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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様の成長期。4


スメラタさんは大変なお兄ちゃんであった・・。


しかも、ヴィオを大層気に入ったらしい。

結構無表情な印象だけど、ニケさん曰く「口角が上がってる・・!!」と驚いていた。



なるほど・・???

静かにお茶を飲むスメラタさんだけど、ほ、本当に遊びに来ただけなのかな?お土産を目をキラキラさせて見ているヴィオに、



「これは獅子の土産のボードゲームだ」

「こっちは一角獣の土産の弓矢だ。よく飛ぶ」

「これは不死鳥の羽で作られたドリームキャッチャーだ。悪夢を見なくなる」



めちゃくちゃ説明してる・・。

・・うん、結構全力で可愛がっている上に、ヴィオが喜ぶ顔を愛おしそうに見ている。しかも、一緒にコマを回して見せて遊んでいる・・。


あらかたお土産を袋から出して、ヴィオは嬉しそうに私を見ると・・



「キサ!見て〜!すっごい一杯!!ね、お菓子は夜通し起きてる時に一緒に食べよう!それで花火をみよう!!」



か、可愛い〜〜!!

そっか、それもいいね。私はにっこり笑って・・



「そうですね。お土産を持ってきて下さったスメラタさんや、贈って下さった幻獣の皆さんにお礼のお手紙も送らないとですね」

「そっか!!あとで書く!!スメラタさん、ありがとう!!」



すっかり警戒心がなくなったヴィオは、スメラタさんにお礼を言うので・・、スメラタさんは嬉しそうに微笑む。



スメラタさんは、ヴィオを見て・・「腕を出せ」と言うので、ヴィオは腕まくりして・・腕を出すと、スメラタさんは指の先を光らせると、ヴィオの手首に触れた途端・・花の紋様が広がる!!



「・・これは・・?」

「守護魔法だ。いずれお前も幻獣の教育が進めば、それを自分に施せるだろうが、念の為魔法を掛けておく」



もしかして・・遊びに来た理由ってこれもある?

他の国に傷つけられない為に、守りに来てくれたの??

私はスメラタさんを見上げると、小さく笑って・・



「久しぶりの弟の出現に、皆浮かれている・・。私もだがな」



よ、良かった・・。

私はホッとしてヴィオを見ると、ちょっと嬉しそうで・・照れ臭いのか、もじもじしてる。


「ヴィオ様・・」


私は、ヴィオに声を掛けると、顔を上げて・・



「スメラタさん、ありがとう・・」



って、恥ずかしそうに言うと・・スメラタさんは今度こそ嬉しそうに微笑んだ。うちの子・・可愛いでしょ?って、思わず思ってしまった・・。



「半年後のお祝いには、また来る、それまでに何かあればいつでも連絡してこい」



そういってヴィオの頭をワシワシと撫でる。

お、お兄ちゃん!!!!


マルクさんがヨロヨロしながら、食堂へ来ると・・スメラタさんはあっさりと、要件が終わったから帰る・・と言うので、また倒れそうな顔をしていた・・。



そうして、雪降る中・・ドラゴンの姿になると、中庭からあっという間に飛び去ってしまった・・。嵐のようなドラゴンだったな・・。ヴィオは姿が見えなくなるまでジッとその姿を見ていて・・、何か思う所があったのかな?



「ヴィオ様、寒いですから・・これを」



ぶ厚めのブランケットを肩に掛けると、お礼を言って私を見るヴィオ。



「・・僕、ちゃんともっと強くなって、この国もキサも守るから」


「はい、ヴィオならきっとできますよ」

「本当にそう思う?」



もちろんですとも!

ちゃんと挨拶ができて、お礼も言えるんだもん!


スメラタさんに会って、幻獣様としての自覚が出たのかな?それなら、それで嬉しいけど・・、急にそんな事を言うと、ちょっと寂しい気もするけど。



「なんだか突然お兄さんになったみたいですね・・」

「お兄さん・・」



あ、なんか嬉しそう・・。

そうか、やっぱりちょっとスメラタさんを見て、格好いいなって思ったのかな?そんな様子を見ると、まだまだ可愛いなぁって思うけどね・・。



部屋に戻りつつ・・



「でも、そっか・・。お兄さんだし、もうキスも手を繋ぐ事も控えないとですね・・」


「え!!なんで?!」

「え、だって・・、あんまりベタベタする印象ないし・・」


「なんで、キサは分からないの!?」

「え、ええ〜〜??!!」



私が思わず声を上げると、ニケさんがいつの間にか会話を聞いていたらしく、思い切り爆笑してる。もう!!なんで笑うんですか!あと、なんでヴィオはそんなに怒ってるの???少年期は分からないよ〜〜。




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