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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様、成長期。


毎日、勉強や剣や魔法の練習をするようになったヴィオ。


私だったらとっくに音をあげてしまいそうなのに・・、よくやるなぁと、感心する。身長も毎日確実に伸びていて・・、3ヶ月のお祝いの時には私の腰くらいだったのに、胸の下辺りまで成長してきた。



「・・大きくなりましたねぇ・・」

「まだだよ!もっと大きくなりたいの!」


夜になって、天蓋ベッドに二人で寝転んでいるけれど、そろそろビジュアルがまずくないか?私は、これ以上大きくなったら、ちょっと気まずいんだけどなぁ・・。



「そういえば、幻獣・・狼の姿にはなれるんですか?」

「うん、なれるよ!」

「ちょ、ちょっと・・見てみたいなぁ・・」

「?いいけど・・」



そう言うと、ふわっと体が光ったかと思うと、大きな犬くらいの銀色の狼の姿になった!



「・・うわぁ・・、久しぶりに見たけど・・こんなに大きくなったんですね!!」



思わず毛並みを撫でると、気持ちよさそうにうっとりと目を細めるヴィオ。

人間になってからは「お風呂は自分で!」と、入るようになったヴィオ・・。狼の時は毎晩入れてたのになぁって思い出す。


「・・この姿なら、お風呂に入れられるかなぁ・・」


私がボソッと言うと、目をパチクリさせてヴィオが私を見る。

あ、その顔、久しぶりだな。



「キサ!僕はもう大人なんだから、狼でもダメだよ!」

「・・そうでしたね・・」



・・だけど、君・・、キスは欠かさないし、まだ抱きついてくるじゃないか・・、と言いかけて、言葉を飲み込んだ。シュッと音がしたかと思うと、また人間の姿に戻って・・。



「キサは本当に子供なんだから、ほら早く寝よう!」

「は〜〜い」



ちょっとあきれるように話すヴィオに思わず笑ってしまう。

布団をかけると、もうすっかり冬なので冷えるけど・・子供の体温は温かい・・。まぁ、それを一度言ったら、怒られたわけですが・・。



「・・あと、キサ・・キスして・・」



ちょっと遠慮がちに私を見て、そう話すヴィオ。

・・うん、まだ子供だな。

小さく笑って、そっと頬にキスすると・・くすぐったそうに笑って嬉しそうに微笑む。ああ〜〜、うちの子は今日も可愛いな!!



「・・3日後には、神殿で新年のお祝いをするみたいだし、楽しみですね」

「うん!何があってもキサは守るからね」

「う〜〜ん、違うんだけどなぁ・・」



それにしても、今日は芯から冷える・・。

ヴィオから寝息が聞こえてくると、暖を取るためにちょっとくっついて眠る。温かいんだもん・・。私も瞼を閉じると、ヴィオも私にくっついてくるので、やっぱり可愛い・・。




そうして、翌日・・。


「キサ!キサ起きて!!」

「・・ん・・?なんですかヴィオ・・」


「雪!雪が降った!!本では見たけど、あれ雪だよね!?」


雪・・?!こっちでも降るの??

思わずガバッと起きると、テラスの方を見ると、中庭が真っ白だ!

しかもまだ雪が降ってる!!



「ええ〜〜〜、こっちって雪が降るんだ!!」

「やっぱり雪なんだあぁ!!綺麗だねぇ!!」



ヴィオがニコニコしながら私に微笑む。

・・・うん、君は今日も可愛い。



「ねぇねぇ、雪って触ってもいい?」

「いいですけど、ちゃんと洋服を着ないと寒いですよ?」

「ええ、僕寒くないよ?」

「・・ここは室内だからです。ほら、お洋服を着ましょうね。ええとクローゼットに・・」



防寒着になるような物があったかなぁ。

クローゼットを見ると、いつの間にかちゃんと冬服が常備されている・・。すごい。



私、一年後にここを出ていくけど・・、お洋服安く譲ってもらえるかなぁと思いつつ、ヴィオの服も持ってクローゼットを出ると、テラスの窓が開いてる!!



狼の姿で、雪の中を駆け回っているヴィオを見て・・



「こ、こら〜〜!!ずるいですよ!!」



そう言うと、ヴィオは笑いながら中庭を駆け回った・・。

犬は喜び・・って歌、ありますもんね・・って思ったけど、あれは犬であって、あそこにいるのは狼の幻獣だった・・。





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