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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様、いつかの未来。8


嵐のようなアイムさんを連れ帰ったスメラタさん‥。


セスはちょっと驚いた顔をしていたけど、あれは割といつもある事‥って説明したら、ここへ来たくなくなっちゃう??ちょっと考えて、「楽しかったね」に留めておいた。



朝食を終えたら、今日は剣術と魔術の勉強だ。

ヴィオは先日騎士さん達から教えて貰ったやり方を試したくてウズウズしていた‥。本当、勉強の時よりずっと良い顔をしているなぁと笑ってしまう。



中庭でニケさんと練習するヴィオを、椅子に座ってセスと一緒に見学だ。剣を持つヴィオを不思議そうな顔をしてじっと見ている。


「セス、どうかした?」

「‥なんで剣?」


「あ、ああ〜・・、えーと小さい時に騎士になりたくて‥」

「なんで騎士?」


私を守れる騎士になりたいから‥ですねって言うべき?!!

いやちょっと恥ずかしいなぁ〜〜。

ちょっとまごまごしていたら、ヴィオが私を見て、



「もう!キサを守る騎士になりたいって前に言ったのに、キサ忘れちゃったの?!」

「お、覚えてます〜!!だからそんな大きな声で言わないで下さい!!」



ひ〜〜〜!!!!

神殿中に響く声で言わないでくれ!!

思わず、赤い顔で口元にし〜〜!!と、指を立てると、ヴィオが面白そうに笑う。‥こっちは笑い事じゃないのに!!


ちょっと赤い顔を冷やすべく、手の平で顔を抑えているとセスがじっと私を見上げて、


「‥キサ、シルヴィオ大事?」

「だ!??」

「大事?」


なんだか真剣な瞳でじっと私を見て言うので、これは誤魔化すべきじゃないなぁと思って、



「大事ですよ。とっても大事」



照れ臭いけど、セスに小さな声でそう話す。

ちょっと横目でヴィオを見ると、ヴィオはニケさんと練習を始めていてホッとした。セスは私とヴィオを見て、


「‥皆、同じ‥」

「皆?」


私が聞き返すとセスは小さく頷いて私を見上げる。


「‥前の白虎も、他の幻獣も大事って言ってた」

「どこで??」

「神様のとこ」


そ、そうなんだ!!

私が目を丸くして話を聞いていると、セスはちょっと俯く。



「‥前の白虎、争いあって悲しかったって言ってた。‥乙女がいても、頑張れるか、怖かった」



ポツポツと話すセスに驚くと同時に、神様の元から行く幻獣さんってこんな事を考えているんだ!って、目を丸くする。そうか‥、力があったって最初の一年は育てられて大きくなるし、段々と力がついてくるんだし怖いよね。ましてや色々あったロズやダズだ。


私はセスの背中をそっと撫でる。



「‥怖いって言えるのも勇気が要るのに、セスはこんなに小さいのにすごいね」


「‥勇気ない、まだ怖い」

「それはそうですよ〜!だって新しい世界は緊張するし、怖いですよ」



セスの頭も撫でると、セスは目をパチパチと瞬きする。


「キサも、怖い?」

「怖い時‥ありますよ。だから、ヴィオや皆さんがいてくれて心強いです」


「僕、来たら‥」

「絶対寂しくならないように、皆で構い倒しますよ?」


そういって、白いふくふくのほっぺを両手で包んで撫でると、セスはちょっと目を丸くしてから、ふにゃりと笑う。



「‥キサ、ありがとう」

「いいえ〜〜〜」



可愛い〜〜〜〜〜〜!!!!

笑ったらきっと可愛いだろうなぁって思ったけど、こんな風に笑ってくれるとやはり嬉しい。うん、セスが来たら絶対ヴィオとしょっちゅう会いに行こう。‥できれば、アイムさんほどにならないように‥ほどほどに。



そんなことを思いつつ、セスの頬を撫でていたら、



「「キサ〜〜〜!!!こっちも見て!!!」」



と、ヴィオから注意が飛んできて、ニケさんが「こら!!シルヴィオ、ちゃんと集中しろ!!」って言われていた。ああ、すみません‥うちの幻獣様が。



慌ててヴィオの方を見ると、セスが小さく微笑んだ。

‥ヴィオ、一番下の弟に笑われてしまったぞ。



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