表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
45/186

幻獣様のお世話係は奔走する。6


そろそろ帰ろうとスメラタさんがアイムさんに言うと、当然のように嫌がった。

すると、素早くスメラタさんがアイムさんの首根っこを掴む。眉間にしわを寄せ、スメラタさんは私達を見て・・



「今後、他の幻獣が来た時にはすぐ連絡をするように」



と、いうので・・私とヴィオは大きく頷いた。

・・見てなかったけど、多分マルクさんも頷いていたと思う。



「なんだよ〜、もうちょっと可愛がりたかったのに〜・・。まぁ、また来ればいいか!!シルヴィオ、またな!弁当うまかった!!」


「・・は、はい・・」



ヴィオも圧倒される勢いのあるアイムさんであった・・。

そうして、スメラタさんは魔法なのか・・一瞬でアイムさんを連れて消えてしまって・・。




私とマルクさんは見送った途端に、同時に倒れこんだ・・・。

分かるよ・・マルクさん。今ならその気持ちわかります・・。

もう・・幻獣様のこの気ままな動きよう・・、翻弄されるわ・・。私達ただの人間だしね。ヴィオは慌てて私の体を起こして・・、



「キサ、大丈夫!?」

「・・私は大丈夫だから、マルクさんをものすごく労ってあげて・・」



心配そうにヴィオは私を見るけど・・、ご高齢の方をまず大事にしてあげてくれ・・。ベルナさんがすでにマルクさんを起こしてたけど・・、いや本当にこの短時間で疲れた。



お弁当をあらかた食べ終えたので、ひとまずヴィオとベルナさんとで一緒に片付けに行く。マルクさんは、医務室にニケさんが連れていってくれた・・。うん、しっかり休んで欲しい。



部屋へ疲労困憊でヴィオと戻ると・・

私は思わずベッドに寝転んだ。



・・もう部屋を出たくない・・。



「キーサー!」



ぎゅっと上からヴィオが私を抱きしめてくる。

・・甘えん坊かと思っていたけど、これガッツリ異性としての触れ合いだったのか・・、そう思ったら、じわじわと恥ずかしくてなって・・、ちょっとヴィオの顔を見て・・



「・・あの、今度からこれも申告制を導入します」

「え〜〜、ただのハグだよ?」

「いや・・、これ、もうアウトかなぁ〜・・」

「ハグは、普通にさせてよ・・」

「いや、ダメです」



好きだなんて言われて、頭がパニックになったけど・・

保留にしてもらって、ホッとしているのも事実だ。


体を起こして、隣に座るように話すと、

嬉しそうに私の隣に座ったので、ちょっとホッとした。ヴィオはニコニコしながら・・



「キサ、大好き!お弁当美味しかったから、また作りたい!!」

「好きかどうかは別として・・お弁当は美味しかったですね・・。ヴィオどうやってお肉は味付けしたんですか?」


「え〜、塩と砂糖と、スパイス入れただけだよ?」

「スパイスかぁ〜・・、よく知ってましたね」


「料理の本を見て、覚えた!キサに美味しいの食べて欲しかったし!!」



嬉しそうに話すヴィオに驚く。

いつの間に、料理の本を読んでたんだろう。内容も覚えてて・・それを実際にできるなんてすごいなぁ・・。


まだ小さな子供・・

そう思っていたのに、本を自分で読んで、

内容を覚えて、実際に作れるまでに成長したんだ・・。


そう思ったら、やっぱり成長しているんだな・・って、感慨深い。それに・・やっぱり嬉しい。



そっとヴィオの頭に手を置いて・・、優しく撫でる。


「・・大きくなっているんですね・・」


あっという間に私を置いて、大きくなっていくんだなぁ。

・・うん、私はまだヴィオの成長を見守る親心の方が大きいかなぁ・・。



と、ヴィオの耳がピクピク動いているので、ああ、嫌なのかな?って思って・・顔を見ると、真っ赤だ。



「・・ヴィオ?」

「・・本当にキサは分かってない・・」

「え?な、何かしちゃいました?」

「・・してない・・、してないけど・・」



そういって、ヴィオは膝を抱えて・・、赤くなった顔をあげて私を見る。



「・・キサ、早く分かって・・」



ううーん・・、幻獣様、私はまだお考えがよく分からないです!!ごめんよ〜・・。せめてもと、頭を撫でると・・ヴィオの尻尾がパタパタと揺れていたので、機嫌は良さそうだ。うん。それしか分からない!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ