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パラドックス  作者: 奴隷


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あれ?

はじめましてたいしたことがない話

『しぬ……』


ぼくはここで死ぬのかな?

病室の天井を見ながらふと思ったら、本当に死んだ。


その数時間後、ぼくは灰になった。


この人生に悔いがないと言うのは難しいけど、それなりに楽しんだ。


それなのに、なんで2018年の誕生日当日に戻るんだろうか。

何もかも元通りで、ぼくはここで変わったんだ。


8月の暑さがぼくを殺しに来てる。

まぁ、一度死んでるけど。


そう思いながら、ログインしようとした口座のパスワードが合わないことにイライラしていた。


なんだっけ。


机の上には、昨日受け取った離婚届が置いてある。


数回のうち、やっとログインできた。

ぼくの口座の貯金は、そんなに多くない。


結婚したのが間違いだったと知ったのは、死ぬ数年前だ。

もうわかっていたから、今から終わりにする。

結婚が奴隷だって、その時、はじめて知った。


家の荷物は段ボール数箱で収まり、今日には出ていける。

業者は間もなく到着するだろう。


ぼくは口座から引っ越し資金が足りているのを確認して、ほっとし、これからのことを考えていた。


必要なことは、あとは引っ越し先でやるとして、

慰謝料は財産の半分というが、この家を渡せば文句は言わないだろう。


ぼくは業者に鍵を渡し、指示をして家を出た。


新居は、3年過ごした場所から離れた品川にした。

電話番号も変え、すべて消した。


結婚は実家への当てつけだったが、今思えば幼かった。

無駄なことをしてしまった。

すごく後悔している。


品川駅から少し離れた閑散とした街並みに、

ぼくが賃貸で借りた1LDKは新築の匂いがした。


一人暮らしになる。

死ぬまで、ほぼ一人暮らしと変わらないから、ある意味延長線か。


翌日、ぼくは証券口座とFXの口座を開設した。


未来の知識があるので、有効活用しよう。


この数日で、死ぬ前に回帰したのだと、ぼくは思うことができたから。

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