魔王、辞めたいので自分で転生魔法を発動した件
「勇者一行よく来た、我が城へ」
玉座から大柄で顔には髑髏のお面を被った男が手拍子をしながら、勇者一行を招く。
「魔王、イグラートよ、お前を葬る」
あーやめて、魔王辞めて、マジや・め・た・いです。疲れたし、歴代勇者弱いしさ。なんなこいつらは勇者の鍛錬受けたの、ただわしが強いのか。
「あ、魔王辞めたいらいいのでは、ナイスワシ」
「え」
勇者一行や魔物達は困惑を隠せない状況で魔王を凝視する。
「声出てたか。ま、いいか、勇者ここにワシの心臓ね。剣でぐっさと刺して。そしたら死ねるから」
右手でマントを掴みながら左手で心臓の箇所を刺す。
「魔王様何をい」
「疲れたんだよワシは、毎日毎日さ、魔王様、魔王様って、ワシは一人の魔族だ、ただの魔力が強いだけなんだよ、だからワシ魔王を辞めます」
一本の剣が魔王に目掛けて飛んでくる、魔王はそれを受け入れながらつぎつぎ剣が刺さる。
これはワシが独自で作った転生魔法、あ、これでワシ死ねる。魔王辞めれる。
「豊、起きて、豊」
あ、ワシ魔王辞めて日本って国の鮎喰豊に転生したんだった。
「どけい、またワシの部屋に潜り寄ってからに」
今年7歳になる女の子キタが豊の顔をべしべしと頬を本で叩く。
「やめーーーい、それは昨日買ったばかりの特装版じゃ」
キタは笑いながら特徴版を持って部屋をドタバタと出ていく。
「キタ、返せワシの特装版」
豊の声が部屋中に鳴り響く。
豊は笑顔で言い放つ
「魔王辞めてよかった」