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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様のお世話係始める。8


「キサ、心配させてごめんね」

「・・いえ、私も窓の鍵を開けっ放しだったのも悪いんです・・」


ちょっと目を擦りつつ、部屋へ戻ってベッドに座ると心配そうに見上げる銀色の子犬みたいな幻獣のシルヴィオ様。うん・・、とにかく無事で良かった。そっと頭を撫でて・・



「急に泣いちゃって、すみません。お花、嬉しいです!ありがとうございます」

「どういたしまして!」



お花を大事にテーブルに置くと・・、えへん!僕すごいでしょう!!と、言わんばかりの顔をする。・・こっちは心底心配したんだけど。そんな姿をみると、つい許してしまうなぁ・・。



「お花を飾ってきたら、着替えてきますので・・、そうしたら一緒に食堂へ行きましょうね」

「うん!一緒に行こうね!」



高い声が可愛いなぁ・・。

やっぱり子供の幻獣なんだなぁって思ってしまう。


「ふふ、今日シルヴィオ様が喋ったら、マルクさんもベルナさんも驚きますね」


私がそう言うと、シルヴィオ様は私を見て・・



「僕、「シルヴィオ様」じゃなくて、ヴィオか、シルヴィって呼んで欲しい!」

「え、ええ??愛称で??」


「だって、この間キサが読んでくれた童話は、愛称で呼んでた!」



ああ・・、ちょっと恋愛要素が入ってた童話か・・。

あれは読んでて、これ読み聞かせちゃっていいの?って、ドキドキしながら読んだんだよね・・。



「でも、シルヴィオ様はこの国にとって大事な存在だし」

「やだー!!どっちかで呼んで!!!」


「ヴィオ様・・ならいいですか?」

「様もいらない。だって、様なんてつけてなかった!」



それは恋人同士だからですよーー!!!

もう!!マルクさん、本の内容見ているの?!今度は、事前に読み聞かせする前にチェックしておかねば。っていうか、一気に喋りだしたら・・、こんな感じなのか。ちょっと面白い。


クスクス笑いながら・・



「じゃあ、二人の時はヴィオって呼びます。それ以外の時は、ヴィオ様って呼びます。それでどうですか?二人だけの秘密っぽくていいでしょう?」


「秘密?」

「そう!私とヴィオの秘密です」



これでどうだ・・?!

私は、じっとヴィオの目を見つめると、ヴィオの尻尾がパタパタと嬉しそうに揺れて・・



「秘密にする!そっちにする!!」

「良かったです。じゃあ、着替えてきますね、シルヴィ・・、ヴィオ」



慌てて言い直して、白いワンピースを着て戻ると・・、初日にお願いした通り、ヴィオは一歩引いたクローゼットの前で私を待っている。



「キサ!食堂へ行こう!マルクとベルナを驚かせるから、僕が喋るまで秘密だ!」

「はいはい、秘密にしましょうね」

「あと抱っこして」

「はいはい抱っこしましょうね」



喋れない時も可愛かったけど、喋り出すと、可愛さ倍増だな!!!

そっと両脇を持ち上げて、抱っこするとヴィオはうっとりした顔をして・・



「僕、ずっと抱っこして貰って嬉しかった。キサ大好き!」



そういって、嬉しそうに尻尾を揺らすヴィオに思わず胸がキュンとする。いや、キュンというより、ギュン!!とか、ギュウって感じかも・・。


「あ、ありがとうございます・・」


なんとか震える声でお礼を言うけど・・

言っていい??



うちの子が世界一可愛い〜〜〜〜!!!!

愛犬家とか、愛猫家とかのセリフをどこかで「本当に〜?」なんて思ってたけど、訂正します。本当です。うちの子が一番可愛いです!!!



あまりの可愛さに頬ずりすると、ちょっと驚いて固まっていたけど。



迎えに来てくれたベルナさんの顔を見て、ついにやけてしまって・・。

食堂へ着いて、ヴィオが話した時のマルクさんと、ベルナさんの衝撃を受けた顔たるや・・。イタズラが大成功したわたし達は、思わず顔を見合わせてニヤッと笑った。



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