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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様はいつでも格好良くいたい。


白虎のセスを急遽預かって以来、「我慢してたんだよ!」と言って私に甘えるヴィオ。常にそうじゃないのかな〜?と思うけれど、今日も今日とて私をギュッと抱きしめ、



「僕のお嫁さん!今日も可愛い!大好き!!」



と嬉しそうに尻尾を揺らし、私を見つめて甘く微笑む。

大変ストレートである。そして大変恥ずかしい。

思わず恥ずかしさで言葉に詰まってしまう私をヴィオがキラキラした瞳で覗き込み、



「キサは?僕のこと大好き?」

「‥毎日聞いてきますけど、大好きって言ってるじゃないですか〜」

「もう!そういう時はちゃんと大好きって言って!」

「はいはい、大好きですよ」



大人のヴィオは格好いいからちょっと直視できないので、俯きつつそう話すとヴィオに「目を見て〜」って言われるけど、恥ずかしいんだってば〜!!


朝のお祈りが終わって、朝食に行く前にベッドで二人座って毎朝やり取りしているけれど、ヴィオは本当に小さい頃から変わらず「好き!」って伝えてくれて‥、嬉しいけれどやっぱり照れ臭いんだよね。



でも、これが無くなっちゃったらそれも確かに寂しい‥。複雑な親心と夫婦心?うーん、難しい。



「‥またキサ、僕が小さい頃のこと考えてるでしょ」

「なんでわかるんですか?!いや、まぁ、小さい時と変わらないなぁって思いましたけど‥」

「小さい時からずーっと大好きだったんだもん。変わらないよ!ねえ、大好きだよキサ!」

「も、もうわかりました〜」

「ダメ、もっとわかって!」



これ以上愛を語られたら、私はまた赤い顔のまま食堂へ行くはめになるんだけど〜!?

ヴィオは私の反応に気を良くして嬉しそうに抱きしめて、頬に何度もキスをするけれど、ううう〜〜、これはあれだ、ベルナさんからストールを借りて頭から被っていくコース決定だなぁ‥。



本当に乙女でなく、男性だったらヴィオは一体どうしてたんだろ。

ふとその時、ターシェさんやアイムさんの言葉を思い出して、ヴィオをジッと見つめた。



「キサ?」

「‥以前、スメラタさんが皆一度は異世界の乙女に恋をするって言ってたけど、ターシェさんやアイムさんは男性だって言ってましたね」

「え?あ、ああ、そうだね」

「もし私が男性だったら、こんな風に甘えなかったのかな‥」

「ううん。やっぱり僕、キサだったら甘えてたと思う」



きっぱり言い切るヴィオに思わず顔が赤くなる。

そ、そうですか‥。でも、国によっては男性が来るんだよね。ヴィオには神様が私をって選んだけど、その基準ってどこにあるんだろう。とはいえ、そういうのは神様は教えてくれないってヴィオも言ってたしな。


「あ、そういえばターシェさんで思い出した!ターシェさん、今月から守り月なんだ」

「そうでしたね。じゃあ、そろそろ遊びに来るかな‥」


と、言った瞬間、



うちの神殿のテラスから、ドドン!!と何かが落ちる音がした。



「‥‥来ましたね」

「うん、早速来たね」



最早テラスを見なくてもわかる。

キラキラとした光る感覚が水の精霊さんのお陰でわかる。これは間違いなくターシェさんである。テラスへヴィオと一緒に出ると、廊下の向こうからベルナさんとニケさん、マルクさんも慌てたように走ってきた。


「おい!今度はどこの幻獣が来た!?」

「‥ニケ、どこのとは失礼ですよ」


呆れたようなニケさんを嗜めるベルナさん。

しかし言わんとすることはわかる。大神官のマルクお爺ちゃん、突然の来訪の度に驚いて倒れちゃうからね‥。とはいえ、一緒に息を切らせてやってきたマルクさん、すでに倒れそうだけど‥。



皆で降りて来た場所であろうそこへ向かうと、ターシェさんがやっぱりそこに居たけれど、いつもの明るい調子で来る訳でもなく、ちょっとモジモジとしている‥?



「ターシェ、さん?」



いつもと全然違う様子にヴィオが心配して声を掛けると、



「‥あの、ちょっとしばらくこっちに通いたいんだけど」

「「え?」」



思わず皆で声を揃えて目を見開くと、後ろでマルクさんが音もなく倒れ、それをニケさんがいつもの如く受け止めてくれた。‥うん、ナイスキャッチ。





お久しぶりのヴィオとキサのお話です!

余りに久しぶりで最初から読み直し、手直ししてたら結構な時間を食ってしまった‥。楽しんで頂けたら嬉しいです!

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