表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
78/186

幻獣様と異世界の乙女。1


翌朝、ヴィオは朝早く起きる。

私も一緒に起きようとすると、小さく笑って・・


「奥の間は、僕しか行けないし・・まだ早いから寝てて。体治ったばかりだし」

「え、でも・・」

「・・そばにいられない間は、部屋にいてくれると安心するし・・」


どれだけ心配なんですか。

横になったまま、ヴィオを見上げて・・


「大丈夫ですよ?」


って、言ったけど・・決意は固いらしい。

私の額にキスをすると、私に毛布を掛けて白いローブに身を包んで颯爽と部屋を出ていった・・。



じゃあ、まぁ・・いっか?

しっかり二度寝をして、お祈りが終わったヴィオに起こされた・・。


私は変わらず白いワンピースを着て、一緒に朝食を食べに食堂へ行く。ニケさんと、ベルナさんも今日は一緒だ!


「ニケさん、ベルナさん、おはようございます!」

「おはようございます。先日は本当におめでとうございます!」


ベルナさんが満面の笑みでお祝いしてくれるけど・・


おめでとうって、封印を解かれた事だよね?

とりあえず笑って頷くと、ニケさんが私をまじまじと見て・・



「なんか変わらないな・・」

「え?封印を解かれると、何か変わるんですか?」


「それはわからねぇけど、だってけっ・・「「「ニケ」」」



隣に立っているヴィオがじっとニケさんを見る。

・・ん?

何かあったの???

私と、ベルナさんでニケさんと、ヴィオを交互に見ると・・、ニケさんがニヤッと笑う。



「・・もしかして、まだ言ってねぇの?」

「うるさい、黙れ」

「え〜〜、なんだそれ!面白すぎだろ!!」



ニヤニヤ笑うニケさんから、私を守るかのようにヒョイっと私を抱き上げて、食堂の椅子に座らせるヴィオ・・。何??何かあったの??ヴィオを見上げると、ちょっと顔を赤くして・・


「ニケの言う事は、全部無視して」

「・・仮にも剣の先生ですよ・・」


あまりな言いように、そう言うと・・ニケさんが「そうだそうだ〜!」と言うので、横にいたベルナさんに静かに叩かれていた。・・・相変わらずのコンビだな。



朝食後は、神殿に参拝に来る人へ祝福をする為に衣装を整えるヴィオ。

お祝いの時に付けていた、銀の鈴を手首につけ、

白いベールを頭の後ろにふんわりと掛ける。



「・・綺麗だね・・」



準備を終えたヴィオをまじまじと見て、そう呟くと・・


「キサのがずっと綺麗だよ」


ヴィオはニコッと微笑む。

うん・・、君は今日も可愛いなぁ。



神官さんと、ちょっとまだニヤついているニケさんが先導に立ち、その後ろから私とベルナさんが礼拝堂へ付いていく。なんでも、初めての参拝客への祝福は、レア中のレアらしく・・、満員御礼状態らしい。


その分、前回の事もあったんで・・警備がものすごい。

ズラッとニケさんと似た服を着ている人が、神殿の礼拝堂の中まで並んでいる。騎士さん・・なのかな?



礼拝堂の壇上の上には、マルクさんが立っていて・・

私とベルナさんは、壇上の斜め後ろに立ち、ヴィオが入り口から入ってくる姿を見る。


ヴィオの名前が呼ばれると、シンと静まり返った礼拝堂に、光がこぼれ落ちて・・、ヴィオの被ったベールが淡く光り、歩く度に鈴の音がシャラシャラと鳴る。



「幻獣シルヴィオ様による祝福を受ける幸いを・・」



そう言うと、シルヴィオの手から淡い光が出てくると、礼拝堂いっぱいに光が包まれて・・、雨のように体に光が染み込んでいく!?わぁ・・と歓声が上がって、私は周囲の人の嬉しそうな顔を見て、それからヴィオを見て・・



柔らかく皆を微笑んで見ているヴィオに、誇らしくなる。



あんなに立派になって・・。ああ、もう完全に親モードだな。

でも、大人になったヴィオの横顔を見ると・・、やっぱりなんというかドキドキしてしまう・・。この複雑な感情・・いつ穏やかになるのかなぁ・・。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ