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島内調査、第二の神殿

「離れるべき……?」


団長は、確認のため復唱する。

それに対して、男性は力強く「はい」と答えてみせた。


「今、近辺を探索している者共を集めれば五十人以上は集まるはずです。しかし、これ以上判断が遅れようものならば、近くにいたはずの者共も奥地へ行ってしまいます」


男性は更に続ける。


「五十人もいれば、島の探索は行なえます。好機は今しかないのです。十日も待っていては、結果を出すことへ焦りが生じ、様々な失敗を重ねることに繋がります」

「いや……しかしだな……」


団長は言葉を濁す。


「我々がココに来た目的は結果を残すことです! 大した結果も残せず、のうのうと帰っては男爵家としての名声に傷がつきますぞ!?」

「ぐっ……」


顔をしかめ、団長はしばらく考え込む。

そして、一つの結論を導き出した。


その結論とは――――…………。



――――翌日。二日目。


「やぁ、おはよう。リコ」

「お、おぅ……おはよう……」


昨日のこともあって、リコは普段より声を小さくして挨拶を返した。

リコは、気まずかった。だから、なんとなく謝ることにした。


「なぁ、昨日は……すまんな……」


リコは頭のうしろを掻きながら、申し訳無さそうに言葉を並べる。


「お前がああいう風に言われることを嫌がってるって知ってたはずなのに……」

「別にもう気にしていないよ。さ、早く神殿へ行こう。ここを離れる準備をしなくちゃ」


しかし、パオロはまるで何事もなかったかのように、出立の準備をするようにリコに促す。

それは、パオロが本当に許したのか、それともまだ怒っているのかは分からないが、二人を新たな地点へ旅立たせるには十分すぎる言葉であった。


「あぁ……!」


二人は、第二の神殿を目指して再び森を横断しようと試みた。


それから二日ほど。二人は第二の神殿に辿り着く。

道中、前のような魔獣と何度か接敵したが、それを二人は協力し合いながら撃破し着実と足を進めた。


その戦闘なかで、パオロはこの島にいる魔獣の、とある特徴を見い出すことができた。そのこともあって、戦闘はだいぶ楽なものへ変わっていた。


「やっと着いたのか……」

「予想していたものよりも随分と立派だね」


堅牢そうな石造りの建造物。

ところどころが欠けていたり崩れているが、それでもしっかりと、その場に構え佇んでいる。


第二の神殿。


草蔓に侵されたその建造物には、もちろんのこと誰もいない。当たり前のことではある。


「全くだな。今の建築技術とは違う部分も結構あるが、大まかな造りは同じはずだ。それなのに、何百年、下手したら何千年も前からこうしてここに建ち続けてる。凄いことだよな……」


じっくりと、神殿を観察しながらリコは感嘆の声を上げた。

一方パオロはというと、真っ直ぐ既に神殿へ足を進め、入り口の部分を探っている。リコはそれに気づき、パオロを追って駆け足をする。


「パオロ! 待ってくれ!」

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