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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様のお世話係始める。5


ベルナさんに連れられて、昨日夕食を食べた部屋へ行くと、マルクさんが座って待っていた。


「おはようございます。昨日はよく眠れましたかな?」

「はい、お陰様で‥」


マルクさんは、私の腕の中のシルヴィオ様をじっと見て‥


「良かった‥、シルヴィオ様も元気なご様子だ」


私がここに来るまで元気がなかったの?

今さっき、ベルナさんに唸っておりましたが?



「私が来るまでシルヴィオ様ってどうしていたんですか?」


「ベルナさんや、他の魔法使いの魔力を流しておりました。しかし、付け焼き刃で‥本当に命が危険な状態だったんです」



そんなに大変だったの?私が、籠の中を見た時は結構元気そうに寝てたのに‥。

だから昨日ご飯を食べているのをあんなに驚いて感激していたのか‥。抱っこしながら、シルヴィオ様の頭を撫でると嬉しそうに尻尾を振っているけれど、親の心子知らずっていう感じかな?


「元気になったなら良かったです‥」


そういって、シルヴィオ様に笑いかけると、目を細めて私を見て‥

また顎をぺろっと舐める。

うん、分かった、分かったから。



そんな光景を、マルクさんは嬉しそうに見てから・食事を勧めてくれたので早速頂いた。今日も美味しい〜!!!



食べつつ、マルクさんが以前こちらへきた異世界の人の手記を調べてくれたらしく、やっていた事、幻獣が喜んでいた事を教えてくれた。



お散歩や、読書、お茶をする、遠出、スキンシップ‥などなど。



ヘぇ〜、結構色々やってたんだな。

しかし、読書??お茶???


子犬のようなシルヴィオ様を見て、散歩とか、遠出とか、スキンシップなら分かるけど‥。あ、でも、言葉の意味は理解しているから、本を読んであげたら喜ぶかなぁ‥。



「ええと、散歩とかいってもいいんですか?」

「ようやく元気になられた状態ですし、まだ守られるお立場ですから、もし出るとしても守られているこの神殿の中庭に留めて頂けると‥」


「あ、そうですね。怪我しても危ないですし。あと、もし簡単な絵本とか童話があれば貸して貰えますか?」

「分かりました!お昼までに用意しておきます」



シルヴィオ様は、「何?なに??」とばかりに私を見上げる。

散歩に行って、絵本も読むってお話ですよ〜。

ふふっと笑うと、シルヴィオ様は朝ご飯を食べ終わったのか、私をじっと見上げる。



「ちゃんと噛んで食べました?ご飯はよく噛んで食べるんですよ?」



そう言いつつ、そろそろ膝に乗りたいかな?と思って、そっとシルヴィオ様の両脇に手を入れて膝の上に座らせると、満足そう尻尾を振った。結構な甘えん坊だねぇ君は‥。ちょっと笑って頭を撫でると、嬉しそうに緑の瞳が輝いた。



幻獣って、どんな風になるかわからないけれど‥

こんなに可愛いんだったら、一年と言わず‥もう少し一緒にいたくなってしまうな。



ベルナさんは今後は神殿で、シルヴィオ様を守護する為に住み込むらしい。

はぁ〜〜大変なんだな。

なんでも、大人になるまでは一番気をつけなくてはいけない時期らしく、魔物や刺客に殺されたりすることもあったらしい。そんな事をする人がいるの??



思わずぎゅっとシルヴィオ様を抱きしめる。

他の国だって、幻獣に守られているのに‥、そんなことをする人がいるなんて‥。

魔物からも守らないといけないらしいし、私のへなちょこパンチでは勝てそうにないなぁ。不思議そうな顔をして私を見上げるシルヴィオ様を見て‥、



「頑張って、シルヴィオ様を守るからね!!」

「いえ、キサ様は健やかに過ごされて下さい、守護の方は私達が致しますから‥」



ベルナさんに、慌てて止められてしまった‥。

そうなの?でも、私も何かあった時には守りたいしなぁ。



「えーと、とりあえず頑張るね?シルヴィオ様‥」



そういうと、ぺろっと顎を舐められた。

うん、気合いは伝わったと思うので‥良かったことにしよう。





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