幻獣様と異世界の乙女。12
甘いものでお腹を膨らませ・・、次は浜辺へと歩いて行く。
面白いものが落ちている・・とは言ってたけど、何かな?って、ずっと気になっていたんだよね・・。白い建物と、人の間を通り過ぎ・・海の音が近くなっている事に気付く。
ベルナさんが、建物の間を指差すと・・
青い海が目の前に見える!!
こっちの世界も海は青く・・そしてとても綺麗で、日本のよりもずっと鮮やかな色合いだ。肌色のような砂浜へ出ると・・ずっと遠くまで浜辺が続いている。
「すっごく大きい浜辺なんですね・・」
「はい、世界一広い浜辺と言われております」
ベルナさんに説明を受けて、納得・・。
こんなに広い浜辺、初めて見たもの・・。
ヴィオは、海を見てもうウズウズしたように私の手を引っ張る。
「ベルナ!ニケ!!足をつけてみても良い!?」
「シルヴィオ様〜〜、足だけですからね!」
「びしょびしょに濡れたら、すぐ帰るからな〜〜」
・・なんか完全に会話がお父さんとお母さんと、子供だな・・。
私がクスクス笑いながら、ヴィオと波打際まで行く。
と、キラッと光るものが落ちている。
シーグラスかな・・?
ヴィオに、光っているものを指差すと・・、ヴィオがさっと拾ってくれた。
1センチくらいの透明な丸い・・ちょっと歪なビー玉・・?
「・・透明なんだけど、中が薄く光ってる・・?」
「綺麗ですね・・」
二人でじっと見ていると、ニケさんが面白そうに笑って・・
「それ、星のカケラだぜ」
「「星!!??」」
私とヴィオの声が重なる。
ベルナさんも面白そうに笑って、私達に説明してくれた。
「この浜辺は、流れ星が落ちるとよく浜辺に打ち上がるんです。だから夜になるとキラキラ光って綺麗なんですよ」
「えええ〜〜〜!!面白いものって、もしかしてこれですか!?面白いっていうか・・綺麗じゃないですか〜!!」
私がニケさんとベルナさんに言うと、
可笑しそうに笑う。
「やはり・・異世界には無いものなんですね」
「無いです!!あってもガラスのカケラとか、貝とか・・ええ〜〜、ほ、星って素敵すぎる〜〜!!!」
感動して、ヴィオが持っている星のカケラをもう一度見た。
ヴィオはそんな私を見て、ちょっと嬉しそうに笑っている。
「キサ、楽しい?」
「すっごく楽しいです!!これ、拾ってもいいのかな?神殿に持って帰って飾りたい・・」
「大丈夫ですよ、キサ様。いくらでもどうぞ」
ベルナさんの言葉に私の目が光る。
「拾いましょう!!ヴィオ!!」
「うん、沢山拾って飾ろうね」
張り切る幻獣様と異世界の乙女・・。
それを見越していたのか、ニケさんが笑いながら袋をくれた。
「四人で拾えばあっという間だろ。一杯になったら、またちょっと散歩して・・昼飯食って帰ろうぜ」
「「外でご飯!!??」」
私とヴィオはそこにも食いついた。
ベルナさんがにっこり笑って・・
「守り月でなくても、成人なさいましたし・・、あらかじめ仰って頂ければ、この街限定ですし、私共も一緒ですが、外へ出て外食もできますよ」
な、なんだって〜〜〜!!!?
私とヴィオの顔が輝いて・・、外食!お出かけ!!と二人でハイタッチしてしまう。ヴィオはベルナさんとニケさんを見て、
「何度でも一緒に出かけられるのは嬉しい!!また近く行こう!!」
と、話すので・・二人は嬉しそうに微笑んだ。
うん、二人きりもいいけど、一緒のお出かけもきっと楽しいもんね!
そうして、四人でせっせと星のカケラを探す。
よく見ると、薄いピンク色だったり、黄色だったり、白かったり・・、でもどれも中心が淡く光っていて・・すごく綺麗だ。街の壁にもこれが埋まっているらしく、夜になると街灯がわりに淡く光っているらしい。
よ、夜の風景も見たいなぁ・・。
流石に警護の面で夜のお出かけは無理だそうだけど・・、きっと綺麗なんだろうなぁ。




