第四話 挑戦状
今現在、俺は浜崎とミステリー研究会部長の和田友貴先輩に板挟みにされている。
2人は睨みあっていて、いまにも相手に殴りかかりそうな勢いだ。
なぜ俺がこんな目にあっているかというとそれは1,2時間前のこと…。
俺たちがいつものように元演劇部室に集まっていると、突然勢いよく戸が開けられ、浜崎と似たようなメガネの男が入ってきた。
「君たちがUNS団だね。団長の浜崎君は?」
「僕が浜崎ですが何の用ですか?」
「私は和田友貴という。単刀直入に言おう。我がミステリー研究会の部員、下田君を返してもらう!」
なんと、この先輩は美紀さんを連れ戻しに来たらしいのだ。
「彼女はミステリー研究会の中で唯一の女子部員だ。彼女がいなくなるのはとても困る。
それに、このUNS団はミステリー研究会と同一のものと私は判断した。団員たちは全員、我が研究会に入ってもらおう」
「な、なんだと!?勝手に決めるな!」
と、まぁこんな流れで2人は睨みあっているわけだ。
たしかにUNS団を作ってから一週間もたたずに廃部はないだろう。
「UNS団を存続するとしてもだ。人数も足りない、活動は全くやっていないじゃ話にならんのだよ」
「よし。そこまで言うのなら何か活動をしてやろうじゃないか!」
「それなら活動内容のレポートでもなんでもいい。何か作品を私に提出してくれ」
「いいだろう望むところだ!!」
「おいおい、ちょっと待て勝手に話を進めるなよ。大体この人数じゃあ活動は出来ないんだぞ」
「いやなにバレなければいいんだバレなければ。この手があったな」
こいつ今まで思いつかなかっただけで、その手があれば勝手に活動してたのかよ?!
「期限は大目にみて一ヶ月だ。まぁそれまでせいぜい頑張りたまえ」
そして不敵に笑いながら和田先輩は出ていった…。
「さて、ぐずぐずしてはいられないな。すぐに始めよう」
「って何をやるんだよ?」
「ふっふっふ。ここには丁度よく演劇部の小夏君がいるじゃないか。僕達で映画を作る!」
というわけで新入部員下田美紀さんを賭けて俺達の映画作りが始まったのだった…。