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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様のお世話係は奔走する。15


スメラタさんが、私を探してくれて・・無事、本の世界から戻ってくると・・



正座して座っているアイムさんと、

落ち込みまくっているヴィオがいて・・

それをフォローしているベルナさんが私を見て安心した顔になる。



現実の世界で一体何があったの!!?思わずスメラタさんを振り返ると・・、


「まぁ、さっき言った通り・・アイムにはよく話しておいた。シルヴィオは、自分が手を離してしまったが為に、キサを見失ってしまった・・と落ち込んでいた・・はずだ」


後者のヴィオの理由はハッキリとは分からないのね・・。

私はヴィオのそばへ行き、



「ヴィオ、心配かけちゃってすみません・・」

「キサ・・」

「スメラタさんに助けて貰いましたし、もう大丈夫ですよ?」



ニコッと笑うと、ヴィオはギュッと正面から私を抱きしめて・・ホッと息を吐く。



「・・ごめん・・、本当に良かった」

「何もヴィオがそんなに謝らなくても・・」



どちらかというと、主な原因はアイムさんだと思うし・・。

そう思って、ヴィオの後ろで小さく正座しているアイムさんを見ると、「悪りぃ!」って言ってウィンクしてる・・。うん、反省してないな?


ヴィオは私の首元に顔をすり寄せるけど、ヴィオの耳がくすぐったい。



「・・ふふ・・、耳がくすぐったい」

「・・〜〜もう!キサ!!」

「いや、だって・・本当にくすぐったい〜!!」



ヴィオは顔を上げると、ちょっと頬を染めてブスッとしてる。

え〜・・?なんで??

スメラタさんの笑う声が聞こえて、ハッと気付く。ひ、人前ではないか!!あんまりにもヴィオが落ち込んでいるから、すっかり頭から抜け落ちていた!!


慌ててヴィオから離れると、不満そうに私を見てから、スメラタさんを見る。


「今回は助かりました。ありがとうございます」

「何、もう一人の手の掛かる弟が悪かったな・・」


クスクスと笑いつつ、アイムさんを見ると・・アイムさんは、さっと立ち上がって、



「え〜〜??俺、弟なの??嫌だよ、スメラタが兄とか!!怖いし!!」

「・・・よほど、まだ私に怒られたいようだな?」


「あ、嘘。お兄ちゃんごめんなさい」



アッサリと負けを認める辺り・・

うん、スメラタさんが一番上のお兄ちゃんで間違いないだろう。



「・・それで、アイムは一体なぜ突然ここへまた来たんだ?」

「遊びに来たんだよ〜。あと、これ・・」



アイムさんはシャツのポケットに手を入れて、小さな白い四角い箱を取り出すと、ヴィオに渡した。



「・・これは?」


「この間、俺達二人来て・・年がチグハグになったんだろ?またそうなるとも限らないから、魔力を込めた飴を作った。それ舐めておけば、年が急に変わる事がないから・・」



へぇええ!!そんな事できるんだ!!

ヴィオを心配して、飴を作るなんてすごいなぁ!スメラタさんは、その飴を見て・・


「・・たまにはマトモな事をするんだな」


って、感心したように話すので、アイムさんはムッとした顔をして・・



「怖いお兄ちゃんより、優しい兄ちゃんがいいだろ?」



そういうと、ニヤッとヴィオに笑いかけるので・・

ヴィオはちょっと照れたように笑って、小さくお礼を言う。と、「は〜〜!!ほら、弟可愛い!!」とスメラタさんに話すので、そこは同意・・とばかりにスメラタさんが頷いた。



「スメラタが来なけりゃ遊んだんだけど、今日は魔力過多になっちまうから、とりあえず帰るけど・・。飴、念の為舐めておけよ〜」


「・・シルヴィオ、何か飴を舐めて異変が起きたらすぐ呼べ」

「起きねぇって!!!」



・・まるで漫才のように、弟大好き!!なスメラタさんと、アイムさんは口喧嘩しながら帰っていった・・。うん、今回も嵐のようであった。


手に持っていた飴をちらっと見たヴィオは、意を決して飴を舐める。



「・・今まで食べた物で、一番まずい・・」



ものすごい塩っぱい顔をして、飴を舐めるものだから・・。一緒にいた私とベルナさんは思わず笑ってしまった・・。兄からの愛、すごいね・・。




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