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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様は成長したい。4


それから、すぐに神殿の周りの警備が強化されて・・、

どこへ行くにも、ベルナさんかニケさんが一緒になった。


5歳くらいの姿になったヴィオは、耳をピコピコと動かしつつ、私の手を繋いで歩くのがお気に入りのようだ。



中庭に咲いた花を取って、私にそっと渡すと・・


「キサにね、手で渡したかったの!」


って、言うじゃな〜い?

可愛いですからーー!!!!もうなんなの!?可愛い!!



「・・ヴィオ様は、末恐ろしいです・・」

「末恐ろしいってなに?」

「いえ、こちらの独り言です・・」


こんなに可愛いのに、サラッと格好いいことしちゃうんだもん・・。きっとモテるだろうなぁ〜・・。そんな会話していると、ベルナさんにクスクスと笑われる。



「シルヴィオ様、そろそろ剣のお時間では?」

「そうだった!キサ!今日も見ててね!!」


「はいはい、ちゃんと見てますよ」



約束通り、ニケさんに剣を習い始めたヴィオ。

中庭でニケさんが1時間、剣の稽古をつけてくれる事になった。

最初は素振りをするだけで、フラフラしていたのに、最近はしっかり素振りをする姿に驚いてしまう・・。



中庭の椅子にベルナさんと一緒に座って、ニケさんに挨拶して練習をするヴィオを見る。真剣な顔で剣を習う姿をみると、世の中のお母さんってこういうのに感動しそうだなって思う。



「シルヴィオ様、嬉しそうですねぇ〜」

「そうですね、剣の練習を早くしたいって、言ってましたし・・。私としては、魔法が良かったんですけど・・」


「おや、そうなんですか?」

「・・剣は格好いいんですけど、怪我しちゃうかと思うと怖くて・・」



私がそう言うと、ベルナさんが面白そうに笑う。



「魔法もそれなりにけがはしますよ。でも、キサ様が「魔法使いって格好いい!」といえば、シルヴィオ様はすぐに魔法を習いたがると思いますよ」


「そうですかねぇ・・最近、言い出したら聞かないから・・」

「キサ様の言う事だけは、絶対聞きますよ」



そう言ってベルナさんが笑うと、ヴィオが向こうから・・



「キサーーー!!見て!!今、剣の打ち合いするから!!」



そう叫ぶので、ヴィオを見て手を振る。

尻尾がパタパタ揺れていて、可愛い。うちの子可愛い。

ああ、こんな穏やかな日がずっとこれからも続けばいいのにな・・。この間みたいなことは、もうゴメンだ。



「あと少しでお祝いですから、しっかりと警護いたしますね」



ベルナさんが、ヴィオを見ながらそう話し・・

私もヴィオを見ながら・・



「よろしくお願いします」



静かに頷きながらヴィオを見た。

・・皆、君が大好きなんだから・・、本当、気をつけて欲しい・・。ニケさんに木刀で頭を軽く叩かれて、悔しそうにしている姿に思わず笑ってしまった・・。




そうして、3ヶ月のお祝いの日が来た。


今回は、「お化粧している所見たい!!」と、ヴィオがごねるので・・、そばに椅子を置いて座って貰っている。ヴィオの方を先に支度したけれど、銀色の髪と緑の目に合わせて、緑の衣装に、銀の刺繍がしてある洋服を着て、ネックレスは今回も私と同じ物を付けている。



化粧する様子を興味津々で見られるのは、ちょっと照れるんだけど・・、マルクさんにゴネて困らせるよりはいいか・・と、思っていると・・


「キサ、綺麗だねぇ・・」

「口紅毎日つけたら?」

「いつも可愛いのに、お化粧すると綺麗になるのなんで?」


と、聞いてくるので・・恥ずかしいし、照れる!!

その会話を神官生の皆さんも聞いてて、笑ってるし〜!!!



「・・ヴィオ様、ちょっと静かにして下さい・・」

「なんで?だって、キサの事、前はもっと褒めたかったのに、うまく言えなかったから、今いっぱい言いたいの!えっと、お花みたいに綺麗で、大好きだよ!!」



もう私、真っ赤になっていい?

こんな5歳児に言われてるはずなのに・・、ものすっごい照れるんですけど!!鏡の後ろで、ベルナさんが笑っているのが見えて・・、私はもう明日からどんな顔をすればいいのかわからないんですけど・・。




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