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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様、いつかの未来。19


そうして次の日、セスは復活!とばかりに朝から元気に飛び起きた。


‥最初は怖がりだったのに‥。

今ではすっかりヴィオのように「剣も魔術もする!」になってしまった‥。神様ごめんなさい。セスはヴィオから貸してもらったお菓子の本を見て、目をキラキラさせる。


「キサ、パンケーキ焼きたい!」

「体調は大丈夫ですか?」

「ヴィオに元気もらったから大丈夫」

「‥いつの間に‥」


最初はセスの登場にヤキモチを妬いていたヴィオもすっかりセスにメロメロだなぁ〜。今日は昨日の事もあって、マルクさんやニケさんと警護について相談しているそうだ。


ベルナさんがニコニコして、



「食堂でしたら、魔術で危険のないようにしておいたので大丈夫ですよ」

「ええ、そうなんですか?!」


「お食事を召し上がる所は、毒の危険もありますし、特に守護が必要ですからね」

「‥割と理由が怖かった‥」



とはいえ、ベルナさんがそう言うのであれば大丈夫だろう。

セスと手を繋いで歩いて行くけれど、すぐにでも行きたいセスはシュウっと音を立てて、あっという間に白虎になる。小さな白い虎になったセスは食堂へ駆けて行くので私とベルナさんは大いに慌てて追いかけた。



「「こ、こら!!セス、一人で行っちゃダメですよ〜〜!!」」

「え〜、早く行きたい〜〜」



ま、守られる存在〜〜!!!

私が急いで足を止めたセスを抱き上げる。

白い子虎ことセスは目をパチクリして、「大丈夫だよ?」って言うけど、どの辺!?私は昨日、大変ドキドキしましたけど?


ベルナさんが可笑しそうに笑って「次回来た時は、気をつけましょうね」なんて言うけど、本当だ‥。これは大変だ。絶対大変だ。



そうして食堂へ行くと、人間の姿に戻ったセスは「すぐ作る!」と張り切って‥、久々にヴィオが使ってた踏み台を出して時々ベルナさんに手伝って貰いつつ、パンケーキを焼きに焼いた。



「こんなに食べるんですか?」

「ううん、ヴィオと、ベルナとニケとマルクと、魔が入っちゃった人もきっと疲れたから、その人達のも‥」



「ダメだった?」ってセスが私を見上げるとけど‥、

全然ダメじゃないです〜〜〜〜!!!

ヴィオに似て困るなぁって思ったけど、優しい所も似ていて‥、そこは素直に嬉しい!!セスを思わず抱きしめていると、



「「あ!!セスばっかり、ずるい!!」」



突然、ヴィオの声がしたと思って振り返ろうとすると、

後ろからガバッとヴィオが私とセスを一緒に抱きしめてきた。


「ヴィオ!??お、お仕事は??」

「今、ひと段落ついた〜。ターシェさんも来てくれたよ」


ターシェさん!!?」

ニコニコ笑うヴィオの腕の隙間から、後ろを振り返ると長い髪を束ねてゆるっとしたロングシャツを着たターシェさんがこちらに手を振っている。



「ターシェさん、お久しぶりです!」

「や、元気?この子がセス?うわ〜〜、ヴィオに似てるね!!」

「‥そうですね、中身も似てます‥」



私が思わずそう言うと、ターシェさんがぶっと吹き出した。

そうしてセスの頭を撫でつつ、


「早速力を使い果たそうとしたって?騎士も魔術使いも、本来は無鉄砲じゃダメなんだぞ?」


「‥はい」

「よしよし、いい子だな〜。お土産あるよ〜〜」


‥ターシェさん、すでにデレデレである。

幻獣様って、ちびっこが好きなのかな?

セスをヒョイっと抱きかかえて、ほっぺを触っているので好きなんだろうなぁ。



私達で作ったパンケーキを一通り配ってから、ターシェさんとヴィオ、ベルナさんとセスで中庭でお茶をした。もちろんセス手作りのパンケーキもお出ししました。



「へぇ〜、セス皆にパンケーキ焼いたの?」

「‥レオルさんから貰った本を見て、みんなの分焼いた」



ちょっと「頑張りました!!」って、やり切った笑顔のセスに一同心を鷲掴みにされて、一瞬うまく空気が吸えなかった‥。か、可愛い〜〜!!!



「‥私、子離れできなさそうです‥」



思わず呟いたら、ヴィオが「僕がいるでしょ!!」って言うし、それを聞いてターシェさんは笑うし、セスはニコニコして「ずっとそばにいる」って言うし、

うーーーーんこりゃ大変だ。



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