表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
154/186

幻獣様、いつかの未来。3


スメラタさんに、今回2週間だけ預かる事。

神様はその際、出掛けているので何かあれば助け合うようにと言われたことをヴィオが話す。


神様、結構大ざっぱな感じなんだなぁ。


そんな話をしていると、セスは私の顔をチラチラと見上げている。

あ、そっか。セスは皆の事知らないもんね。セスの頭をそっと撫でて‥、



「セス、黒髪の人はスメラタさんていって、竜の幻獣様なの。金髪の人はレオルさんで獅子の幻獣なんですよ。お二人とも優しくて、私やヴィオをいつも助けてくれるお兄さん達なんです。だから怖くないですよ?」



そう話すと、そっと二人を見る。

スメラタさんも、レオルさんも微笑んで、


「すまないな、つい慌てて自己紹介が遅れたな。セスよろしくな」


そうスメラタさんが話しつつセスの頭を撫でる。

セスは、ちょっと固まりつつも二人をじっと見ていた。少しずつ慣れていけばいいかな?


レオルさんは、そんなセスの為に色々お土産を持ってきてくれた。流石、可愛がりたいお兄さんである。ケーキやお菓子、絵本なんかも箱に入れてこれでもかとドッサリ入っている。



「あ、あとこれをシルヴィオにまたお願いしたくてね」

「僕ですか?」



レオルさんがもう一つ箱を取り出して、ヴィオに手渡す。

ヴィオが中を開けると、鉢がいくつか入っている。



「あ、もしかしてスメラタさんとレオルさんの植物ですか?」

「ああ、白虎のセスが来たと聞いて、これにもし光の幻獣の力を加えられるならば、どうなるかと思ってな。ただ、無理はしないでいいし、出来たら‥でいいんだ。どちらにしろシルヴィオに頼もうとは思ってたから」



ロズとダズの浄化の為、幻獣達の力を加えた植物達。

現在、ロズとダズの人に渡して植えて貰っているけれど、微力ながらも穢れを祓うのに有効らしい。確かに、本来のロズとダズの幻獣セスの力が加わったら、違うかもしれない。


ただ、今回は体を慣らす為に来たから。

出来たら‥で、いいらしい。

セスは、パチクリした目で鉢の植物を見ている。



「セス、このお花咲くと綺麗なんですよ。いる間に芽だけでも出たら楽しいでしょうし、一緒にお水を上げましょうね」



そう話すと、セスは小さく頷いた。

クリッとした瞳で見上げるセスはそれはそれは可愛くて‥。スメラタさん達の前なので、我慢していたんだけど‥。



「「ううっ、可愛い!!!!」」



思わずセスをぎゅっと抱きしめて、頭を撫でてしまう。と、レオルさんも「わ、私も撫でたい!!!」と言うので、セスはちょっとおずおずしつつもレオルさんに抱っこされて頭を撫でられていた。


ウンウン、やっぱり幻獣様同士仲が良いのはいい事だ。そう思っていると、すかさずヴィオが私の横に密着するように座る。



「ヴィオ???」

「‥だって、ずっとセス抱っこしてたし‥」



‥まだ1歳だもんね。

なんだか弟に、自分のポジションを取られてしまって寂しいお兄さんの姿に見えて、つい笑ってしまう。向かいに座るスメラタさんも、口元を抑えて笑いを堪えていた‥。


「‥シルヴィオ、兄として頑張れよ」

「分かってます‥」


と、言いつつ口がちょっと尖ってますよ、ヴィオ。

レオルさんは気にする事なくセスを撫でていたけど、ふと‥、



「そういえば、人の形にはなったのか?」



私とヴィオは顔を見合わせて‥、



「あ、いえ、まだです。でもまだなれないのかな?人になれたら、お菓子も食べられるけど‥白虎のままだと食べられる‥のか???」



私がセスを見ると、セスは顔を上げて



「‥‥‥なれる」



小さな、小さなちょっと高い声がボソッと話すと、

レオルさんの腕の中でシュウっと音がしたかと思うと、真っ白のふわふわな短い髪に水色の瞳、白い肌、白い長いシャツを着たセスが現れた。



皆、目を丸くして固まり、後ろでマルクさんが気持ちよく驚いて後ろに倒れた所をニケさんがキャッチしてくれた。



え、に、人間になれるの?!!

ヴィオの時はもうちょっと時間が掛かったけど、今回は違うの??

目を丸くしてセスを見ると、ちょっと目を伏せて、



「‥‥‥お菓子、食べたい」



いくらでもあげたい!!!

そう思わせるほど、可愛らしくねだるセスにあっさり陥落したレオルさんは、持ってきたお菓子を早々に渡していた。早い!!早いです、レオルさん!!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ