冒険者
あれから2日が過ぎた。
その間にゴブリン3体がダンジョンにやってきた。
奴らは徒党を組む事なく単独で行動しているらしく、時間をおいて1匹ずつダンジョンにやってきて、警戒する事なくダンジョンに足を踏み入れる。
ダンジョンに入ってきたものは、うちのモンスターがオートで攻撃を仕掛けていく。
はじめに入口近くに配置したバットが攻撃を仕掛ける。
バットの攻撃は超音波を発して相手の平衡感覚を奪うものだ。
1体では大した威力はないものの、こちらには11体のバットが入口に控えている。超音波は重ねがけする事で威力が増すらしく、11体同時に発すればゴブリンくらいだと昏倒してしまう。
倒れたところにスパイダーが寄ってたかって糸を吐いて動けないようにしてしまう。
さらにスパイダーは噛み付く事で毒を注入するので、侵入してきたゴブリンはいずれもスパイダーまでで力尽きた。
中々のコンビネーション。適当に配置したが、結果的に名采配だったようだ。
ちなみにモンスターは基本的に侵入者に対してオートで攻撃を仕掛けるが、簡単な指示は理解して従ってくれることが分かった。
ゴブリンの死体はやはり地面に飲み込まれていき、人と同じように経験値が得られる事が分かった。
ゴブリン3体を倒して得た経験値で、レベルが1つ上がったが、得られたDpは10でダンジョン拡張はできず、能力も新しいものはなかった。
不思議なのは、何故ゴブリンはダンジョンに入り込んできたのかだ。
最初に侵入してきたウィグ何某も、ダンジョンを見つけて、慎重になりながらも迷う事なく侵入してきたし…
ウィグ何某が目指していたのは、恐らくダンジョンコアで間違いないだろう。
コア部屋でそれを探して彷徨っていたし。
ゴブリンもダンジョンコアが目的なんだろうか?何のために。
分からないが、ダンジョンコアを守らなければならない事ははっきりした。
なんて思案していると、入口に新しい侵入者の気配。
3人組の人間のパーティだ。
先頭にいる軽装の男が中を窺っている。恐らくこの男が斥候の役割なのだろう。
その後ろに大きめの剣を携えた男と杖を持った初老の男が控えている。
3人組の冒険者だ。装備から見ても明らかにウィグ何某よりレベルが高そうだ。
まだレベル5のペーペーダンジョンには荷が重いのではないか。
頼む!帰ってくれ!家帰れー!帰れー!
俺の願いをよそに斥候の男がゆっくりとダンジョンに足を踏み入れる。
くっ、やるしかないのか。。
バットに影に隠れて、侵入者をもう少し引きつけるよう指示をする。
斥候の男が歩を進めて後ろの2人と距離が空いた。今だ!
バット!超音波攻撃!
11体の同時攻撃だ。斥候の男は耳を押さえて苦しそうにしている。明らかに三半規管をやられて、ふらついている様子だ。
しかし、倒れるまではいかない。
すかさずスパイダーに糸を吐くように指示をする。足に絡まった糸でバランスを崩した男はついに倒れた。
よし!スパイダー噛みつけー!
首の辺りに1体のスパイダーが牙を突き立てる。男は悲鳴をあげながらスパイダーを手で振り払う。
それを避けたスパイダーが岩陰に隠れる。
後ろの2人が急いで斥候の男に駆け寄り入口付近まで運んでいく。
1体しか毒注入できなかったか。どうなんだ?人1人を殺せるほどの毒が注入できたのか?
杖を持った男が腰に下げた袋から小瓶のようなものを取り出して、傷口に何かを塗っている。毒消しのようなもんだろうか?
大きめな剣を持った男が、腰の短剣を抜いて斥候の男に絡まったスパイダーの糸を切っている。
斥候の男はフラフラとしながらも立ち上がった。
やばい。やっぱりスパイダー1体の毒じゃ人は殺せない。
3人は先ほどよりも固まって、辺りを警戒しながら再度侵入を図ってくる。
くそっ!第二ラウンド突入だ…




