決着
2人を合流させるわけにはいかない。
斥候の男には生き残ったゴブリンを先頭に、キャタピラー、スパイダー、バットが後ろから絶え間なく攻撃を仕掛ける。
一方、剣の男は、これまでと格の違うモンスターが姿を見せて明らかに動揺している。
暇なときレイスの能力を確認していたのだが、なんとレイスは魔法が使えるのだ。攻撃を命じると、黒い球のようなものを打ち出す。恐らく闇属性の魔法なのだろうと理解し、勝手に「黒球」と名付けた。
さぁ、レイス侵入者をやっちゃいなさい!
黒球を打ち出そうとレイスが動いた瞬間、剣の男が腹を括ったようにレイス目掛けて突進してきた。
剣を勢いよく振り下ろす男。レイスは最小限の動きでそれを躱わす。
躱わすと同時に黒球を発射する。体を捻り黒球を躱わす男。体を捻った勢いを活かして、一回転して横から剣を薙ぎ払う。
体が浮かび上がってその剣を躱わすレイス。
うぉっ!目にも止まらぬ攻防。
両者の実力は拮抗しているように見える。
視線を斥候の男に移す。
やばい!すでにゴブリンは地面に倒れていた。キャタピラーも1体すでに切られている。こちらは斥候の男の方が実力上位だ。
こちらを片付けた斥候の男が剣の男に合流してしまえば、かなり分が悪くなる。
となると、先に片付けるべきは剣の男だ。
実力が拮抗しているレイスと剣の男であれば、ちょっとしたきっかけで勝負が動くはず。
しかし、残念ながら現在Mp0なため手助けができない。このまま時間が経てば、不利な状況になるのは目に見えている。どうすれば……そうだ!
スパイダー1体に急いでコア部屋の前に戻るよう指示する。
そこにいるのは、そう!杖の男だ。倒れたまま、息苦しそうに浅い呼吸をしている。
大丈夫か?おじいちゃん。辛そうだ…すぐに、楽にしてあげるからね(ニッコリ)
スパイダーのトドメの一撃!たっぷりと毒を注入する。
杖の男は苦しそうにうめき、そして息絶えた。
男の死体を呑み込む地面。
自動で開くステータス画面
レベルアップ Lv5→Lv9
よっしゃ!杖の男の名前なんかも記されているが確認は後回しにして、急いでレイスの元に戻る。
レイスと剣の男は相変わらず拮抗した戦いを繰り広げている。
さぁ、どうやって横やりを入れよう。
ステータス画面を見ると、レベルアップによって、新しい能力が追加されている。
土魔法Lv1
これだ!中身を確認すると、ロックブラストの文字。よし!ナイスな横やりになりそうだ!
意識を剣の男の真上に移動させる。
レイスとの攻防がひと段落ついて、男が呼吸を整えた瞬間、今だ!頭目掛けて「ロックブラストぉー!!」
5cmほどの石塊が10個ほど、勢いよく男の頭に降り注ぐ。
不意を突かれた剣の男は避けきれず、まともに石塊を頭に受ける。
うおっ。思ったよりも強烈。剣の男は恐らく頭蓋骨が陥没して、意識は朦朧としている様子だ。
そこにダメ押しで、レイスが黒球を男の土手っ腹に直撃させる。血を吐いて前のめりに倒れる男。
よし!後は斥候の男だ。
こちらの様子には気づいていない。見ると、バットやスパイダーも数体やられている。
うちの子の仇!!
意識を斥候の男の真上に移動させて…「ロックブラストー!」
勢いよく石塊が男の頭に襲いかかる。
瞬間、何かに気付いた男は避けようとしたが、避けきれず頭や肩に石塊を受ける。
その場に倒れ込む男。
まだ息はあったが、キャタピラーの溶解液シャワーとスパイダーの毒注入で、めでたく討伐!
ひぃー…危ない戦いだった。
だけど、まだ生きている、生きているぞー!!




