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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様のお世話係、解任される。7


レオルさんの所へ行って以来・・、スメラタさんにご飯やお菓子を作らせてもらって、一緒に食べたり、レオルさんとお茶会をする事が増えた。


ヴィオにも何か送りたかったけど・・

手紙を届けてもらうだけに留めておいた・・。あまりに色々甘えてるし・・、これ以上は悪いかなって思って。



一度だけ・・ヴィオから手紙が来た。



この間は、少しだけど・・会えて嬉しかった。

今度は笑って欲しい・・そう書いてあって、次はいつ会えるか分からないけれど・・、成人のお祝いには絶対泣かないように、笑えるように、練習しておかないとだなぁ・・って思った。



なんだか綺麗に書かれている文字を見て・・

最初の辿々しい文字から、こんなに綺麗な文字を書けるようになったんだなぁって、親心の部分が感動してしまった。




スメラタさんの神殿で、台所を借りて・・

今日は作ったお菓子を、レオルさんと一緒にお茶会で食べる日だ。


「キサ様ー!!今日はレオル様の所へ行くんですよね?」


ニコニコ笑って、ルル君が見上げてくる。


「はい、ルル君が連れて行ってくれるんだよね?」

「任せてください!!魔法でヒューン!です!!」


・・小さいけど、120歳で魔法も使えるなんて、すごいよなぁ・・。



「じゃあ、支度ができたので・・お願いしてもいいかな?」

「はーい!!それでは一緒に行きましょう!!」



私の手を小さなルル君の手がさっと繋ぐと、パチンと音がして・・一気に目の前が眩しくなる。思わず目を瞑って、その後、そっと目を開けると・・レオルさんのお仕事をする部屋の扉の前だ。


毎回思うけど・・、本当に不思議!



「ルル君・・、本当にすごいねぇ・・」

「毎回、キサ様そうおっしゃいますね・・」

「だって、魔法って不思議で・・」



そんな話をしていると、レオルさんが笑いながら扉を開けてくれて・・



「いらっしゃい。立ち話もなんだし・・、中へどうぞ」



と、招いてくれた・・。

毎回、こんな感じですみません・・。


落ち着いた部屋の中へ入ると、すでにお茶の準備がされていて・・

レオルさんの嬉しい気持ちが伝わってくる。



「今日は、この間お借りした本のプリンを作ってみたんですが・・」

「おお!!プリンか!!なかなか作る機会のないものだ!!」



ワクワクした顔のレオルさんを見ると、知らず笑いがこぼれてしまう・・。本当にお菓子が好きなんだなぁ〜。


籠から、ガラスに入れて冷やしておいたプリンを出すと、

ルル君と一緒に目を輝かせる。



「カラメルが結構うまくできたんですよ!」

「ああ、あれは焦がすタイミングが難しいな・・」


「「「へ〜、そうなんだぁ。僕も食べたーい」」」



高い声が聞こえて、扉の方を振り向くと・・

長い白い髪が緩くウェーブしていて、毛先が薄い水色をした、可愛らしい顔立ちの女の子・・が立っていた。



「え・・っと?」

「あ、ごめーん!初めまして。僕トーラ国の一角獣のターシェって言うんだ〜」



え?!!!

一角獣!!?って、新たな幻獣様!?


私が目を丸くして、ターシェさんを見ていると・・レオルさんが大きくため息をついて・・



「・・お前、まだ守り月じゃないだろうに・・」


「え〜、そんなのアイムにも言ってよ!あいつだってしょっちゅう遊び歩いてるじゃーん!!」



・・こ、これはアイムさんと似た感じだな??

ルル君を見ると、「その通りです」とばかりに頷いた・・。


ターシェさんはレオルさんのお小言を気にする訳でもなく、さっさと私の隣のソファーに座ると、自分でカップにお茶を注いで、私の作ったプリンをじっと見る。



「甘いの普段は食べないけど、異世界の乙女のプリン食べてみたい!!」



カラッと笑って言うので、そっとプリンを差し出すと、

お礼を言って早速食べ始める。



・・・なるほど、アイムさんに続いてものすごくマイペースな感じなんだな・・。そう思っていると、目の前に座っているレオルさんの眉間にシワが深く入っている事に気付いた。なるほど、大変なんだな・・。



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