?今なら許しますよ!?」
「いや…見てない」
「そうですか。ならいいです、それより食べましょう♪」
そう言って魚を食べてるフィーアを横目に(案外着痩せするんだなぁー)…ばっちり見ていたレイモンドだった。
飯を食べたあとふとレイモンドがフィーアに尋ねた。
「フィーアはなんでポリスに行くんだ!?」
「えっ!?それは…」
「別に無理して話してくれなくてもいい。でも話してくれれば手をかしてやることも出来るかも知れないだろ!?」
少し悩んでから
「…ポリスの首都にある知人の家に行く途中なんです。それで帝国の兵士に追われてて…」
「なんで追われてるんだ!?」
「それは…わかりません」
「そうか。家族は一緒じゃないのか!?」
「…帝国の兵士に殺されました」
「!!そうか…すまない配慮がたりなかったな」
「いえ、大丈夫です」
しばしの沈黙が続いた。その沈黙を破ったのはレイモンドだった。
「俺も小さい頃に親に捨てられたんだ。そして師匠に拾われたんだ。でもその師匠も3年前に殺されたんだ」
「そうだったんですか…」
「もうこの話は終わりだ。明日に備えて寝ろ」
「はい…おやすみなさい、レイ」
「ああ。おやすみ、フィーア」
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