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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様、いつかの未来。


アスタルさんの事件もあって、祈りがちゃんとされておらず‥神殿の穢れさえもちゃんと祓えてなかったキートの神殿。


あれから、ヴィオと一緒に神殿へしっかりお祈りして、神様にも報告したらしい。私はというと、水の精霊さんに力をもらって、ヴィオの力や自分の力が、ヴィオの助けがなくても見えるようになった。



「千里の瞳」という力を貰ったんだけど、神様とはまた違うけど、神様と似ている力も持っているらしい精霊さんだからできるらしい。なにはともあれヴィオが今まで見えていた世界を私も見えて嬉しい。ヴィオが神殿でお祈りすると、特別な時以外はあまり分からなかったけれど、キラキラと光で神殿の中が満たされるのを見られるのは楽しかった。



神殿の中を見回していると、ヴィオがニコニコ微笑んで、


「光、見えた?」


「はい!‥ヴィオの世界は、こんな風に綺麗に見えるんですね〜」

「キサの力もすっごく綺麗だよ!!」


‥本当にうちの幻獣様ときたら‥。

照れくさくなるので、もうちょっとマイルドに伝えて欲しい。

今回はアスタルさんの事もあったので街歩きもしたかったけれど、早めにパルマの神殿へ帰ることになった。



「‥後はスメラタさんにも一応キサの力の事、伝えておかないとだなぁ」

「ああ、そうなんですね」



異世界の乙女は今まで神様からの力しか受け取っていなかったのに、今回は水の精霊さんに力を貰ったしね。神様には、大丈夫だろうと言われたそうだけど、他の幻獣さん達にも一応報告しておきたい‥との事だ。まぁ、確かに情報の共有は大事だしね。



私としては、綺麗なヴィオの力が見えるだけで特に困った感じはしないけど‥なんて思っていたら、部屋に着くなりヴィオがジトッと私を見て、



「‥キサ、別に大丈夫って思ってるでしょ?」

「あ、バレました?」

「もう!!!キサの事、本当に心配してるんだよ?」



そう言われてもなぁ〜。

帰り支度をする為にカバンを出して荷物を詰めていると、ヴィオに後ろから抱きしめられた。けど、‥いや、これはくっつかれている方が近いかも?なんて思いつつ、カバンに荷物を黙々とまとめていると、ギュウッと腰を抱きしめられた。



私はちょっと後ろを振り向いて、じっと私を心配そうに見ているヴィオを見つめる。‥神様に大丈夫って言われたはずなのになぁ。



「何かあれば、ヴィオが助けてくれるんでしょう?」

「!!もちろん!絶対助ける!」



パッと顔を輝かせて、嬉しそうに微笑むヴィオ。

可愛いなぁ〜〜。

なんて笑ったら怒られちゃうかな?そう思って、バレないように小さく微笑んでしまう。


「水の精霊さんも、力が見えるだけって言っていたし大丈夫ですよ〜。心配してくれて、ありがとう」


そういって、ヴィオの頭をちょっと体を捻りながら撫でると

耳をピクピクと動かしながら満足そうに微笑む幻獣様であった。帰るまでずっとくっ付いていたので、ニケさんに非常に笑われて私が主に恥ずかしかった‥。




そうして、転移でたった2日ぶりのパルマの神殿へ戻ったのに、マルクさんが笑顔で出迎えてくれた姿を見ただけで、ものすごくホッとした。


いつもは急に来る幻獣さん達に、驚いて目を回しちゃうマルクさんだけど、今回アスタルさんの事もあって余計に、優しくていつもヴィオの成長を喜んでくれるマルクさんがパルマの大神官で良かったなぁって改めて思った‥。と、ヴィオもそう思ったらしい。マルクさんにお土産を渡しつつ、



「‥マルク、いつもありがとう」



そう、しみじみ言うものだからマルクさんも神官を選んだ身‥アスタルさんの話を聞いて、思う所があったのだろう。ちょっと目を潤ませてヴィオの言葉に静かに頷いた。


そしてヴィオは、ちょっと気まずそうに‥、



「えーと、あとね、キサが水の精霊から力を貰ったんだけど‥」

「「っへ!!??」」



そうヴィオが言うと、目を丸くしたと思ったら、

やっぱり驚いて倒れそうになって、慌ててニケさんとヴィオで支えたのだった‥。うん、マルクさんはこんな感じがやっぱり安心する。




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