表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
169/186

幻獣様、いつかの未来。18


スメラタさんの言葉通りに来たアイムさん。


アイムさんの所でも、魔の者が出たから心配して来てくれたらしいけど、あまりのタイミングの良さにヴィオがずっと小さく笑っていた‥。



「えーと、そんでセスの体に力を入れてあげればいいんだな?」



指をコキコキ鳴らしながら、静かに眠るセスを見るけど不安しかないんだけど!?スメラタさんが、「少しずつだからな?」

と、念を押してくれてちょっとホッとする‥。



アイムさんもセスの額にそっと手を置いて、いつもは見ない真剣な顔で力を注ぐ。するとセスの顔が少しだけ赤みが増してきた!おお、すごい!!


セスも目を開けているのも楽になったらしい。

瞳をゆっくり開けて、アイムさんを見るとちょっと照れ臭そうに笑う。



「‥ありがとうございます‥」

「「お、ちゃんとお礼が言えて偉いなぁ!!!」」



わしゃわしゃと白いふわふわの髪を撫でるけど、セスは何だかくすぐったいような顔をする。スメラタさんは、そんなセスを見て小さく微笑み、


「ではアイムを連れて、早速花を植えに行くかな。急に何人も来るとセスの体に負担だ。明日はレオルか、ターシェを寄越す」


ヴィオがスメラタさんにお礼を言うと、スメラタさんはヴィオの頭をそっと撫でる。



「‥お前も、あっという間に大きくなったな‥」

「もう!スメラタさんまで子供扱いですか?」



ちょっと頬を膨らましてヴィオがそう言うと、スメラタさんは「どうかな?」なんて言って可笑しそうに笑うと、アイムさんを引っ張るようにして去っていった。素早い回収だ‥。



とりあえずセスは大丈夫そうだって分かって、ようやく私とヴィオは顔を見合わせてホッとした。ベッドで寝ていたセスに、アイムさんにぐしゃぐしゃにされてしまった髪をちょっと整える。


セスは嬉しそうに微笑んで、



「治ったら、また剣できる?」

「そうですね〜〜〜。剣以外がいいなぁ〜〜」

「じゃあ、魔術‥」

「うう〜〜〜ん???」



すぐにでも練習しそうだなぁ。

できればそういうのでないのがいいんだけどなぁ‥。そう思っていると、ヴィオが笑ってセスの頭を撫でる。


「剣や魔術でなくて、料理もあるよ?」

「料理?」

「美味しく作れたら、皆喜ぶ」


「みんな‥!」


セスの目が途端にキラキラする。

‥これは決定だな。



ヴィオが私を見て、ニコッと笑う。


「キサが好きなパンケーキ、いっぱい焼くね!」

「ヴィ、ヴィオ!」


「キサ、パンケーキ好きなの?じゃあ、僕も、焼く」


ヴィオの言葉にセスが食いついて、寝ているのに飛び起きそうな勢いだ。そ、そんなに張り切らなくていいから!!



「ちゃんと休んだら‥ですよ?!あとヴィオはまだ仕事が残っているんじゃないんですか?」


「「ううっ‥!!」」



ヴィオとセスが私の言葉に、ちょっと顔を竦める。

後ろでベルナさんが書類を持っているし、ニケさんも何やら話したそうな顔をしているもんね。



「はい!ヴィオは仕事に行ってらっしゃい!セスは寝る!!」

「「「ええええ〜〜〜〜〜!!!」」」


「そんな時まで息を合わせない〜〜!!!」



私の訴えが神殿の中で大きく響いたのは言うまでもない‥。

幻獣様って、そばにいると似てくる仕様なんだろうか。



そうしてセスを無理矢理寝かせている間に、スメラタさんとアイムさんは世界中に、種を蒔いて花を咲かせたようで‥。その威力が物凄かったらしい。


ヴィオが神殿の清めている時、世界中の穢れの状態も見たそうだ。心配して調べたら物凄い勢いで魔の者の気配が消えていくのを感じて驚いた!と仕事を終えて戻って来たヴィオが興奮気味に話してくれた。


「すごい勢いで綺麗になっていったから、きっとセスが次に来た時は安心して過ごせるよ」


そんな一瞬で咲いてしまう花だったの?!と、

私とセスで驚いた。



「神様が帰ってきたら、驚くと思う」



そうセスが話したけど‥確かにそうかも。

ヴィオがニコニコして、



「そうしたらセスが今度来た時は、安心してもうちょっと本格的に剣とか、魔術とか出来るかな〜」


「「ヴィオ、すかさず剣と魔術をやらせようって考えないで下さい!!」」



まずは幻獣教育が先でしょうに!

私がそう話すとヴィオがセスと顔を合わせて笑ってた‥。なんていうか、本当に息の合う二人だこと‥。次に来た時はどうなるんだろう‥。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ