出会い
ようやく主人公の登場です。
ギルスターン王国が占領されてから3日がたった。そんなときギルスターンとポリスとの国境にある山を一人の青年が登っていた。
「ギルスターンも大変だなぁ~。こりゃしばらくは残党狩りで騒がしくなりそうだ。」
そう言った青年はレイモンド。背は180ぐらいで痩せてはいるが引き締まっていてガリガリではない。茶髪で少し長めで、顔は整っている。
「あー本当にこの山に名剣の鍛冶職人がいるのかぁ~」
どうやらレイモンドは鍛冶職人を探しているようだ。名剣の鍛冶職人というのは500年前の「黙示録戦争」で使われた剣で別名「刀」と呼ばれていものを作っていた。普通の剣は両刃だがこの刀は片刃で失われた技術で作られたとされている。そしてその末裔がこの山にいるとされている。
「伝説の鍛冶職人かぁ…そいつに刀を作ってもらえばアイツを…絶対に…ん!?」
レイモンドが考えごとをしていると目の前にある少女が倒れていた。
「おいおい、死んでるのか!?おーい!!生きてるか~!?」
そう言ってほっぺたを叩いてると「うっ」っとうなった。
「どうやら生きているみたいだな。とりあえずコイツをどうにかし…あらあらお客さんみたいだなこりゃ。」
レイモンド前には10人ほどの鎧を着た兵士が立っていた。鎧にはジェノバ帝国の国旗が付いていた。
「その女をこちらに渡すんだ!!」
「そんな物騒な格好のおじさん達に渡したらこの子が危ないと思うんだが!?」
「うるさい!!えーいこうなったら力づくで奪え!!行け!!」
そう言ってまず5人の兵士達はレイモンドに向かって走っていった。5人とも槍を構えている。そして1人がレイモンドに向かって突きをしたがそれを華麗に避け、突きだされた槍を蹴り上げた。
「なっ…」
そう言ったつかの間その兵士の首に手刀をし気絶させた。落ちている槍を拾い上げすぐさま残りの兵士に向かっているレイモンド。残りの4人もそれを見て我に戻り、すぐさま槍を構えた。前にいる兵士と槍同士がぶつかり、つばぜり合いをしていると横から突きをが来たがそれをかわし、前にいる兵士を蹴り飛ばし横の兵士に足払いして転ばせ気絶をさせた。いきなり3人がやられると2人も様子を見るため距離を開けた。
「どうした!?来ないならこっちから行くぜ!!」
そう言ってレイモンドは槍を捨て剣を構えた。そこからは一瞬の出来事だった。レイモンドが消えたと思ったら2人の前に現れ2人を切りつけた。
「ぐわ!!いきなり現れただと!!」
「くそ…手の腱をやられた!!」
「おとなしく寝てな」
二人の首に手刀をし気絶させた。その様子を見ていた残りの5人は恐れたのか隊長らしき人物を残して逃げてった。
「俺らじゃ敵わねぇ」「う、うわぁー」「母ちゃ~ん助けてー」「にげろー」
「おっお前達俺をおいて行くのか!?…っく覚えてやがれ!!」
そう言って5人は逃げていった。(いかにも雑魚が言いそうなセリフを言ってたな。しかも母ちゃ~んってお前何歳だよ…)なんて心のなかで突っ込んでいると「うっ…ここは!?」って声が聞こえた。
「おい。大丈夫か!?」
「えっ!?は、はい。大丈夫です。ところであなたは…!?」
「俺はレイモンド。レイモンド・エドワードだ。レイでいい。」
そう言ってレイモンドは手を差し出して彼女を起こした。彼女は服が汚れていてところどころ破れていた。
「私はフィーアです。ところで後ろに倒れてい人達はだれですか!?」
「お前を追ってきたみたいだったが、おそってきたから返り討ちにした。お前はなぜ追われているんだ!?」
「それは…言えません…」
フィーアはそう言うと顔が暗くなってしまった。(父上、母上、姉上…)それを見ていたレイモンドは(あの目…誰か大切な人を亡くしてしまった目だな。…俺と同じか。こういうときどう声かけてやったらいい…ミレイ。)
しばらくお互いに話さないまま沈黙が続いていたがフィーアがその沈黙を破った。
「レイモンドさんは何をしているんですか!?」
「俺は今修行の旅をしている。そしてこの山に伝説の鍛冶職人がいると聞いてここにきたんだ。あとレイでいい。俺は20歳だが見たところ年もあまり変わらないだろう。」
「私は19歳です。いきなりですがレイさん私をポリスまでつれてってくれませんか!?」
いきなりそんなことを言われてレイモンドは少し悩んだが
「鍛冶職人のところに行ってからならいいぞ」
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
普通の人ならこの笑顔を見たら惚れてしまうようなものだったがレイモンドには関係なかったようだ。
そして2人は鍛冶職人のところへと向かっていった。