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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様のお世話係、解任される。2


なんだかんだで、スメラタさんの神殿はなかなか居心地が良くて・・。


ただ、ヴィオの時と違って何もすることがない!

・・最初の一週間は、色々あり過ぎてなんだか何もできなかったけど・・、少しずつルル君に何かする事はない?と、聞いては、仕事のお手伝いをするようになった。


ルル君は、そんな私を見て・・


「ゆっくりすればいいのに、勿体無いですね」


そう笑うけど・・、何かしてないと、ヴィオのことばかり考えてしまうから・・。小さく笑って頷くけど・・、今は何も考えたくない。



中庭の植物の水やりを頼まれて、今日は水をあげに行く。

もう「異世界の乙女」ではなく、ただの人間だから・・誰かに警護される必要がない分、気は楽だ。植物に水をあげていると、不意に視線を感じて・・、周囲を見回すけど誰もいない・・。



あの花の辺りから、「キサ!」ってヴィオが顔を出しそう・・。

そんな事を思って、泣きそうになってしまう。



・・ダメだ。

前を向いて、一人で生きていかないと・・。

そう思うのに、知らずため息が出てしまう。



あれから何度か手紙は出したけど、何も返信がなくて・・。案外、ヴィオの方がスッパリ諦めたのかな・・?そう思うと、これ以上手紙を出さない方がいいのかもしれない・・。そう考えてしまって、手紙の便箋は真っ白なままだ。


物思いに耽っていると・・



「お!!キサ〜!!元気か!?」



この元気な声は・・。

振り返ると、アイムさんが植物の間から元気に顔を出す。



「アイムさん!!お久しぶりです。お元気でした?」

「お〜!!俺はめっちゃ元気だぜ!なんか色々大変だったみたいだな!!」



相変わらずカラッとしていて、何だか力が抜ける・・。

私が小さく笑うと、アイムさんは私をじっと見て、


「結構元気そうで、安心した!シルヴィオは、ここの所・・寝込んでたからな!!」


寝込む!?

ヴィオが??!私は目を丸くして・・


「ヴィオ・・、体調が悪いんですか!?」


アイムさんに詰め寄るに聞くと、アイムさんはヘラっと笑って・・



「あ〜、悪い。これ言うなって言われてたんだった・・。まぁいっか!あいつ、急激に成長したから、スメラタの魔力で抑えてあるけど、体がやっぱ慣れないらしくて、あちこち痛くて寝込んでたんだよ。もうそろそろ起き上がれそうってニケが言ってた」


「そ、そうだったんですか・・それで・・」



手紙が来なかったのは・・、寝込んでいたせい・・なのかな。

じゃあ、また出したら返信してくれるだろうか。

・・いや、この際・・もう出さない方がいいのか?



ヴィオの事をもっと聞きたいのに、聞いたら会いたくなってしまいそうで・・、アイムさんの顔を見て・・迷っていると、



「ヴィオ、なんとか生きてるみたいだから大丈夫だぞ」


「・・何とか・・」



気楽な感じで話すアイムさんに、小さく笑う。


「・・元気なら、良かったです・・」


ポツリと足元を見て、そう話す・・。

生きてるなら、いいのかな。元気でいてくれるなら、それが一番だし。



「あのさ!会いに行ってみるか!?」


「「「えっ!!??」」」



突然のアイムさんの提案にギョッとする。

だ、だって、会いに行ったら・・私の命がまずい事になってしまうし、それはヴィオは多分・・望まない事だし・・。



慌てていると、アイムさんは私の体を魔法で淡い光で包んだかと思うと、私の体は急激に縮んで・・あっという間に、小人のように小さくなってしまった!!



「えええ???!!」

「うん、いい感じだな!これを・・魔力で包んで・・よし!!出来た!!」



丸い球体の中・・

カプセルに包まれたような状態になってしまって、慌ててスメラタさんに声を掛けてから・・と話そうとしたのに、



「よーし!!んじゃ、シルヴィオの所へいっくぞ〜〜!!!!」



ルンルンと鼻歌を歌わんばかりに、アイムさんは私を持ち上げて魔法で移動をするのだけど・・、ちょ、ちょっと待ってくれ〜〜!!!???



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