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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様と異世界の乙女。8


何日かして・・、スメラタさんが遊びにやってきた。

今回は事前に連絡してくれたので、マルクさんの顔が穏やかだ・・・。良かった。

マルクさん、ベルナさん、ニケさんと私達も安心だ。



応接室に来てもらって・・前回のプレゼントのお礼を言いつつ、お茶を飲む。

スメラタさんは、私たちをゆっくり見て・・静かに微笑んで、



「・・二人とも良い顔をしていて、嬉しい」



と、言うので・・ヴィオも私も照れてしまう。・・一緒にいられるのは、スメラタさんのおかげなので感謝しきりです!!


スメラタさんは、一冊の本を空中から出して、

手で持つと・・、それをゆっくり皆のテーブルの前に置いた。表紙は皮でできているのか・・、飴色なんだけど・・所々変色していて、かなり古い本のようだ。



「異世界の乙女に関する古文書を持ってきた。いくらか魔法で側は直したが・・、他の国の古文書とも内容に相違がないかを確認して・・、これが一番確実かと思ってな」



私達は目を見開いて、その本をじっと見る。

マルクさんやベルナさんも、神殿中の古文書をひっくり返して調べてみたけど、どれもやはり書き加えられていたり、正確性が確かでなかったらしい。


スメラタさんは、ページをめくりつつ・・



「幻獣の我々でさえ知らない事がまだ多そうだ・・。ロズとダズの呪いの真実は、どこの国も歪められていた。これだけが唯一、トーラの異世界の乙女を呪いで「悪の心」を植え付けたと書かれていた。封印の解き方と・・、あとは、封印を解かれると同じ時を過ごせる事・・それによって、年齢を変えたり、お互いの危険を察知できるそうだ」



お互いの危険を察知できる!

それはすごいぞ!ああ・・、でも何度かロズとかダズの人が襲いかかろうとしてきた時、確かにヴィオや私はゾクゾクしたりしたけど・・、あれの事かな?でも、便利だし・・良かった!


マルクさんは、ごくっと喉を鳴らして・・スメラタさんをじっと見据える。



「・・もしや、ロズやダズがそれを悟られないように・・各国の神殿に入った可能性は・・?」

「あり得るな。しかも何百年もかけてやったんだろう」



な、なんだって??

自分達のせいで、「異世界の乙女」も「幻獣」も神様から没収されたのに・・、全然反省してない・・。それどころか、他の国にまで迷惑をかけているじゃないか・・。


私は呆気に取られた顔をしていると、テーブルの下でヴィオが私の手をそっと握ってくれた。ちょっと照れるけど・・、その気遣いが今は有難かった・・。


ヴィオは真っ直ぐにスメラタさんを見て、



「でも、その首謀者はもう亡くなったんですよね?」

「ああ、神も今まで贖罪を待っていたようだが・・、幻獣に呪いを掛けたんだ・・。しかも、神殿への冒涜行為もある」


「じゃあ・・、もう危険はないと?」



ヴィオがそう言うと、スメラタさんが首を振る。



「・・先ほど、ロズとダズの国を見てきたが・・、相当な呪いを掛けてきた代償に国が穢れている。我々で、守り月の間・・その穢れが他の国に広まる事がないように少しずつ浄化していく必要がある」


「・・自分達のせいなのに?」

「・・・国に住まう者は、場所は選べないだろう?」



ヴィオはちょっと納得いかない顔をしているけど、それでもやらなければいけない仕事のようだ・・。私はぎゅっとヴィオの手を握る。気持ちは分かる・・。


スメラタさんは、ちょっと眉を下げて笑い・・



「・・まぁ、守り月になったら浄化の仕方はこちらでも教える。複雑だろうが、これも幻獣の仕事だ・・」


「はい・・」

「ところで、どうだ?キサとの新・・「「「「「そういえば、楽器ありがとうございます!!」」」」」



急にヴィオが慌てたようにスメラタさんに話すので、私がびっくりした顔をしていると、スメラタさんも驚いた顔をしているし・・、ニケさんとベルナさんはぶっと吹き出すし、マルクさんは穏やかに微笑んでいる。・・・何??なにがあったの??最近、ヴィオ大丈夫だろうか?す、ストレス??



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