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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様の成長期。5


スメラタさんから貰ったオモチャやお菓子、絵本、洋服を部屋に運び込んで・・、新年の夜は遊んで、食べて、花火をみることになった。



もちろんヴィオが、突然訪問してきたスメラタさんにびっくりして倒れたマルクさんを狙って、ここぞとばかりに我を通したのだ・・。私は、何もしてないよ?



スメラタさんに「沢山遊んでおけ」と言われて・・、

新年のお祝いで神殿も忙しいので、今日と明日は私とヴィオで部屋で遊んで過ごす事になった。久々にゆっくりできるので、ヴィオも嬉しそうに尻尾を振る。



「ね、キサ、このボードゲーム面白いね〜」

「そうですね、私の世界にも色々ありましたけど、色合いが綺麗!」

「こっちのお菓子も美味しい?」

「はい、面白い味がしますね」



もう一緒にいるのが嬉しくて堪らない!!

と、いった感じのヴィオが可愛い・・。そして、頭を撫でたい・・。

童話や絵本も沢山あったので、読み聞かせして欲しい!!というので、一応中身をチェックしてから読み出す。


幻獣をモチーフにしたお話なんかもあって、

ヴィオは驚いて聞いている。



「・・僕も、こんな風に書かれるのかなぁ・・」

「銀狼のお話もあるか、マルクさんに聞いてみましょうね」



そう話すと、嬉しそうに私の肩に頭を乗せて、私を見ると・・



「キサ、大好き・・」



って、いうので・・お願い、誰か助けて!!

心臓がもちません!!

こんなに可愛いのに、そのうち大きいお兄さんになっちゃうのかぁ・・、寂しいなぁ。


「キサは?キサは??」


って聞いてくるヴィオを見て、そっと頭を撫でつつ・・、



「・・えっと、ヴィオが好きですよ?」

「本当に?!ちゃんと好き?」



んん・・・??

好きに、ちゃんと好きってあるの???

ちょっと首をかしげると、ヴィオはむくれて・・


「やっぱり分かってない・・」


って言うんですけど、ごめん・・。

まだ幻獣様のお考えを十分に理解できていないようです・・。



しかし、ずっと部屋にいるのもなんだしなぁ。

何かせっかくだから、二人でできる事をしたいなぁ・・。そう思って、絵本を見ると・・お料理の本もあった。ああ、作ってみよう!みたいな本は、この世界にもあるのか・・。



パラっと中身を見てみると・・

パンケーキの作り方が描いてあって、それをクマが食べている絵がある。



「・・ぱんけーき・・?」



ヴィオが目をパチクリさせて絵本を見る。

そういえば・・、こっちではまだ食べた事がないなあ・・。



「マルクさんに頼んで、調理場で作らせてもらいましょうか?せっかく絵本を頂いたし、お礼のお手紙を書く際に、実際作って食べたら、書きやすいでしょう?」



私がそう言うと、ヴィオは目を輝かせて頷くので・・、早速お願いしに行く。


ベルナさんが一緒についてきてくれる事になり、材料も毒が入ってないか魔法で調べてくれた・・。そ、そんな事まで考えてなかった・・。ありがとうございます!!



早速、ボウルを借り・・、絵本を見ながらまず私が卵の殻を割ってみせると、ヴィオもやってみる。


剣や魔法の練習をしているからか、手先を動かすのが何気に上手だ。綺麗に卵を割ると、嬉しそうに私を見る。可愛い!!!


「粉を混ぜて・・、牛乳も入れるんです・・」


そっと牛乳の入った瓶を一緒に手を添えて上げると、照れ臭そうにしている・・。なんでそんなに可愛いの・・。



ボウルを抑えてあげて、上手に混ぜた所で

今度は大きめのフライパンにバターを落として、

そこに生地を流す。



真剣そのもの!!なヴィオは、絵本のように表面がプツプツと泡立ってきたのを見て・・


「キサ!!キサ!!出てきた」

「はい、じゃあ、ひっくり返してみましょうね」


私が最初の一枚をやってみせると、あっさり二枚目をひっくり返すヴィオ。・・君、本当に器用だね。


そうして、何枚も何枚も焼き上げて・・

かなりの枚数を焼き上げたヴィオは、



「これ、マルクと、ベルナと、ニケにもあげるんだ!!」



って、笑顔で話すから・・

私とベルナさんは感激するし、その話を聞いたマルクさんは号泣するし、ニケさんは号泣するマルクさんにハンカチを渡しつつ、嬉しそうに笑った。ちなみに材料が最高級なので、お味も最高級だった。




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