幻獣様と異世界の乙女。5
スメラタさんに年齢を操作できた事を連絡をすると・・、
どうやらスメラタさんの方でも、古文書でちょうど見つけたらしく・・どうやって年齢を変化させたかを聞く手紙がきたので、急いで書いて早速送った。
「それにしても・・本当にまだまだ謎が多いんですね・・」
「そうだね・・」
夜になって、ベッドに寝転ぶ私とヴィオ。
ただし、ヴィオは不満げである。
・・なぜかと言いますと、えっと、ちょっとだけ小さくなって貰いまして・・、いま現在私と同じ身長です。
「・・キサ、夜も見慣れてって言ったよね?」
「あ、なんか・・ちょっと今日はものすごく眠たいなぁ・・」
布団を思い切り被って、ちょっと横を向くと、そのまま後ろから抱きしめられる。わ、わぁああ!!!遠慮がない!!
「ヴィ、ヴィオ近いです!!!」
「もう!今までくっ付いて寝てたでしょ!!それに今、小さいんだよ!?」
「そ、そうですけど・・」
赤い顔でちょっと布団から顔を出してヴィオを見ると・・
ヴィオも赤い顔をする。
「・・キサ・・、大好き」
「・・う、うぅ・・」
「キサは?」
「す、好きですよ・・」
「結婚・・したいくらい?」
結婚???
なんで突然??
目を丸くして、ヴィオを見ると、じっと私の答えを待っている。
こ、これは答えないとダメな感じ・・かな?
でも、結婚って・・。
一緒にいたいとは言ったけど、もうそんな風にヴィオは決めちゃっていいのな?だって・・体の大きさは大人だけど、心はまだ一年しか経ってないよね?
私がちょっと考えていると、ヴィオの耳がペタッと下がる。
ぐぅ!!か、可愛い・・!
「・・やっぱり、嫌・・・?」
「い、いえ・・、でも、ヴィオは、そんな早くに決めちゃっていいんですか?」
「いいの!!キサが・・キサじゃないと嫌なの!!」
「そ、そうですか・・」
ストレート!!
本当にストレートである!!
顔を赤くして、ヴィオを見ると・・ヴィオも赤い顔でこちらを見て・・私の頬を撫でる。
「ね、結婚したい・・?」
う、うわぁああああ!!!
小さくて良かった。大人だったら、即「うん」って言っちゃうところだった。
「ま、まだ・・その、付き合って間もないから・・わ、分からないというか・・」
「・・・うん」
「で、でもヴィオは大好きというか・・」
「・・うん」
「も、もうちょっとお付き合いしてからじゃ、ダメですか・・?」
「ダメ」
えええ〜〜!?
そ、そうなの??すかさずダメって言われて、焦ってしまうんですが・・。
「じゃ、じゃあ・・あの、半年後とか、三ヶ月後とかはどうですか?それなら・・私も心構えができるというか・・」
「じゃあ三ヶ月!!それ以上は待てないし、決定だから!」
畳み掛けるように言うヴィオに、思わず目を丸くする。
「え、ええ・・?!」
「もう!なんでキサはすぐそうやって逃げようとするの!?」
「に、逃げてないですよ!!」
「じゃあ、大人の僕と一緒にいて!!」
そ、それを言われると・・
何も言えなくなってしまう自分・・。
「・・小さいヴィオも素敵ですけど、大人のヴィオは、か、格好良すぎて・・、恥ずかしくなっちゃうんですよ・・」
赤い顔で、ヴィオに訴えると・・、
ヴィオも赤い顔になるんだけど、何故でしょうか。
スメラタさんも、レオルさんも、アイムさんも、ターシェさんも・・皆、幻獣さん達は格好よかったり、綺麗だったりするんだけど、こんなにドキドキするのはやっぱり好きだから・・だと思う。心臓にものすごく悪いけど。
ヴィオは、私をギュウッと抱きしめて・・
「キサ、お願いだから・・加減して」
って言うんだけど、それは私のセリフです!!
こんなに毎回ストレートに好きって言われて・・、心臓がもたないんですよ?!!三ヶ月後・・なんてうっかり約束してしまったけど、け、結婚とか・・ますます無理なんじゃないかと思ってしまう私だった・・。




