表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
7/186

幻獣様のお世話係始める。6


朝食後、早速中庭を散歩したいと話すと、ベルナさんがついてきてくれる事になった。助かります・・。まだ、この神殿の中、広い上に一人で歩いたら多分迷うし・・。



中庭に連れていって貰うと、昨日も思ったけど・・結構広い!

広い芝生の真ん中に大きな噴水があって、庭を囲うように色々な花が植えてあってとても綺麗だ。


シルヴィオ様を抱えていたけど、ここなら一緒に歩くのもいいかも。


「下ろすから、一緒に歩いてみようか?」


私がそういうと、コクっと頷くのでそっと下ろす。

そういえば散歩って初めてなのかな?後ろで微笑みながら立っているベルナさんを見て・・、



「ベルナさん、シルヴィオ様って散歩初めてなんですか?」

「そうですね・・、今までは生命を維持するので手一杯で・・、今日が初めてです!ですので、このような感動の場面に立ち会う事ができて、とても嬉しいです!」



そうなのか・・、結構苦労してたんだな。

私は見上げるシルヴィオ様の頭を撫でて・・、


「これからは一緒に散歩したり、遊んだりしましょうね」


そういうと、嬉しそうにまた手に頭を擦り付けてくる。

分かった・・、分かったから・・。



「あっちのお花見てきましょうか?お部屋から見えて、綺麗だなぁって思ったんだけど・・」



そう言いながら歩いていくと、ちょこちょこ歩いてついてくる。

可愛い〜〜〜!!!

ベルナさんと私の顔がデレデレである。


お花の匂いを不思議そうに嗅いで・・、

ハッとしたような顔をして、こちらを見る。



「いい匂いがしましたか?色も確かに綺麗ですね〜」



白い小花なんだけど、真ん中が淡いピンク色で匂いも甘くて・・。私の世界にもこんな花あったなぁ・・なんて思い出した。


「蜜が飲める花なんていうのも、私の世界にはあったんですよ〜」


シルヴィオ様は目をパチクリさせて私を見る。

そんな事するの?!と、言わんばかりの眼差しに思わず笑っちゃう。



「蜜を吸うなんて・・、なかなか良い経験しておられますね」

「田舎に住んでたから、結構お転婆だったんです」


「そうなんですか〜。なんだか落ち着いてらっしゃるので、意外です」



落ち着いてる??

そんなの初めて言われたような気がする・・。

よくボ〜ッとしているなら、言われるけど・・、と、シルヴィオ様を見ると、花を口でそっと咥えて持ってきてくれる。しゃがんでその花を見ようとすると、私の膝の上にそっと置く。



「え?蜜を吸えって事?これ、あるの???」



私が不思議そうに聞くと、頭を横に振るので・・ベルナさんがクスクスと笑って、



「キサ様に、あげたかったのでは?」

「あ、そ、そういう事?ありがとう〜〜!!!」



わしゃわしゃと頭を撫でると、得意げな顔をするので胸がキュンとする。幻獣ってこんなに可愛いの!?これは、堪らないわ・・。



「一年後にはお別れしちゃうのかと思うと、寂しいですね・・」

「ふふ、そう思って頂けて嬉しいです」



嬉しそうに笑うベルナさんと会話をしていると、

シルヴィオ様がじっと私を見る。何かな?


「どうしたんですか?シルヴィオ様???」


しゃがんでいた私の足元に頭をグリグリと擦り付ける。疲れちゃったから、抱っこして欲しいのかな?そっと持ち上げて、銀色の毛並みをそっと撫でる。



「・・初めて外に出たから、疲れちゃいましたか?」



腕の中で、静かにコクっと頷く。

そっか、じゃあ抱っこしたままお庭をぐるっと回って、色々見せてあげよう。


「じゃあ、一緒にお花を見てから部屋に戻りますか」


そういうと、ぺろっと顎を舐められた。

ベルナさんは小さく笑いつつ、一緒に回って・・、お花や薬草も植えられているのか色々教えてくれた。



「薬草もあるんですね・・」

「そうですね。神殿は病を治す場でもありますから」

「ああ、病院みたいな・・?」

「そういった病ではなく、主に除霊ですね」


「除霊・・・」



いきなりのホラーな単語に思わずシルヴィオ様をぎゅっと抱いた・・。

ホラーは一番苦手なんです・・。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ