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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様の成長期。7


次の日の朝・・、

辺り一面、更に真っ白な雪景色になっていた!!


朝起きて、テラスの窓から見る雪景色に、私もヴィオも感激する。


「・・うわぁ・・、すごい積もってる」

「ね、ね、また雪合戦しない?」

「・・今日は夜更かしするので、雪だるまにしましょう」

「雪だるま?」

「朝御飯を食べて、温かくしたら・・外へ行きましょう!」

「やった!!行く!!」


今朝はベルナさんが迎えに来てくれて・・

昨日のパンケーキのお礼を改めて言われたヴィオは、照れくさそうに微笑んだ。



朝食を終えて、早速雪だるまを小さいのを作ってみせる。


「へ〜、これが雪だるま・・」

「もっと大きいのを、これから作ります」


「じゃあ、僕とキサ!!」

「はいはい作りましょうね」


「あとベルナとニケとマルクと、スメラタさん」

「お、人数が増えましたね!」


うんうん、好きな人が増えていくのは私も嬉しいぞ。横でベルナさんが嬉しそう〜〜に笑っている。



雪玉を転がして、大きな雪玉を作るけど・・

私一人では、上げきれない!!

ベルナさんにお願いしようかと思っていると、ヴィオがヒョイっと持ち上げてしまう。



「え??重かったのに!ヴィオ様すごい!!」

「だって、僕、毎日鍛えてるし!」



そ、そうなの?

でも、今・・結構重かったよ??

ベルナさんを見ると、ふむ・・と、頷きつつ・・



「やはり幻獣様ですから・・、我々常人よりも力は大きいのでしょうね。成長速度も速いので・・、この体でも力が強くなるのも納得です。今は更に鍛えておりますし・・」


「そ、そうなんですか・・」



ヴィオを見ると、なんだか得意げだ。

私をじっと見て・・



「もしかして・・今ならキサを抱っこできるかも・・」

「ええええ、だって、まだ私の胸の下辺りの身長なのに無理ですよ!」

「大丈夫!!ちょっと試してみるだけ!!」

「え、ちょ・・わぁああああ!!」



いきなり足元を抱きかかえられて、ヒョイっと持ち上げるのでビックリした!!

ヴィオも持ち上げられるか、半信半疑だったのか・・私を見上げて、目をパチクリさせてる。



「わぁ〜〜!!できた!!キサ、抱っこできた!!!」

「いや、これは持ち上げてるだけというか・・、わわ、ちょ、怖いです!!」



わ〜って喜ぶヴィオは足を滑らせ、私と一緒に雪の中をダイブした・・。

ベルナさんが慌てて私とヴィオを、雪の中から救出しようと駆け寄ってくれたけど・・、ヴィオは相当嬉しかったらしい。


「キサ、もう一回!抱っこさせて!!今度は転ばない!!」

「嫌です〜〜!!!」


慌ててベルナさんの後ろに隠れたら、

めちゃくちゃ怒られた・・。

だって、怖いし。



そうして、いくつも雪だるまを作って・・、夜に備えて一緒にお昼寝までして・・準備万端である!!すっかり夜も暮れて・・しっかり防寒着を着込んだヴィオは興奮で目がランランとしている・・。夜、ちゃんと寝るかな?



私達の部屋の外から、屋上に通じる階段があって・・

ベルナさんと、ニケさんと一緒にヴィオと上がっていく。



屋上には、いくつも椅子が置いてあって・・、

二人掛けの椅子にヴィオと一緒に座る。



下を見ると、街のあちこちが明かりがつけられていて、結構遠くまで明るい。しかも今日は、昨夜は雪が降っていたのに、すっかり晴れて・・綺麗な満月がぽっかりと浮かんでいる。


こっちの世界にも月があるんだなぁ・・

って、別の事に今更気付いたけど。


なんとも言えない綺麗な光景に、私もヴィオも・・ぼんやりと眺めてしまう。

ニケさんが、時間を確認して・・


「そろそろだぞ」


そういった瞬間・・シュッと音がして・・、

聞き覚えのある・・あの花火が上がっていく音がしたかと思うと、



夜空に一面の花火が上がる。



「うわあぁ・・・!!!」


ヴィオが目をキラキラさせて花火を見る姿が可愛くて・・、つい花火よりヴィオを見てしまう。こちらの世界は、ドンドン花火をこれでもか!!と、上げていくようで・・ずっと上がり続ける花火を食い入るように見ている。



「ねえ、キサ!花火綺麗だね!!また見ようね!!」

「・・う、うーん・・」

「また見るの!!約束!!」

「ぜ、善処します・・」



・・政治家みたいなコメントに、憮然とした顔のヴィオ。

ごめんね。それは約束はできないんだよ・・。ちょっと困ったように笑って、痛む胸を誤魔化すように・・ヴィオの手を握っておいた。




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